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兵庫県播磨地区産業界
兵庫県の播磨地域沿岸部には大手から中堅・中小製造業が集積し、一大工業地帯を形成している。多くの企業が人手不足を課題に抱える中、生産現場の自動化や省人・省力化の推進に加え、働きやすい職場づくりなど独自の取り組みを進めている。
播磨の活躍企業の成長戦略③
城洋 社長 角田 城治 氏
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城洋 社長 角田 城治 氏
射出成形機向けHIP(熱間等方圧加圧法)シリンダーを主力製品に、舶用部品や航空機部品など多様な精密加工部品を手がける。当社を含め8社のグループ会社を持つが、連携による各社の強みを生かし本年度の売上げはグループ全体で約100億円を達成。5年後の2030年には300億円を目指している。300億円達成に向け注力するのは、蓄電池などエネルギー関連事業の強化・拡大である。これまでモノづくり企業として歩んできたが、今後は環境関連事業にも軸足を置く考えだ。
近年、特に中小企業では人材確保難が叫ばれるが、当社ではこの課題解決に向け、福利厚生の拡充など“働き安い職場の仕組みづくり”を進めている。メーカーとしてさらなるコストダウンを進め、利益率を向上する。そしてその利益を社員に還元する。こうした取り組みで、従業員はもとよりその家族までを含めた幸福を追求し、“当社に勤めていることが誇りとなる”企業を目指していく考えだ。
オーエス産業 社長 山田 重樹 氏
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オーエス産業 社長 山田 重樹 氏
多様な荷役運搬機を製造する。中でも得意とするのは中型・大型特殊クレーンで、これまで全国に7600台以上を納入。設計・開発から製造、据え付け、アフターサービスまで一貫して対応できるのが強みである。電気工事や機械加工も自社で行い、外注作業がほとんどないため“顧客の要求に素早く対応できる”と評判が良い。
クレーンなどの保守・点検は、納入先からメンテナンス専門業者に依頼するのが一般的であるが、当社では電気系のトラブルなどについても電気工事2種の資格を持つ社員が素早く対応できる。
顧客の扱いやすい製品を提供するため、今後力を入れるのはデジタル技術を活用したメンテナンス作業の効率化である。既にIoTのメンテナンスシステムを搭載したクレーンを数台、提供しているが、これらをさらにブラッシュアップしていく考えだ。不具合を早期発見・対応することで、顧客満足度をさらに高めていく方針である。
松本製作所 社長 松本 和樹 氏
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松本製作所 社長 松本 和樹 氏
当社は難削材の機械加工を中心に、放電加工や溶射加工、TIG溶接など多様な技術を駆使して顧客の幅広いニーズに対応し、複数の工程を一括で受注できるのが強みである。
主製品は発電用ガスタービン向けの部品であり、こうした加工ではインコネルやハステロイなど難加工材の加工技術が要求されるが、社員が長く働ける環境を整備して社員満足度を高め、人材が生み出すノウハウを蓄積し、充実した設備力との相乗効果で要求に応え、顧客満足度を高めていく。
“人手不足”が叫ばれる中、省人化と自動化、生産拠点の集約を進め、さらなる生産性向上にも注力する。一方で、ミャンマー人エンジニアなど外国人材も正社員として多く採用し、業務はもとより、生活面でのサポートにも力を尽くしている。
主力製品である発電用ガスタービン部品の増産はもとより、航空機や半導体検査装置向けの部品の受注増と事業拡大に向け、グループ企業との連携をこれまで以上に密にし、未来へとつなげていきたい。
仲田電機 社長 仲田 五郎 氏
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仲田電機 社長 仲田 五郎 氏
自動車電装品向けを中心に多様な樹脂成形部品を手がける。中でも強みは熱硬化性樹脂の加工技術だ。樹脂成形分野では一般的に、熱可塑性樹脂の加工を手がける企業が多く、熱硬化性樹脂加工をメインとする企業は少ない。高い技術とコストが必要となるからである。そのため“欠かせない存在”と顧客からの評価は高いと自負している。
近年、あらゆる分野で採用難や後継者不足など“人手不足”が大きな問題となっているが、当社ではこの課題解決に向け現在、生産現場での更なる自動化・省力化を推進。独自システムの開発に力を注いでいる。また、本年7月には新工場棟を完成し、新たに樹脂成形機を複数台導入。設備更新を進めると同時に、今後見込まれる電装品関連の需要増も含め、これまでと違った業種の進出も検討し、生産能力の拡大と作業環境の改善も実現した。
こうした取り組みで自社のイメージと知名度を向上し、次々と変化する時代の課題に挑み続ける考えだ。
