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第43回 優秀経営者表彰
日刊工業新聞社が中堅・中小企業の優れた経営者を表彰する「第43回優秀経営者顕彰」の贈賞式が、22日、東京・大手町の経団連会館で行われた。同顕彰制度は優れた経営手腕により企業を成長させ、日本経済の発展と地域社会に大きく貢献したモノづくり関連の中堅・中小企業経営者を毎年、顕彰している。43回目を迎える今回は、最優秀経営者賞に輝いた関ケ原製作所の矢橋英明社長など30人を選出した。受賞者に、今後会社をどう発展させたいかを聞いた。
最優秀経営者賞/優秀経営者賞
【最優秀経営者賞】 関ケ原製作所 代表取締役社長 矢橋 英明 氏
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関ケ原製作所 代表取締役社長 矢橋 英明 氏
国防、海洋開発、社会インフラ、医療、半導体など社会的ニーズの高い分野をターゲットに事業を強化する。製品のライフサイクル管理を一手に引き受けるアフターサービス機能も強化中で、第8の収益の柱にする。
現状は日系の顧客が中心だが、大手商社との連携による海外企業への販路拡大や、海外の優れた製品・技術の日本への導入も検討している。最終的には、グループ会社の関ケ原ゼネラル・サービス、中国の南通関ケ原機械製造とのシナジーを生かして総合力を高め、社会貢献を行うせきがはら人間村財団とともに、地域になくてはならない存在になりたいと考えている。
[受賞理由]
関ケ原製作所は油圧機器や鉄道機器など7事業を展開し、各分野で高いシェアを持つ。矢橋英明社長は人材育成と組織改革を推進し、社長就任前と比べ売上高を約1・8倍、経常利益を約2・7倍にするなど強固な収益体質・財務基盤を築いた。
【優秀経営者賞】 花木工業 取締役会長 海内 栄一 氏
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花木工業 取締役会長 海内 栄一 氏
食肉の総合プラントエンジニアリング企業として、メンテナンス対応を充実させる。それが既存顧客との関係性の維持に加え、次の商売につながる一つの大きな条件になる。また、ハム・ソーセージ加熱製造装置は多くの現場で活躍しており、この分野においてもさらなるメンテナンス拠点の拡充が必要と考えている。
大阪府や静岡県で、と畜場の大型案件も進めている。機械の設計製造を行う当社のほか、建物を担当する大手ゼネコンなどを含めたジョイントベンチャー(JV)を組む。案件はそれぞれ数十億円規模だ。
機械の安全、作業者の安全、消費者の安全という三つの安全を中核として、社員を大切にし、顧客に喜ばれる仕事を目指す。
【優秀経営者賞】 カイハラ産業 代表取締役会長 貝原 潤司 氏
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カイハラ産業 代表取締役会長 貝原 潤司 氏
日本国内の人口増が望めないことや、繊維産業が中国から東南アジアなどにシフトしている状況などを見て、2014年にはタイに工場を稼働させた。現地では染色以降の工程を手がけている。
コロナ禍以前に進出できていたのは、本当によかった。アパレル業界は、コロナ禍を受けて大きく変わった。デニム生地にも、さらに小ロット化、短納期化が求められるようになっている。
備後絣(かすり)に始まって、これまで培ってきたデニム織物づくりの固有技術を、次の世代にどう受け継ぎ深めていくか。さらには、その技術を生かしながら商品の領域を広げるなどして新しい経営の柱をどう立てていくか。これらが次世代の課題だと考えている。
【優秀経営者賞】 サンコー 代表取締役 角谷 太基 氏
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サンコー 代表取締役 角谷 太基 氏
日用雑貨品の企画から製造販売まで行い、これまで約300種類のオリジナル商品を展開している。生活者に寄り添う商品開発を意識し続けてきた結果、壁や床にピタッと吸着する素材「おくだけ吸着」、水だけで汚れを落とせる特殊繊維「びっくりフレッシュ」が生まれた。今後、これらに続く第3のブランドとなる新素材を開発していく。そして、新たなニーズに応えられる商品開発へとつないでいきたい。
世の中が大きく変わり不確かな時代にあって、ライフスタイルの変化に応える商品開発に注力すると同時に、人を大事にする企業であり続けたいと思っている。今後も、モノづくりはもちろん、人づくりにも力を入れていく。
【優秀経営者賞】 カジワラ 代表取締役社長 梶原 秀浩 氏
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カジワラ 代表取締役社長 梶原 秀浩 氏
当社は調味液・惣菜・あんこなどを製造する食品加工機械メーカーであり、生産力、販売力、サービス力の三つを大事にしている。経営理念は、流行に捉われず顧客と真摯(しんし)に向き合い、信頼関係を築くこと。顧客の声や困りごとを具体的に形にすることが製品開発の源泉である。
現在、日本の食品メーカーが積極的に海外に進出する中、当社の機械に対し海外規格への準拠を求められるケースが増えており、専門の準備室を立ち上げ対応している。人手不足に対応する自動化・省力化、予防保全やIoTを深化させ、味づくりを支える技術でお客さまに資する存在であり続けたい。こうした取り組み姿勢が社員の成長ややりがいを生み出すものと信じ歩んでいる。
