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非破壊検査・計測・診断技術
鉄筋コンクリート構造物における非破壊検査技術の現状と課題
【執筆】ものつくり大学 学長補佐 技能工芸学部建設学科 教授 工学博士 澤本 武博
高度経済成長期以降に整備された大量のインフラ構造物の老朽化が深刻となっており、損傷発生後に補修する「事後保全」から損傷が軽微な段階で補修を行う「予防保全」への転換が重要になってくる。
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日本非破壊検査協会規格(NDIS)の紹介
予防保全には見えない個所の損傷の程度を調べることが重要であり、各種非破壊試験技術が必要になる。私が主査を務める日本非破壊検査協会(JSNDI)の「鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験部門」(RC部門)では、各種非破壊試験の技術として日本非破壊検査協会規格(NDIS)を32件制定しており、現在も4件の規格を審議中である。現在までに制定されている規格は、配筋探査4件(放射線・電磁波レーダー・電磁誘導)、弾性波3件(超音波・衝撃弾性波・打音)、打撃試験4件(接触時間・機械インピーダンス・反発速度比)、ボス供試体5件、小径コア1件、塩化物試験2件(塩化物イオン量・浸透深さ)、中性化試験1件(ドリル削孔)、透気試験5件(ダブルチャンバー・シングルチャンバー・ドリル削孔)、透水・吸水試験5件(表面吸水・表面透水・散水)、目視試験1件、単位セメント量試験1件と多岐にわたる。
一方で、社会的な課題への対応も重要となっている。中でも、深刻な労働不足への対応が喫緊の課題となっており、AI(人工知能)の活用やロボット化の技術が必要不可欠な状況にある。2025年8月に開催されたRC部門のシンポジウムでは、60件の研究発表の中でAIに関する研究が6件(外壁の変状やひび割れの画像解析、波形解析など)と全体の1割を占めるまでになり、ロボットによる遠隔の調査(打診)に関する発表もあった。
また、インフラ構造物には鋼構造物も多く存在するため、インフラ構造物全体に対応できる体制が必要になってくる。そのため、26年6月から日本非破壊検査協会では部門再編が行われ、RC部門は「建設インフラ部門」となり、超音波部門など他の部門と協力して鉄筋コンクリート構造物に加えて鋼構造物の非破壊試験も担うことになる。
