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ライフサイエンス
快適な空間づくり 空調設備工事
空調設備工事各社は住宅・オフィス、商業施設などで培った空調気流制御技術を生かし、安心、安全でクリーンな環境づくりに貢献している。細胞培養などの再生医療の研究・開発の環境整備や、快適な空気環境の確保を支援し、顧客のニーズに応じたサービスを展開する。
再生医療
空調設備大手ダイダンの子会社として再生医療施設の設計・施工と細胞製造受託(CMO)を手がけるセラボヘルスケアサービス(セラボHS)は、4月に治験薬製造サポートサービス「ふらっとAIO」を始めた。細胞操作を行うためのクリーン環境を実現する細胞培養加工ユニット「オールインワンCPユニット」をレンタル設備として貸し出すほか、標準作業手順書(SOP)の作成などを支援する。
同サービスは藤田医科大学東京先端医療研究センター(東京都大田区)内に開設した「セラボ羽田」でニーズを探り、開発にこぎ着けた。川崎市川崎区の「セラボ川崎」にオールインワンCPユニットを設置し、運用支援付きでレンタルしている。ハード(設備)とソフト(細胞製造)の両面でのサポート体制を強みとし、ベンチャー企業やクリニックが主なターゲットだ。
また、「ライトプラン」「スタンダードプラン」「フルサポートプラン」の三つを用意し、ニーズに合わせた支援を行う。ライトプランでは細胞培養加工ユニットの利用とSOPの作成が支援され、スタンダードプランではスタッフによるマンツーマンでの教育支援も行われる。フルサポートプランでは製造作業支援まで受けることができ、手厚いサポートで顧客と伴走している。
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ダイダンとセラボHSは再生医療への取り組みを
紹介(第7回再生医療EXPO東京)
ダイダンとセラボHSは7月9―11日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「第7回再生医療EXPO東京」に出展し、開発した製品やサービス、再生医療への取り組みをアピールした。会場ではふらっとAIOも紹介。中村真ダイダンイノベーション本部上席執行役員兼セラボHS社長は「環境づくりとサービスで全ての患者に先端医療を届けたい」とし、「再生医療事業をダイダングループの収益源の一つにする」と今後の展望を語った。
空調除菌
大気社は感染症や有害物質の脅威から人の健康を守り、オフィスや商業施設、工場における快適な空間づくりに貢献する。同社は空調設備システムの設計・施工を通して培った技術やノウハウを生かし、2024年6月に天井裏ダクト接続型の高性能な除菌システム「Airaiser(エアライザー)」を開発した。現在、26年の発売に向けて、導入した顧客の協力を得ながら実証実験を重ね、マーケティングを強化している。
エアライザーはコロナ禍で室内環境のニーズが変化したことをきっかけとして製品開発が始まった。室内空気質(IAQ)を向上させて仕事の作業効率を高めることを目指す。衛生意識の高い介護施設や病院、食品会社が主なターゲットだ。
エアライザーの装置内部は除菌力の強い深紫外発光ダイオード(UVC―LED)と光触媒フィルターを含めた3層のフィルターで構成される。独自の空気清浄化技術でオフィスや病院、工場など人の集まる施設の空気を快適にする。また環境に配慮した水銀フリーの光源を採用し、低い環境負荷で長期間安全に使用することが可能だ。
エアライザーは天井裏に設置できるため、労働者の動線を邪魔せず、オフィスの内観に影響を与えない。また細菌やウイルスだけでなく、カビを効果的に削減することができる。エアライザー本体は駆動部を持たないため使用時に騒音が発生せず、静かで快適な空間を実現する。
環境システム事業部グリーン機器事業所営業部の川上清氏は「認知度向上に向けて展示会などで売り込みたい」と意気込み、同事業部営業統括部の吉田和弘推進課長は「実証実験でデータをつかみ、拡販につなげていきたい」と今後に期待を寄せる。