【優秀経営者賞】 アステック 代表取締役 園田 勝裕 氏
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アステック 代表取締役 園田 勝裕 氏
医理化機器メーカーとして、不妊治療用のインキュベーターを国内で製造してきた。これからも、細胞の力で難病の治療や不妊治療を受ける世界中の人々の助けになりたいと思っている。
現在80カ国以上に輸出しているが、世界全体で見ると、まだ大きな需要がある。今後はさらに海外拠点を拡大し、海外代理店の販売・メンテナンスの資格取得制度も充実させていく。
また、積極的に設備投資を行い、増産体制の拡充を図る。製品開発においては、AI(人工知能)など日々進化する技術を積極的に取り入れてメード・イン・ジャパンの品質で「アステックブランド」をさらに世界に広げていくつもりだ。
【優秀経営者賞】 イズラシ 代表取締役 堤 親朗 氏
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イズラシ 代表取締役 堤 親朗 氏
当社は2039年には創業100年を迎える。その時のありたい姿として、社会に必要とされ続ける「100億円企業」を目指す。
そこで、国内有数の圧造部品メーカーとして年間約4億個のセルフロックナットを生産しながら培ってきたノウハウを生かし、自動車業界だけでなく建築や農業、医療の分野など幅広く活躍の場を広げたいと考えている。
すでに電子部品や太陽光発電分野などで事業の可能性が生まれている。また静岡県が注力している「エアモビリティ」の領域にも貢献できる可能性を模索している。
既存事業を発展させながら新規分野の育成を担っていく次世代の経営層も着実に育っている。
【優秀経営者賞】 紀州ファスナー工業 代表取締役社長 中江 良一 氏
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紀州ファスナー工業 代表取締役社長 中江 良一 氏
環境と社員の幸福を基本重点要素に、高付加価値の特殊ナット生産強化と大ロット品の自動生産体制を両立し、紀州ファスナーをさらに成長させたい。
特殊形状の製品、強度や緩み止めなどの機能性を付与した製品に重点を置き、売り上げ増につなげる。その一つとして、転造ネジナットの開発に注力しており、電動化に伴うコンタミネーション(不純物)対策の需要が高まる自動車産業向けへの供給増を見込んでいる。
自動生産体制では、圧造、タッピング、洗浄、検査、梱包までを無人化する工場の着工を年度内に計画しており、まずは2ラインを試験的に導入する。将来的には、10ラインまで拡大していく計画だ。
【優秀経営者賞】 日本精器 代表取締役会長 平井 研三 氏
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日本精器 代表取締役会長 平井 研三 氏
国内製造の船舶向け圧縮空気除湿装置でトップシェアを持つが、現在、売上高の約45%がОEМ製品。自社ブランドの認知度が低くなってきていることが弱みでもある。そのため、自社ブランドの1機種でも業界ナンバーワンのシェアを獲得(ナンバーワン戦略)することと、70年間培った市場との関係性を基盤として事業領域を拡大させることが目標だ。
目まぐるしく世の中が変わってきており、企業の「らしさ」が「有るか無いか」で、極端に今後の業績に違いが出てくる時代になった。当社の、少量でもОEМ対応が可能という良いところは維持し、「新しい感覚」も取り入れた新商品開発により、独自の「らしさ」路線を堂々と進めていきたい。
【優秀経営者賞】 長野オートメーション 代表取締役会長 山浦 誠司 氏
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長野オートメーション 代表取締役会長 山浦 誠司 氏
オーダーメードでの生産用機械を提供し培った経験と実績を、さらに多くの企業へ届け、世界のモノづくりを支える存在に成長していきたい。
新しい機構の開発と高度な自動化への対応を進め、社員の創造力が社会の価値になる会社づくりを強化する。ロボットやAIを生かした次世代のモノづくりに挑む仲間を迎えながら、より豊かな生産の未来を実現していく。
当社は属人的な機械技術に支えられている。だからこそ個人の成長が企業の価値を高め、他社との差別化を進めてきた。この熟練技術を次世代につなぐため、属人的な力をAIで誰もが生かせる技術に昇華し、会社の総合力を高めていこうと考えている。
【優秀経営者賞】 オキツモ 代表取締役社長 山中 重治 氏
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オキツモ 代表取締役社長 山中 重治 氏
父の代では耐熱塗料をグローバルブランドに育てる目標を掲げ、達成した。
現在は自動車や建築、医療など幅広い分野で機能性塗料の開発に力を入れており、こうした特殊な機能性塗料の事業をさらに成長させる。こちらの市場は国内がメインになっているが、機能性塗料でも第2、第3の柱を育て、海外市場を開拓する方針だ。
欧米市場には多くの規制があり、日本の中小企業が直接販売するのは難しい状況にある。どのように攻めるか、工夫のしどころだと考えている。一方で当社は、中国とタイに製造拠点を持つ。アジアの市場へ機能性塗料が将来的にどのようにはまっていくのか、マーケティングしながら戦略を練っていく。
