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日本フルードパワー工業会 創立70周年
座談会① この10年の歩みと未来への展望
座談会 参加者
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座談会は2月6日に芝パークホテル(東京・港区)で行われた
カヤバ 代表取締役社長 兼CEO 川瀬 正裕 氏
CKD 取締役会長 梶本 一典 氏
東京計器 代表取締役社長執行役員 安藤 毅 氏
油空圧機器技術振興財団 理事長 石川 孝 氏
油研工業 前代表取締役社長 永久 秀治 氏
ダイキン工業 常務執行役員 丸岡 秀樹 氏
川崎重工業 顧問 嶋村 英彦 氏
〈司会〉日本フルードパワー工業会 専務理事 藤原 達也 氏
日本フルードパワー工業会が創立70周年を迎えるのに先立ち、2月6日に記念座談会を開催した。10年間に会長を務めた5人と西日本支部長2人が参加し、「この10年の歩みと未来への展望」について語り合った。歴代会長が在任時に直面した課題や印象深い取り組みについて話した後、歴代西日本支部長を交えて今後のフルードパワー産業や同工業会の展望について自由討議した。
社会の潮流 大きく変化
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司会・藤原氏
司会 本日は日本フルードパワー工業会の創立70周年記念座談会にお集まりいただきありがとうございます。歴代の会長に10年の歩みを振り返ってもらうとともに、西日本支部長を交えて未来への展望を語らいたいと思います。
DX・IT化急速に進展 永久氏
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永久氏
永久 この10年、中国事業での環境変化として挙げられるのは、第一次トランプ政権の誕生により米中対立が鮮明になったこと。新型コロナウイルス感染症の発生と中国のゼロコロナ政策による経済活動の急ブレーキ。それに伴う中国経済の成長鈍化です。このほか全般的には、国際情勢の緊張、デジタル化・IT化の急速な進展、脱炭素化によるコスト負担の増大、日本の人口減少による人手不足の深刻化などさまざまな変化が進みました。
こうした中で企業には「国際情勢に対応したサプライチェーン(供給網)の再構築」「デジタル技術活用による製品の付加価値向上と需要の開拓」「有望戦略分野でのビジネス領域の拡大」が戦略として求められます。日本成長戦略会議が掲げる17分野、特に航空宇宙、造船、防衛、ヘルスケア分野で油圧の需要を伸ばしていく戦略が必要で、M&A(合併・買収)やアライアンスを積極化させる必要があると思います。
IoT・予防保全が実装 石川氏
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石川氏
石川 私の会長在任期間は18―19年度で、18年はコロナ禍前のピークの出荷高を記録した年でしたが、19年は一変して我慢の年へと変わりました。トランプ米大統領が就任して、米中貿易摩擦の第一弾がスタートし、世界経済に対する不透明感が高まりました。
技術的にはIoT(モノのインターネット)や予防保全が実装段階に移り、「スマート油圧」「スマート空気圧」などが出てきた時期でした。また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)が語られ、各社が消費電力を抑える製品を出しました。同時に、油空圧は電動よりもエネルギー換算効率でロスが多いということで、フルードパワーを電動に変える動きも見られました。油空圧と電動のよいところを融合させたハイブリッド化が進展したのもこの時期です。
工業会初のISO取得 安藤氏
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安藤氏
安藤 私は20年5月に会長に就任し、コロナ禍に翻弄(ほんろう)された時期でした。20年4―6月期のGDP(国内総生産)の実質成長率が、戦後最大の落ち込みとなる中、会長の選任も書面決議という異例のスタートでした。対面での活動が制限され、委員会や部会はウェブ会議に移行しました。
印象的なのは、東京五輪の影響で1年延期になり、多くの制約がある中で開催した「IFPEX2021(第26回フルードパワー国際見本市)」や、当工業会として初めての国際標準化機構(ISO)規格の取得です。21年11月に日本が提案した水圧ポンプの試験方法に関する規格が「ISO23840」として認められました。
また、IoT推進部会を発足しました。GX(グリーントランスフォーメーション)やデジタル変革(DX)の進展による産業構造の変化への対応、新たな価値の創出に向けて、現在も活動を継続しています。フルードパワーは社会を支える基盤産業で、スマート社会においても社会を動かす筋肉として存在意義を持ち続けると考えます。
若手技術者集め交流会 梶本氏
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梶本氏
梶本 14―15年度と22―23年度の2回、会長を務めました。2回目になると何か将来に残せることを考えたいと思いました。そこで、油圧メーカーは空圧のことを、空圧メーカーは油圧のことを分かっているのかという疑問から、技術者を中心に10人ほどでお互いを知り合う交流をしてもらい、その成果を24年のIFPEXで発表してもらいました。
参加者は「空圧と油圧は似て非なるもので全然違うことが分かった」「自分が手がける空圧(または油圧)の良いところがはっきりした」「交流を通じて互いに同じような悩みがあることが分かった」と話してくれました。活動を続けてほしいという意見が多いので、次のIFPEXでも実施してほしいです。
AI・CNが主要テーマ 川瀬氏
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川瀬氏
川瀬 以前から人材不足が言われてきましたが、会長を務めた24―25年度では、さらに進行している実感があります。大学の機械工学科の授業で油空圧を扱う講座が減っている中で、どうやって若い人を油空圧業界に集めるのかが大きなテーマだと思っています。
今後はAI(人工知能)やCNが主要テーマになってきます。油空圧領域でもデジタル化やスマート化へのニーズが高まり、製造現場では設備の状態監視や予知保全、データ連携などDXの取り組み率が上がっていると感じますが、社会実装という点では欧州や中国、北米の方が進んでいます。日本も負けるわけにはいきません。
