-
業種・地域から探す
続きの記事
四国地区特集
有力企業の最新トピックス②
丸住製紙/パルプから国産SAF製造実証
丸住製紙(愛媛県四国中央市、星川知之社長)は、大江工場(同市)内に自社製クラフトパルプを原料とする高品質パルプシートを製造するパルプ抄取りマシンを増設した。1日当たりの生産能力は、これまでの400トンから700トンに増強された。クラフトパルプの製造過程で排出される黒液を利用し、バイオマス発電設備への活用も促進する。
また同工場は国際航空分野の持続可能性認証制度に基づく「ISCCーCORSIA認証」を取得した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成で進める、パルプから国産SAF(持続可能な航空燃料)を生産し、サプライチェーン(供給網)を構築する事業に伴うもので、製材所残さなどの廃棄物系木質原料からパルプや第2世代エタノールを生成し、さらにSAFを製造するまでを実証する。
タステム./従業員とコミュニケーション
タステム.(愛媛県新居浜市、高橋卓也社長)は、本年9月に高橋卓也さんが新社長に就任した。実兄の政利さん(現代表)から四代目社長としてバトンを引き継いだ。
新社長就任に合わせて「相互の信頼と尊敬(尊重)を基調とし、新たな価値と人材を創造し社会に貢献する」という経営理念を掲げた。「人が一番大切だという創業者の思いを込めた」(高橋社長)という経営理念と、副社長時代のコロナ禍で「従業員の心が離れているなと感じた」ことから従業員とのコミュニケーションを重要視する。「事業主の行動で社員も動くし、社員の行動で事業主も動かされる。これこそがまさに相互の信頼と尊敬であり、大切にしていきたい」としている。
同社では多能工化を推進して柔軟な組織体制を構築。「現在は部署内で実施しているが、今後は部署間でも実施していきたい」と、人材不足の中でも事業継続ができる仕組みづくりにも注力する。
四国化成ホールディングス/2条件両立の新樹脂硬化剤
四国化成ホールディングスは企業理念「独創力」の下、世界の技術革新に貢献する製品を創出し続けている。新規樹脂硬化剤「TSーG」は、電子材料用高機能接着剤の原材料としてスマートフォンや半導体機器などのさまざまな最先端用途で採用されている。低温条件で硬化・成形でき、耐熱性と耐湿性に優れるという、実現が難しかった二つの条件を両立させ、本年、香川県内の優れた産業技術を表彰する芦原科学大賞を受賞した。
その他にも、金属への密着性を向上する添加型密着性付与剤「VDー5」、低誘電特性と難燃性・高耐熱性を実現する樹脂架橋剤「VPー1」、硬化物に柔軟性を付与する新規チオール系硬化剤「MSー1」など、同社コア技術である有機合成技術を生かし、次々と新規樹脂改質剤を生み出している。今後も「独創力で、『一歩先行く提案』型企業」を目指す。
西機電装/ローコードでシステム構築容易
西機電装(愛媛県新居浜市、西岡圭社長)は、サイボウズの業務管理クラウドサービス「kintone(キントーン)」を利用時のハンディターミナル用ローコードツール「ハンディマスター」を発売した。年間使用料金は、ハンディターミナル1台につき消費税抜き6万円。
ユーザー側でノーコード・ローコードツールであるキントーンを利用してシステム構築する際に、同製品を用いてハンディターミナル用のシステムも構築する。同製品もローコードでシステム構築が容易にできる。ハンディターミナルを活用することで、データ参照や入力作業を、2次元コード(QRコード)やバーコード、光学文字認識(OCR)、音声入力などで行うことができ、利便性が向上する。
今後も新たな技術の導入により、ユーザー目線の開発を進める。
タダノ/北米向けフル電動クレーン発売
タダノは最大吊(つ)り上げ荷重100USトン(1USトン=約907・2キログラム)吊りのバッテリー式フル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGRー1000XLLー1」を米国、カナダ向けに発売した。
北米の主力機「GRー1000XLLー4」と同等の吊り上げ能力で、クレーン作業時の騒音はディーゼルの従来機よりも9デシベル低減した。年間二酸化炭素(CO2)排出量を従来機に比べ約22トン削減する。
最大7時間のクレーン作業、または、最大5時間の吊り上げと、8・7キロメートルの現場移動が可能。フル充電時間は通常4時間半ー5時間半(急速時は2ー3時間)。減速時のバッテリー充電やプラグイン操作によるクレーンの連続操作、吊り荷監視カメラを利用しオペレーターが吊荷を真上から直接監視するリフトビジュアライザーを標準搭載。
マルヤス/多層フィルムなど成形ロス防ぐ
マルヤス(愛媛県新居浜市、野村俊夫社長)は、多層フィルムやシートの成形用制御装置「QBシリーズ」の販売を強化している。プラスチック業界は、原料価格や電気代、人件費などの高騰による製造コスト増大の問題を抱えており、コストの大幅な削減が必須。さらに高度な機能性が求められる多層製品では、より高度な製造体制が求められている。
QBシリーズは、各層押出機すべてに「まぜコン」を設置。各層の厚み制御、層間割合制御、混合制御、製品厚みを一定に保つ引取制御が搭載された多層機用のコントローラー。まぜコンとは、混合ムラの最大の要因である「事前混合」を一切なくし、混合に必要な各原料を特殊なアダプターを使い直接押出機に供給していくリアルタイム混合装置。ロス品をなくし高品質製造が可能な「QBシリーズ」の需要が非常に高まっている。