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東北産業特集
新たな挑戦 次代をにらむ東北の企業群②
[東光鉄工(秋田県大館市)]
新工場を完成 ダビットクレーンなど生産/来年以降の本格操業目指す
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インフラ鉄構事業部第2工場に設置したパイプ自動切断機/パイプコースター
東光鉄工(秋田県大館市、菅原訪順社長)は、洋上風力発電所の荷役に使うダビットクレーンなどを生産する新工場を完成した。大館市本宮地区の同社インフラ鉄構事業部敷地内に、延べ床面積約2400平方メートルの洋上風力専用の工場になる。同クレーンなどの量産に向けた試験などを踏まえ、2026年以降の本格操業を目指す。今回の総事業費は約8億円。
新工場はインフラ鉄構事業部の第2工場の位置付け。ダビットクレーンのほかに、トランジションピース(TP)を仮置きする大型の鋼製架台などを手がける。14メートルの高さを確保する新工場には、各種天井クレーン、パイプ自動切断機/パイプコースター、溶接ロボットなどを導入した。菅原社長は「準備を進めていきたい」としている。
[吾妻プレス工業(福島県二本松市)]
金型製作からプレス加工まで一貫体制/板厚0・1ミリー9・0ミリメートルの加工に対応
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福島県二本松市の工場で部品をプレス加工
吾妻プレス工業(福島県二本松市、渡辺隆社長)は、自動車関連部品や業務用送風機部品、半導体関連部品などのプレス加工を手がける。金型の設計・製造からプレス加工までの一貫体制が強みで、板厚0・1ミリー9・0ミリメートルの加工に対応している。
これまで材質や形状に合わせた最適なプレス工法や回数などを導き出し、顧客からの難しい加工ニーズに応えてきた。それができるのも「社内で技術を蓄積してきたためだ」と渡辺社長は胸を張る。
会社では毎年2000万ー3000万円程度の設備投資を実施している。今後はプレス加工の補助作業に協働ロボットの導入も検討しながら、工場におけるさらなる生産性向上を図っていく。
[丸大機工(秋田県にかほ市)]
半導体製造装置向け基幹部品大型化に対応 5面/5軸複合加工機を稼働
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稼働した門形5面/5軸複合加工機
丸大機工(秋田県にかほ市、菊地兼治社長)は、半導体製造装置向け基幹部品の大型化に対応する門形5面/5軸複合加工機を稼働した。本社工場敷地内にある第3工場の増設工事が完了。延べ床面積約720平方メートルの増設スペースに同機を据え付けた。同社は25年春までに総額約9億円の投資を計画しており、その一環となる。
新たに稼働したのはDMG森精機の「DMC210U」。最大加工サイズは、直径約2500ミリメートルで、これまで製造できなかったサイズに対応する。今後は増設スペースの空き部分にヤマザキマザックの大型横形マシニングセンターを新たに導入する予定。一連の設備投資計画について、菊地社長は「現時点で順調に進んでいる」としている。
[スズキハイテック(山形市)]
パワー半導体向けメッキ加工設備を増強/尾長島工場に新棟 7月完成
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尾長島工場(山形県川西町)の新棟建設に着手したスズキハイテック(1月時点)
スズキハイテック(山形市、鈴木一徳社長)は、パワー半導体向けメッキ加工設備の増強に向けて、尾長島工場(山形県川西町)敷地内で新棟の建設に着手した。新棟は7月に完成、25年内の稼働を目指す。投資額は約12億円。取引先などの要請に応えるほか、新規ビジネス受注に向けた布石とする。
新棟は尾長島工場の排水処理棟東側に設ける。鉄骨造3階建てで、延べ床面積は約1833平方メートルの規模。事務スペースを持つ平屋建ての既存工場棟(床面積約1390平方メートル)より広い生産スペースを確保するパワー半導体リードフレームなどのメッキ加工に対応する最新の生産設備を導入する。遊休スペースも確保し、新たなビジネスへの準備を進める。
[マイスター(山形県寒河江市)]
生産現場の悩みを解決 自社製品プロジェクト/指に装着して使うヤスリ開発
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指に装着して使う「MENTORING」
マイスター(山形県寒河江市、高井糧社長)は、生産現場の悩みを解決する自社製品プロジェクトを加速している。新たに開発したのが指輪のように指に装着するヤスリ「MENTORING」。即座に使える磨きツールとして注目されている。2024年11月に東京ビッグサイトで開催された「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)」がお披露目の場となった。まずは旋盤加工などの企業から好評を得ている。
MENTORINGは、バリ取りなど仕上げに用いるヤスリ。高井社長は「プラモデルなど模型の仕上げにも使えるという声もある」とし、新たな販売ルートの構築も検討している。今後は個人への販売も視野に入れ、ネットを通じた販売の対応にも取り組む方針だ。
[日本地下水開発(山形市)]
タジキスタンで地中熱ヒートポンプ設置/オープンルーフ用井戸工事 完了
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揚水井の設置で協力した
日本地下水開発(山形市、桂木聖彦社長)は、タジキスタンでの地中熱ヒートポンプ(GSHP)活用プロジェクトで2024年12月にオープンルーフ用井戸設置工事を完了した。「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(サトレップス)」の一環で、27年度までの研究協力による取り組み。
科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)などが国際共同研究全体の研究開発マネジメントを担うサトレップス。日本地下水開発は、GSHP設置協力を担う。今回は病院内敷地に深度約100メートルの揚水井と注入井の計2本を設置した。23年には地中熱交換井2本を設置しており、同国で計4本の井戸を設けた。同プロジェクトは、タジキスタン側の研究者、現地企業などが日本側と手を組んで取り組んでいる。