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中部の工作機械産業
工作機械業界が旺盛な需要を享受している。米国や中国をはじめとする海外を中心に、航空宇宙、データセンター(DC)、半導体製造装置、医療など幅広い産業で設備投資が活発化。内需の回復も鮮明になっている。中部の工作機械メーカーは体制や商品を強化し、需要を取り込もうとしている。
6月受注総額、単月初2000億円超 内需も高水準
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旺盛な需要が続く工作機械業界
日本工作機械工業会(日工会)が9日に発表した6月の工作機械受注総額(速報値)は、前年同月比52・8%増の2035億1500万円となり、単月で初めて2000億円を超えた。3月に記録した1934億7000万円(確報値)を上回り過去最高となった。
前年同月比プラスは12カ月連続。外需は同56・0%増の1454億9900万円と過去最高だった。中国や米国で旺盛な需要が続いている。外需のプラスは21カ月連続。内需は同45・5%増の580億1600万円。22年6月以来の高水準となり「内需が付いてくる形で設備投資が伸びていることが確認できた」(日工会調査企画部)。内需は半導体製造装置向けが伸び、発電や航空宇宙、造船向けの受注も出たとみられる。
1-6月累計は1兆552億8100万円(前年同期比35・7%増)となり、上期として初めて1兆円を超えた。日工会は6月に2026年の受注総額見通しを2兆円(前年比24・7%増)へと当初予想から3000億円上方修正しており、達成に向けて大きく前進した。
また日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社(牧野フライス製作所、オークマ、芝浦機械、ツガミ)の6月の工作機械受注実績は、前年同月比55・8%増の548億4900万円だった。プラスは25カ月連続。輸出が同50・8%増の417億600万円となり、けん引した。各社の中国や米国での好調な受注が続き、22カ月連続のプラスとなった。国内も同73・9%増の131億4300万円となり、3カ月連続のプラスだった。
オークマは輸出が2カ月連続のプラスとなり、同3・5%増の104億8300万円。米国で航空宇宙が好調だったほかDCや発電関連の受注も出た。中国は一般機械で幅広い受注があった。国内も半導体製造装置向けの需要が全国的に広がったことで同約4割増となった。
工作機械業界では9月以降、「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」のほか欧米の大型見本市を控え、追い風になることが期待されている。
大手各社、拠点強化 再開発の2工場を完成
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オークマが江南工場に新設した「ドリームサイトエンジニアードソリューションズ」
大手工作機械メーカーは伸長する需要を取り込むべく拠点の整備や製品ラインアップの拡充を進める。
オークマは江南工場(愛知県江南市)を再開発して建設していた2拠点を完成、稼働した。自動化システムをメーンとする組立工場「ドリームサイトエンジニアードソリューションズ」(DSES)と顧客との共創をテーマとする「グローバルイノベーションセンター」(GIC)だ。
DSESの狙いは増産と秘匿性強化。工作機械にロボットや搬送装置などを連結する自動化システムは、顧客立ち会いの下で行う精度、機能確認に長期間要する。その間、工場内に滞留するため生産効率が悪化する課題があった。DSESに自動化システムを集約することで本社工場(愛知県大口町)と可児工場(岐阜県可児市)の組み立てスペースも拡大し、能力が高まる。また業界で「秘匿性が重要になっている」(家城淳社長)とし、セキュリティーを徹底。製造・立ち会いエリアは顧客ごとにパーティションなどで区切り専用通路・扉から各部屋にアクセスすることで秘匿性を確保する。
一方、GICは納入後の顧客をサポートする「知的・デジタル拠点」(千田治光取締役常務執行役員)と位置付ける。「遠隔サポート室」では納入した機械の主軸など主要部品の状態を常時監視し、異変があると即座に顧客に連絡したり、より良い機械の使い方のヒントを伝えたりする。GICでは顧客の将来の工場のあり方を共に議論することもテーマとする。革新的自動化技術などを、バーチャルシミュレーションなどデジタル技術を活用しながら提案する。家城社長はGICについて「お客さまの生産革新を支える場だ」と強調する。
インドで生産力50%増
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ヤマザキマザックのインド工場
ヤマザキマザックは海外拠点を強化する。立型マシニングセンター(MC)を生産するインド工場では2026年後半をめどに月間生産能力を、現状比50%増の60台に引き上げる。インドでは自動車・商用車、農業機械、航空機、オイル・ガスなど幅広い産業で需要が拡大。インド工場で生産する3軸制御立型MC「VC-Ezシリーズ」はジョブショップなど向けに販売数量が伸びている。また24年からシンガポールやタイ、インドネシア、ベトナムなど東南アジア向け輸出を開始しており、現在「本格的に売れ始めている」(山崎高嗣社長)。25年からは欧州向けの輸出も始めたことから生産量が増えている。
米国ではアリゾナ州にショールーム併設型サポート拠点「フェニックステクニカルセンタ」を開設した。最新機種7台を展示。実機によるテスト加工や顧客向けのプログラミング講習などを行う。米南西部の半導体、航空宇宙、医療機器産業への販売・サポート体制を強化する。同社の米国におけるサポート拠点は11カ所目となる。
新型円筒研削盤投入
10月開催の「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)」に合わせて大型円筒研削盤の新機種の発売を予定するのはジェイテクト。大型機のモデルチェンジは8年ぶりとなる。新機種「G5シリーズ」は鉄鋼、建設機械、産業機械のほか、大型化する車載電池の源泉工程で使われるローラーなどのニーズに応える。
大型機は加工対象物(ワーク)の歪みや熱変位が課題となり、人が付いて作業しないと精度が出にくいとされる。G5には、それを支援する新機能を備え「お客さまの自動化に貢献する」(宮藤賢士経営役員工作機械・システム事業本部長)としている。
アフターサービスも強化する。26年度に二つの新サービスを始める。一つはリモートケア。顧客の機械と自社をつなぎ、オペレーターが遠隔で困りごとなどに対応する。もう一つはAI(人工知能)チャットボット。「これまで対応しきれない部分があった」(同)土日や海外からの問い合わせにも24時間応じられるようになる。
