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住宅産業
ハウスメーカー 新製品・新技術
“こだわり”かなえる住まい
住宅価格が高騰する中、ハウスメーカーは規格住宅やセミオーダー住宅の提供に積極的に取り組み、効率的な家づくりによりコスト低減を図る。一方でオーダーメードを希望する顧客には、豊富な知識や経験を生かし、デザイン性が高く、こだわりをかなえる住まいを提案する。また、断熱材の使用や太陽光発電システムの導入、エネルギー効率の高い設備の採用などにより、環境に優しく二酸化炭素(CO2)の排出を抑えるために設計された低炭素住宅も、注目を集めている。ここでは、快適で健康的な暮らしを提供するハウスメーカー各社の取り組みや新商品を紹介する。
積水ハウス/3ブランド戦略の深化
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開放的な大空間と質感の高い佇まいを実現
積水ハウスは価格帯で分類した三つのレンジに応じて、一戸建て住宅ブランドの強化を図る。最高価格帯にあたる3rdレンジ、それに次ぐ2ndレンジでは、新デザイン思想「ライフニットデザイン」や、間取り連動スマートホームサービス「プラットフォームハウスタッチ」などを提供する。また、住宅設計のスペシャリスト集団「DESIGN OFFICE」により、ブランディングを推進し、商品力、デザイン力、提案力を継続強化。デジタル接点として「SEKISUI HOUSE My STAGE」を活用し、顧客との一層の関係強化を図る。
1stレンジでは同社の技術をオープン化した「SI事業」の展開と、2025年中に発売予定の「SEKISUI HOUSE noie」ブランドを通して、良質な住宅ストック形成への貢献を目指す。
大和ハウス工業/都市に“ちょうどいい”3階建て
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都市部の狭小地で効果的なスペース利用を実現する
大和ハウス工業は軽量鉄骨造3階建て戸建住宅商品「xevo M3」を発売した。「都市に“ちょうどいい”3階建て」をコンセプトに、同社オリジナルの「内外ダブル断熱」と太陽光発電システムを標準搭載することで、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に標準対応した。
軽量鉄骨軸組構法の採用により柱型が室内に出ず、強度を保ちながら外壁の厚みを抑えることで、高いスペースパフォーマンスを実現。都市部のコンパクトな敷地や二世帯住宅などの中規模住宅など、さまざまな要望に対応する。
また、ファサード(建物正面)には外壁に質感を重視したタイル外壁を標準で採用するなど、高い意匠性を追求。従来の「skye3」に加え、xevo M3を展開することで、顧客の幅広いニーズに応えていく。
住友林業/木質空間に調和するキッチン
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一体型のダイニングテーブルを組み合わせたコーディネート例
住友林業は「住友林業の家」を建築する顧客向けに開発したオリジナルキッチン「Germoglio(ジェルモーリオ)」を2月に発売した。天板や扉柄などの組み合わせは、豊富なバリエーションの中から選択できる。
天板には美しい意匠と高級感が漂う天然鉱物を含んだ「シーザーストーン」を標準設定。傷や汚れが付きにくく手入れが簡単になっている。カラーバリエーションは高品質なオリジナル部材「PRIME WOOD」との調和を重視し、ウォールナットやオークなど床材の樹種に合わせて選定した。リビング、ダイニング、キッチンが一体となる空間でも木の品質の良さと美しく調和する仕様となっている。
同社では木を軸とした事業をグローバルに展開中。「ウッドサイクル」を回すことで、社会全体の脱炭素化に貢献することを目指す。
旭化成ホームズ/都市で理想追求 3階邸宅
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重量鉄骨ならではの大開口による開放と高断熱の快適性を両立
旭化成ホームズは都市における理想の暮らしを追求した3階建て邸宅「FREX asgard」を1月に発売した。重量鉄骨・システムラーメン構造に新たな天井高バリエーションを追加。新デザインの大開口サッシ「スライディングマリオン」や重厚さを演出できる外装アイテム「ストラクチャースラブ」を導入した。
また、新外壁デザイン「ランダムバーチカル」と新外壁吹き付け色「レニウムブラック」を新設することで、大型邸宅にふさわしい構えと堅牢(けんろう)で優美なデザインを実現した。さらに火災や地震、水害などから居住者を守るシェルターとしての構成を維持しながら、ZEH水準を上回る断熱等級6を標準仕様化することで、長く安心して快適に住み続けられる住まいを実現。顧客とともに持続可能な社会への貢献を目指す。
積水化学工業/木質系戸建てデザイン重視
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「ザ・デザイナーズ グランツーユー」の外観
積水化学工業は4月19日に、木質系戸建て住宅「ザ・デザイナーズ グランツーユー」を発売した。
同商品は鉄骨住宅で展開している「ザ・デザイナーズ」シリーズを木質系住宅にも展開拡大したもので、内外観の優れたデザイン性と高い住性能を追求することで、豊かな暮らしを実現する。
新開発の家庭用エネルギー管理システム(HEMS)空調制御システム「グラン・エアシステム」を搭載することにより、スマートフォン1台で家全体の空調制御が可能となる。季節や曜日、時間帯に応じて最大48シーンの運転モードを設定でき、生活スタイルに応じて、各部屋の空調を自動で切り替えることができる。特に寝室においては、睡眠中の一般的な深部体温の動きに合うように室温調整することで、心地よい睡眠環境をサポートする。年間300棟の販売を目指す。