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兵庫・神戸産業界
地域に欠かせない企業創出へ
兵庫県中小企業家同友会は、社員・顧客・地域にとって欠かせない企業づくりの後押しに取り組む。経営指針の作成と実践、人材の採用と育成など、各委員会が多様な活動を展開し“国民や地域と共に歩む中小企業”づくりを目指すことで地域経済の発展に貢献する。目下、特に力を注ぐ活動を紹介する。
多様な活動 磨きかける/兵庫中小同友会
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兵庫県中小企業家同友会は兵庫・神戸の中小企業家を後押しする経営指針の実践など多様な活動を展開する(神戸のベイエリア)
2025年度の活動では、21世紀型企業づくりと“兵庫同友会VISION2025”の実現に向けた取り組みに力を注いでいる。今年は「阪神・淡路大震災」から30年の節目であり、同VISION達成の年。変化の速い時代の中で新たな収益の形をつくり続ける一方、常に危機・リスクに備えることも重視した支援活動を展開する。経営者自身の“目指す姿”を明確化する取り組みだ。
「経営労働委員会」では中期経営計画など経営指針の実践や、経営者の経営実践交流などを実施。「人材育成委員会」では自立型社員の育成のほか、経営者自身の教育・育成力向上を目指す階層別社員研修などを行っている。そのほか「共同求人委員会」は新卒採用について、「障がい者委員会」では障がい者や障がい者雇用について正しい理解と関心を深める活動を展開。人手不足の中、永く企業を継続していくための勉強会などを開催する「企業価値向上委員会」も、安定した事業承継を目指して活動する。
こうした多様な活動のブラッシュアップにより会員拡大と組織強化、より良い企業と地域づくりなどの課題解決を目指している。
兵庫県中小企業家同友会 代表理事 村川 勝 氏/経営計画の理念・ビジョン実践を重視
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兵庫県中小企業家同友会 代表理事 村川 勝 氏
—中小企業経営者やその後継者が入会しています。会の現状は。
「現在の会員数は2469人。当会の役割の基本は経営計画書の策定と、そのPDCAをきっちりと回すという取り組みだ。約1年半前までは、あらゆる業界で人手不足が大きな課題だったが、現在は原材料価格の高止まりと、これをいかに価格転嫁していくかということ。加えて人件費高が最も大きな課題となっている。特にBツーB(企業間)型企業にとっては、これらの課題に向けて経営者がどれだけ対応できるかが重要だ」
「人件費についても、大手企業が賃金アップを進めているのに加え、物価も上がっているためアップせざるを得ない状況で、これが利益を圧迫している」
—人手不足を背景としたデジタル技術活用の後押しについては。
「DXの推進については業界によって差がある。製造業などでは進んでいる事業者もあるが、サービス業などではあまり進んでいないところもある。社内でDX化を推進する人材がいないという理由が大きいのだと感じている。当会内に『チームIT神戸』というIT系企業グループがあり、ここを窓口として、会員企業各社のIT化についての個別相談に応じている。定期的に相談会を開催している。また神戸市が主催する『神戸市中小企業DXお助け隊』に向けた取り組み要請など、当会から行政への申し入れや、こうした取り組みを会員企業へ紹介することなども行っている。当会はあくまで“経営者の学びの会”というスタンスで活動している」
—今後の活動展開について教えてください。
「当会では“人”を基本として見ており、前述した中期経営計画などについても単なる数字計画だけではなく、理念やビジョン、方針などを一体的に実践・実現するということを重視している。こうした“人”を中心とした多様な取り組みが奏功し、会員企業における人材定着率も悪くないと自負している。今後もこうした活動にさらに磨きをかけていく」
