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群馬産業特集
多文化共生・共創のまちに/来春、合併20周年 太田市長インタビュー
群馬県太田市は、2025年3月28日に1市3町(太田市・尾島町・新田町・藪塚本町)の合併から20周年を迎える。この間、産官学の新拠点の誕生などにより、さまざまな変化が生まれている。清水聖義市長に過去・現在・未来について聞いた。
相次ぐ物流立地 新産業団地を開発
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太田市長 清水 聖義 氏
ーこの20年間で何が変わったと感じていますか。
「やはり、まちの一体感が強くなった。産業面はこの10年間、積極的に産業団地を造成し、たくさんの物流関連企業が立地した。SUBARUを核とする自動車産業集積でのモノづくりに付加する格好で、市の産業形態が変わりつつある。産業団地はまだ不足しているので、北関東道太田強戸スマートインターチェンジ(IC)の近隣に約34ヘクタールを開発する準備をしている」
ーSUBARUは隣接する大泉町で、バッテリー電気自動車(BEV)の新工場を建設し、バッテリー工場も新設する計画です。
「歓迎している。太田市だけではなく、周辺の大泉町や桐生市などと一緒に発展することが重要だ。BEVは部品点数が減るため、中小サプライヤーから先々の影響を懸念する声もあったが、足元ではストロングハイブリッド車(SHEV)の生産もあり、設備投資などの動きが活発化していて、とても元気だ」
ー教育面にも力を入れてきました。
「05年にぐんま国際アカデミーが開校したのをはじめ、07年に群馬大学・太田キャンパスが発足して『ものづくりイノベーションセンター』などを設置した。また22年に太田工科専門学校が開校した。ぐんま国際アカデミーは、ミシュランタイヤの太田サイトを視察した際、外国人の方が活躍しているのを見たのが開校のきっかけ。12年間の一貫教育を通じて世界で活躍できる国際人を育てている。一方、太田工科専門学校では自動車のスペシャリストを育てる。24年度はネパール人などの留学生115人が入学した。子育て・教育こそが、まちが発展するための礎なので、行政の柱として環境を整えている」
ープロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」のホームアリーナ「オープンハウスアリーナ太田」が23年に完成しました。
「市の認知度が向上した。県内外から応援に駆け付けてくれるので経済波及効果も大きい。他のスポーツとの相乗効果もある。アリーナが立地している太田市運動公園が核となり、バスケットボールだけではなく、野球やサッカー、ラグビーなども活性化している。スポーツ振興は、にぎわい創出につながる」
ー25ー32年度の「第3次太田市総合計画」の基本構想(案)がまとまりました。
「将来都市像は『みんなの笑顔がすぐそばにあるまち おおた』だ。子どもが笑顔で、安心して暮らせるまち、多文化共生・共創のまちにしたい。地域経済の活性化に向けて企業誘致のほか、性別や年齢、障がいの有無にかかわらずに多様な人材が働ける環境づくりなどに取り組む。評価指標の一つとして、32年度の製造品出荷額の目標を22年度比4379億円増の3兆3000億円に設定している」
ー本日はありがとうございました。