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半導体産業
「経営人材」育成講座スタート
半導体人材の不足が叫ばれて久しい。だがここですぐに思い浮かぶのは「技術者人材」ではないだろうか。九州大学が今秋開講する社会人向けリスキリング(学び直し)講座は、あえて半導体関連の「経営人材」の育成にフォーカスする。全国でも珍しい試みだ。
技術の上に経営力実装
「半導体を事業価値につなげる経営人材育成プログラム」と題するリスキリング講座が10月に開講する。同講座を企画する九大ビジネス・スクールの目代武史教授は「技術の基盤の上に、経営人材としてのスキルを実装する機会を提供したい」と意気込みを口にした。
国境をまたぐサプライチェーン(供給網)や巨額投資、地政学リスクと、半導体はもはや一つの企業、国・地域で完結する産業ではない。そのような状況下で経営者層には、半導体産業の全体像を把握しながらリーダーシップを発揮し、事業ポートフォリオを強化する力が必要となる。「今は多くの企業が半導体との関わり方をあらためて考える時期。この講座が半導体における自社の経営課題について学ぶきっかけになれば」と目代教授は語る。
同講座を主催する九大ビジネス・スクールが設立したのは2003年。専門職大学院のパイオニアとして知られる。10月から開講する今回の講座は学位プログラムではないものの、ビジネス・スクールらしいケースメソッドを盛り込んだ実践的なカリキュラムとなっている。
「他流試合」に高い満足度
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昨年度、福岡市内で開催されたリスキリング講座のトライアルプログラムの様子(九大OIP提供)
昨年度には、本開講に先駆けて一部講義を体験できる全4回のトライアルを福岡市内で実施した。半導体メーカーや半導体製造装置メーカーのほか、半導体商社や物流企業に勤める社員など、14人が参加した。
日本IBMが開発した教材「The Game」を取り入れた講義では、参加者がカードゲームを通じて半導体製造の前段階となる「設計工程」を学んだ。半導体の用途や要件、予算など与えられた条件のもと、性能やコストを考慮しながら回路を設計していくゲームである。ここでは「面白かった」という声があった半面、技術職の参加者と、専門的な知識を持たないビジネス職の参加者とでレベル感の満足度に差が出たという。
一方でプログラム全体を通して企業・職種を超えて「他流試合」をできたことや、投資戦略やファイナンスの重要性を再認識できたことへの評価は高かったと明かす。10月からの講座では、トライアル時のこれらフィードバックも踏まえた上で、改善したカリキュラムを展開する予定だ。
産業構造から投資戦略まで
同講座では大手半導体メーカー出身の実務家教員が教壇に立つほか、半導体分野の研究に強い台湾の陽明交通大学からも講師を招く。半導体の産業構造やビジネスモデル、サプライチェーン、経済安全保障から、リーダーシップ開発や財務・投資戦略まで、幅広いテーマを用意している。
九大のリスキリング講座は10―12月の全10回、福岡市博多区の会場で開催。定員20人。受講料100万円(税込み)。詳細は九大ビジネス・スクールホームページへ。
