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兵庫・神戸産業界
ニーズ捉えソリューション提供
兵庫工業会は「人材育成事業」「産業振興事業」「シン・ものづくり事業」「会員交流事業」を4本柱に、県内の中小製造業が抱える課題の解決と成長を後押しする。産官学の連携による地域経済への貢献をミッションに、各事業で多様な活動を展開。設立40年を迎えるタイミングで、新たに就任した三宅俊也会長に今後の展開を聞いた。
兵庫工業会 会長 三宅 俊也 氏/会員企業の人材確保・育成 後押し
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兵庫工業会 会長 三宅 俊也 氏
—県下モノづくり企業の課題をどう見ていますか。
「同会会員企業の声を聞くと、人材確保や人材育成、人材定着率について悩みを抱える企業が多い。こうした課題を解決するため地域にどう貢献し、それをどうアピールするのか苦労している。同会では国内人材の確保はもとより、ベトナムやミャンマーなど外国人材の確保も後押し。特に目下は、インドの理系人材確保の後押しに力を入れている」
—今後の活動展開を教えてください。
「DXや人材をテーマとした取り組みに加え、長年実施してきた『兵庫技術研修大学校』のプログラムを刷新。これまでは電気電子工学や機械工学、現場改善など一般的な講座を実施していたが、今後は例えば“理系でない人でも理系の仕事ができるように”や“男性・女性・外国人を問わずに働ける機会を増やす”ため仕事をきっちり仕分けするという取り組みにも注力する。継続すべきものは残し、ブラッシュアップすべきものは磨き上げる」
「加えて、こういった基礎工学の手前、つまり小・中学校の算数・数学や高校の物理などに合わせた活動にも取り組む考え。例えば“親と子の理科工作”のような活動を行い、若年時からの理科好きを育てることで理系人材を増やしたいと考えている。その他、文系人材であっても希望に応じて臨機応変に理系業務を行えるような環境づくりにも留意しておきたい。事業仕分けとセットで進めていく。」
—設立40周年を迎えました。
「当会は工業会ではあるが、極端に言えばサービス業だと考えている。会員企業が抱える課題を解決するようなソリューションを提供し、選択していただき、貢献する。こうした活動を堅持しながらこれまで以上にPR・訴求し、喜んでもらえる企業をさらに増やしたいと考えている」
テクノフォーラム開催/兵庫工業会
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多くの聴講者で盛況に幕を閉じた「テクノフォーラム2025」
兵庫工業会は8月19日、ホテルオークラ神戸(神戸市中央区)で恒例の「テクノフォーラム2025」を開いた。今回のテーマは“人材難をチャンスに変換!未来へ放つ3本の矢!”。人手不足に悩む会員企業に向け、課題解決のヒントを発信・提供した。
同フォーラムでは、3人の有識者が登壇。人材確保戦術や生成AIなどのデジタル活用、外国人活用など、それぞれの取り組みを説明した。人材研究所の曽和利光社長は「企業戦略と人材確保戦術の完全連動~ブルーオーシャン創出の採用活動に向けて~」をテーマに説明。人事や採用向けのコンサルティングについて解説した。
桜美林大学リベラルアーツ学群教授の堀潔副学長も「中小企業の外国人活用~企業戦略としての外国人活用を考える~」について講演。外国人労働者増加の推移や産学官連携の活動などについて紹介した。
その他、DXパートナーズの村上和彰社長は「『なぜ兵庫?』、『なぜものづくり?』から考える!そして、『デジタルと生成AIを前提』に答えを出す!!」の題目でデジタル技術活用の有効性を説明。多くの聴講者が真剣に耳を傾けた。
開会に先立ち同会の金井宏彰副会長が「昨今の大きな課題は“人材難”である。当会としてもこの難題に対してさまざまな取り組みを進めており、人材確保や人材育成、省人・自動・効率化など三つの軸で注力している。このフォーラムが有意義な情報交換の場となればうれしい」とあいさつした。
