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兵庫工業会
時代の変化見極めサポート実践/創立40周年特別座談会②
金井 副会長に就任して14年になるが、この間、モノづくりに対するあり方が変わってきたと感じている。外部環境の変化に対応し“これまでのモノづくりから新しい時代のモノづくりへどう変化させていくか”という流れが、特にここ7—8年ほど前から強くなってきた。私が担当している「シン・ものづくり委員会」の「シン」とは変革を意味しており、具体的な事業としてDXの推進活動に注力している。
“単なるデジタル化だけでなく、モノづくり自体をどうトランスフォーメーションしていくか”という考え方を重視し、その手段として“デジタル技術をうまく活用しよう”という取り組みを進めている。モノづくりやデジタル化に対する考え方はコロナ禍を機に大きく変化したが、昨今の“人手不足”などの課題解決にはこれまでの考え方ではなく、デジタル技術の活用が有効であるという流れに変わってきている。
この1—2年でAIが一気に普及拡大してきたが、これをうまく活用できるか否かで企業力の差が顕著に現れると感じている。従って当会としては、こうした流れを正しい方向に導いていかなければならないと思っている。
吉井 「産業振興事業」を担当しているが、特にここ2年はSDGsの普及に力を入れている。当会会員企業の多くを占める中堅・中小企業に向け、県の認証制度なども活用しながらSDGsの認知と内容理解を後押ししている。認知を拡大するため、以前より手がけていた“取り組み事例集”も今春ようやく完成し、会員企業の皆さんに配布したところだ。本年度からは“普及”から“推進”へフェーズを変えた活動を進めている。
具体的な取り組みとして重視していることは、まず“人を集める”ということ。外国人雇用や女性活躍などをテーマとした議論を進めている。県の教育委員会の協力も得ながら、県下工業高校の皆さんに向け、当会の取り組みやニーズ、また会員企業を紹介する説明会なども実施。会員企業の皆さんに自社の取り組みや技術力をPRしてもらい、認知度を高めてもらう場を提供している。また、女性活躍に向けた活動としては、武庫川女子大学との共同により、会員企業の業務内容を分解・仕分ける取り組みを実施。会社の中で女性が活躍できる業務についてプレゼンテーションしてもらうセミナーなども企画・実施している。
兵庫工業会 副会長 藤嶋 純子 氏/有益な情報交流の場 活用を
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兵庫工業会 副会長 藤嶋 純子 氏
藤嶋 5月に副会長に就任し、「会員交流事業」を担当している。私自身が中小企業経営者であるため、特に中小企業目線で会員企業の皆さんに貢献できるよう考えている。昨今、当会に限らずさまざまな経済団体で会員数が減少傾向にある。このような中で、当会の会員であることの意義を持ってもらえるよう盛り上げていきたいと思っている。当事業の主な活動は、県内外の特色ある施設の見学を通じて会員の交流を図ること。今年は兵庫県豊岡市の「芸術文化観光専門職大学」や、鹿児島県の「種子島宇宙センター」などの見学を計画しており、こうした活動を引き続き企画していく。活動のメインは企業訪問や見学会、交流会であるが、昨年から検討しているイベント事業もある。まだ試行段階であるが、これまで2回開催した。それは、これまでの企業訪問プラス交流会に、さらに意見交換会を加えた活動。各回ごとにテーマを設定し、意見交換してもらう取り組みだ。1回目のテーマは「社員が辞めない工夫」について。2回目が「我が社の生産効率化」をテーマに各社の取り組みを発表いただき活発に意見交換した。こうした活動が他の会員企業を知ることのみならず、皆さんから知恵をいただく機会につながっていけばと考えている。
岡田 このたび副会長に就任し、「人材育成事業」を担当している。当会での学び合いが、それぞれの会員企業の役に立っているということを強く感じている。先ほどの話にあったように当事業では「兵庫技術研修大学校」のプログラム再構築を進めている。多くの企業が“理系大学を卒業した人材が採用できない”という悩みを抱えているが、そのような中、逆転の発想で、例えば文系人材を採用し、仕事を通じて教育するという考え方も大切。こうしたことが数年後、文系でありながら理系に負けないような人材に育つことにもつながる。このような状況をうまく創っている企業も少なくない。大切なことは、一面的な視野で物事を見てはいけないということであり、そうした“気づき”を与えてくれるのが当会だと思っている。
最近、高校生と一緒に商品開発する機会があり、意識の高い高校生の多様な発想に驚かされた。これまで、人材といえば常に大学生にスポットを当てていたが、こうした高校生との接触の機会をつくることも当会の重要な役割だと感じた。高校生のうちから地元企業を知ることで、大学進学後、地元を離れることになっても将来的には兵庫県に戻ってくるという道筋づくりにつながる。「人材育成事業」はそうした取り組みで地域に貢献できる活動だと思っている。
—会員企業の皆さんに向けた“今後の想い”をお願いします。
三宅 CO2排出削減のトレンドは今後も続くだろうと見ている。主要企業などで構成されるエコシステムが次の時代に向かってどう進んで行くのか、国や自治体がどんな施策で後押ししていくのか、これらをしっかり見極めることが重要だ。その上で、事業活動を行い、新しい技術を創出し続けることが大切である。当会は、モノづくりで重要な役割を担う会員企業の皆さんが、社会課題の解決に貢献できる現実的な解を生み出すことをサポートしたいと考えている。
具体的には、人材教育、会員間のネットワーク強化、新しいトレンドに関する情報発信・共有など、「学び」と「気づき」の場を企画・提供していく。会員の皆さんには引き続き、これらの活動を積極的に活用していただきたい。
金井 “入会して良かったな”と感じてもらえるような組織づくりに取り組んでいく。中堅・中小企業のオーナーや社長は“孤独”である。そうした観点でいうと、同じ痛みを分かち合えること、同じ課題解決に向けたソリューションについて語り合えることが当会の特長であり、そんなあたたかい活動を続けていくことが理想である。
吉井 他の経済団体と比較して当会が実施する事業は、非常に実務的・実践的である。このことが重要なポイントであり、だからこそ当会の存在感がある。知名度はそれほど高くなくとも、特長ある優れた技術を持つモノづくり企業が集まっているのが当会の特長であり、このプラットフォームをうまく活用し、会員企業をもっと多くの方々に知ってもらえるよう活動し貢献していきたい。
藤嶋 入会して10年以上になる。当社の社員教育はもとより、私自身が当会を通じて行政や企業間、あるいは他団体との意見交換会・勉強会に参加することで、多くの知恵をいただき学ばせてもらってきたと思っている。会員企業の皆さんにも是非、当会で学んでいただき、会員としての意義を見つけてもらえればうれしい。
岡田 皆さん同様、当会に入会して良かったと感じている。学びと実践。兵庫工業会の“心柱”の一人となれるように、副会長としての役割をしっかり果たして行きたいと思っている。
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“人材”のテーマを中心に各事業活動について活発に意見が交わされた
