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四国地区特集
地域企業を支える支援機関
産業技術総合研究所四国センター
健康社会確立目指し研究開発/若手・研究人材の育成支援
産業技術総合研究所(産総研)は、「社会課題の解決」と「産業競争力の強化」をミッションとし、日本経済の発展に資する科学技術研究開発を推進している。産総研四国センターでは、全国に先駆けて進行する少子高齢化に対応し、四国地域の健康社会の確立を目指して、ヘルスケア・医療分野を中心とした研究開発に注力している。また、公設支援機関や大学と協働し、四国地域の経済を活性化するため、地域企業が求める情報発信や企業連携の促進にも取り組んでいる。
四国では若者の地域外流出が顕著で、産業界では若手人材の不足が深刻な課題。四国センターはこうした問題に対し、四国への若手人材の定着や研究人材の誘致を目的に、インターンシップやイノベーションスクール制度を活用した人材育成に取り組んでいる。2023年度から開始した四国センター独自のインターンシップ制度では、すでに約40人の大学生や大学院生を技術研修生として受け入れ、最先端技術や研究機器を活用した研修を通して、幅広い知見や技術を習得している。
また、産総研が08年に設立した「イノベーションスクール制度」も積極的に活用しており、異分野の研究者や企業との連携力を高めることで、イノベーションを担う人材を育成している。若手研究者対象コースでは、企業研修を必須とし、社会実装を通じて実践的な研究開発の経験を積んでいる。
四国センターでは、研修生に四国企業の魅力を伝え、企業の活性化に貢献するため、四国地域の研修受け入れ先企業の開拓にも力を入れており、同スクールのホームページには、四国地域の受け入れ企業の情報を掲載し、積極的に企業情報の発信を行っている。
中小企業基盤整備機構四国本部
伴走支援で中小の課題解決へ/中核人材育てる研修も実施
中小企業のさまざまな経営課題の解決に向けた伴走支援を行うのが、中小企業基盤整備機構(中小機構)の「ハンズオン支援事業」。中小機構と支援先企業が、協働で経営戦略策定やマーケティング、デジタル化、生産性向上など幅広い経営課題の解決に取り組む。
同支援事業では、ヒアリングや診断ツールを通じて掘り下げた経営課題や、企業の特徴に応じて適切な専門家(伴走支援者)を選定。選定された専門家と中小機構職員で組織した支援チームが、支援前の準備段階から支援後のフォローまでのプロセスを複数の視点でサポートを行う。課題解決に向けた取り組みは、あくまでも企業が主体。社内で組成されたプロジェクトチームが推進する課題解決のプロセスに対して中小機構がアドバイスを行うことで、支援終了後も企業が自立的に課題解決の取り組みを継続できるための人づくりと仕組みづくりを促す。
同支援事業を活用した企業の事例を紹介するセミナーを、高松市内で2025年2月19日に開催する。
一方、中小機構四国本部では、中小企業向けの研修メニューを提供する「中小企業大学校四国キャンパス」を19年に開校し、企業の次代を担う中核人材を育成している。
同事業は全国で展開する人気コースや四国地域の産業特性などを反映したオリジナル研修を実施。本年度は管理者研修や組織マネジメント、財務管理、マーケティング、生産管理など18コースを実施。
すぐに役立つ実践的な内容であることに加え、異なる業種や立場の受講者と共に学ぶことで、新たな発見や人脈づくりに役立てられることも魅力。また2日以内の短期研修を中心としているため、忙しい方でも通いやすい。
詳細は中小企業大学校四国キャンパスのホームページへ。
日本政策金融公庫
中小の資金繰り・成長支援/地域機関と連携推進
日本政策金融公庫(日本公庫)は「政策金融の担い手として、安心と挑戦を支え、共に未来を創る」という使命のもと、地域経済を支援する中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援するセーフティーネット機能の役割を担うとともに、成長・発展を促進する政策金融支援を行っている。四国地域にある6支店でも、創業支援や事業再生、事業承継、輸出促進などの海外展開、農林水産事業者支援はもとより、成長分野への資金供給や販路開拓、DX化への対応など、さまざまな経営課題の解決のサポートを迅速かつ的確に展開している。
こうした中、日本公庫高松支店では、地域の支援機関との連携も積極的に推進している。本年2月には、地域経済の発展を図ることを目的に、香川県や香川県信用保証協会、県内地域金融機関の9者と「中小企業者の支援に係る連携・協力に関する協定」を締結した。その他にも海外への販路拡大を支援するため、中小企業基盤整備機構と日本貿易保険が実施する「海外ビジネス支援パッケージ」への参画、四国経済産業局が実施する地域のエコシステムの強化を図る「JーStartup WEST(四国地域)」プログラムや、香川県が本年8月に開催したスタートアップの創出と成長を目的とした「かがわスタートアップフェスタ2024」にも協力した。このような連携の取り組みは、四国地域の他5支店でも進められている。
コロナ関連融資の返済が本格化する中、事業者それぞれの実情を丁寧にヒアリングし、財務基盤の強化を図るための資本性ローンの適用や伴走支援、地元金融機関との連携などを通じ、事業者の資金繰り支援に注力している。今後も地域の関係機関と連携するとともに、全国152支店のネットワークも活用し、四国地域の事業者のニーズに対応していく。