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6月1日は「ねじの日」
技術者育成 業界団体がサポート
国内の製造業では熟練技術者の高齢化と若手人材の不足により、技術継承が重要な経営課題の一つとなっている。特にモノづくり企業は熟練者の技術が暗黙知として蓄積されているところが多く、言語化、可視化が難しい。また現場の忙しさから教育に割く時間が十分に確保できないなどの課題が山積する。これらの課題解消には、体系的な育成環境づくりがカギを握る。ねじ業界でも、こうした課題は例外ではない。持続的な経営活動に向けて、業界団体の取り組みが企業の技術者育成を後押ししている。
ねじ工業協会 団体等検定制度の認定へ
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ねじ製造技能検定の実技試験(日本ねじ工業協会提供) -
ねじ製造技能検定の講習会(日本ねじ工業協会提供)
ねじメーカーの業界団体である日本ねじ工業協会は「ねじ製造技能検定試験」を運営・実施している。2026年度から同検定試験を厚生労働省の団体等検定制度の認定を受けるべく取り組みを進めている。26年度中に申請を完了し、27年度中の認定取得を目指す。
こうした客観的な評価を得ることで、検定合格によって技能習得度を見える化し、企業の教育や人事評価の指標としての活用を推進。業界全体の技術の標準化を図る。
ねじ製造技能検定試験はねじ製造における作業者の技能を評価する資格制度。職種はボルトフォーマー工、ナットフォーマー工、ねじ転造工、タッピング工を受検対象としている。試験は2級と1級に分けられている。2級は2―3年の実務経験が受験目安とし、1人で決められた作業ができるかを合格基準としている。1級は実務経験5年以上が受検目安で、高度な問題解決能力が問われる。実機を用いた実技試験も行っており、時間内に設定された課題を解決できるかを試験する。
同協会は検定試験に向けた講習会も実施している。同協会の会員企業の従業員ならば、誰でも受講が可能。26年度は8月7日、8月28日に東京、大阪の両会場で実施。9月11日に大阪、9月18日に東京で開催予定だ。
ねじ製造現場では、場数を踏むことで得た経験則に頼った教育を行うケースが少なくない。これに対して、同協会は作業者が知識に裏付けられた技能を習得できるよう、試験や講習の内容に改良を重ねている。
今後は、入門編として3級の新設を検討している。受験者は営業職など製造部門以外の社員や求職者、学生などを想定。28年度をめどに実現するべく試験基準を調整している。
ねじ大学校/体系的な学び提案
日本ねじ研究協会の人材育成委員会が運営する「ねじ大学校」は、ねじの設計、製造、試験方法を基礎から応用まで体系的に学べる技術者コースを開設している。ねじメーカーやユーザー企業、研究者といった、それぞれの立場を理解し、多角的なアプローチで問題解決できる技術者の育成に重点を置く。9月入学制を採用しており、26年度は8月9日まで入学希望者を受け付けている。
カリキュラムは「ねじの使い方(設計・締結技術)」「ねじ試験実習/理解度試験」「ねじの作り方(製造技術)」の3分野で構成。ねじの材質や設計・加工方法、自動車など用途に応じた締結方法、トラブル事例などの講座があり、包括的に学べる機会を設けている。実機を用いた締結・強度試験の実習など、実践的な講座も用意した。さらに、学習報告会の実施やチューター制度の導入により、理解度の確認や学習のサポートを手厚く行っている。
受講者は入社2―5年目の社会人を想定。これまでの受講者の職種はメーカーやユーザー企業の技術者、商社の社員、研究者など、多岐にわたる。
在校期間は2年で、必須科目を含む70単位の取得と小論文の提出が卒業の条件となっている。卒業時にはMFT(Master of Fastening Technology)の称号が授与される。卒業生の中には同協会の委員会活動に加わったケースもあり、協会活動を支える次世代人材の育成にもつながっている。
今後は、入学希望者の増加を目指し、ねじ大学校の認知度向上に向けた広報活動を強化していく。さらに、カリキュラムの質を保ちつつ、講師やチューターの負担軽減を図るため、手続きの簡略化や外部講座の活用なども検討する。立場の垣根を越えた学びの提供に尽力するねじの大学校の取り組みは、ねじ業界全体の振興の一助となるだろう。
