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九州中央支局特集
~「Re」につなぐ企業②
自主的活動での品質改善に挑戦/熊防メタル
社内勉強会も随時開催し、社員の技術向上を図る
各種表面処理を手がける熊防メタル(熊本市東区、前田博明社長)は品質改善や生産性向上、社員の技術向上に向けた活動を進める。
同社は2024年5月から12月までの期間、外部の専門家を招聘(しょうへい)し各工程における不良品の低減などの品質改善に取り組んできた。25年からは、現場の社員が自主的に品質改善に挑戦しており、社員が独立して行動できるような環境を整える。
同社は人材育成にも力を入れる。各種資格取得に係る受験費用などは会社が負担する。またメンター制度や自分自身で自らの教育計画を立てる仕組みを設け、自主的にスキルアップしていけるような環境を整える。全国鍍金工業組合連合会が主催する令和6年度全国めっき技術コンクールでは第一位となる「厚生労働大臣賞」を2部門で受賞するなどの結果も出ている。
今春には3億円ほどの設備投資も見込んでおり、さらなる事業拡大に挑む。
めっき受注拡大へ新工場棟建設/東洋硬化
建設が進む新工場棟
東洋硬化(福岡県久留米市、小野賢太郎社長)は、本社工場敷地内に工業用硬質クロムめっきや電気ニッケルめっきなどを手がける新工場棟を建設する。大型製品を入れられるめっき槽の導入などでめっきの施工力を高める。大型タイヤ用の金型や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製品などへのめっき受注拡大につなげる。
本社事務所棟に隣接し、5月下旬の完工を目指す新工場棟は延べ床面積700―800平方メートルの規模。1階にクロムめっきやニッケルめっきの槽を設けて中2階は前工程となるブラスト加工用の設備や各種表面処理に対応する整流器(電源)を配置。3階はチラー(循環液温調装置)などを置く計画となる。同社はシリンダーやロッドなどの部品に硬質クロムめっきを施すが、新品対応のほか中古部品を機械加工の上でめっき処理し、再生できるのも強み。新棟稼働後はめっき施工と機械加工をすみ分けでき、従業員の安全確保でも効果が大きい。
心も一流「エンジニアマインド」大事に/フジヤマ
エンジニアリング全般を手がけるフジヤマの本社
フジヤマ(鹿児島市、藤山和久社長)は、エンジニアリング全般を手がける。メンテナンスや設備・プラント工事、計装制御、自動機、コンピューターと、顧客のあらゆる分野をカバーできる。システムエンジニアリングにも力を入れるが、単にコンピューターを利用したシステムではなく、「何でもやる」という持ち味を生かした総合エンジニアリングの足がかりと捉えている。機械、電気、コンピューターの担当者が全体の組み合わせを考え、最適なエンジニアリングとソリューションの提供につなげている。
同社の社章は「心」の文字に由来する。人の心を大切に、常に感謝の気持ちを持ち続ける。技術だけではなく、心も一流を目指す気持ちを込めた「エンジニアマインド」をテーマに総合エンジニアリングを創造する。
本社は「錦江湾」とも呼ばれる鹿児島湾近くにある。同湾北側には桜島を望む地で顧客のモノづくりを支えるために奮闘を続ける。
部品製造 加工設備を増強/湯川王冠
きめ細かな部品加工が強み
湯川王冠(長崎県佐世保市、湯川紘充社長)は、半導体製造装置向けの部品や産業機械のステンレス配管溶接などの加工力を高めた。佐賀工場(佐賀県有田町)に数値制御(NC)複合加工機、本社工場に自動溶接ロボットシステムをそれぞれ入れた。強みの金属加工技術を生かし、成長市場をきめ細かな部品製造で支える。
機械加工を手がける佐賀工場ではNC複合加工機を導入。同社は精密な加工力が評価され、複数の大手半導体製造装置メーカーなどから部品加工を請け負う。加工力向上で大手からの要望に応える。
本社工場には溶接ロボシステムを入れた。これまで産業機械に据えるステンレス配管の溶接は手溶接で取り組んでいたが、初の自動溶接ロボ導入で効率化につなげたい考えだ。
同社は1951年創業。社名通り祖業は酒用キャップ製造だが、王冠部門は2004年に廃止。主力は半導体製造装置や産業機械の部品加工、精密板金加工へと事業転換した。