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日本のモノづくりを支える 阪神地区産業界
2025年大阪・関西万博開催まで半年を切り、機運醸成の動きが本格化する。テーマが「未来社会の実験場」であり、日本の今後を占うイベントになるといっても過言ではなく、大阪・関西の発展と経済活性化にいかにつなげるかが重要になる。その関西エリアには従来から高度な技術や優れた製品を生み出すベースがあり、中でも兵庫県南東部の阪神地域は幅広い業種にわたり卓越した独自技術を有するモノづくり企業が集積、日本経済の発展を支えてきた。最近では物流拠点の建設も相次ぐなど新たな一面も見せ始め、今後の動きが注目されている。
Topics 阪神地区産業界
ESG広域連携スタート/尼崎信用金庫
尼崎信用金庫(兵庫県尼崎市、作田誠司理事長)は2022年度から神戸大学経済経営研究所と進めてきた「ESG要素を考慮した事業性評価のあり方」の共同研究を発展させ、ESGを起点とした新ネットワーク「信金ESG広域連携」を始め、第1回研究会を開いた。
各地域でESG地域金融に先進的に取り組む浜松いわた信用金庫、川崎信用金庫、福岡ひびき信用金庫などが参画する。広域連携を通じ、信金間の課題や情報共有をベースに取引先に対しESGの認知度向上や取り組み推進を図るとともに、自金庫の職員の人材育成などにも活用する。具体的には、年3回程度、各信金の取り組み事例や課題の発表などを通じ、地域を越え、環境や社会に対するインパクト創出や地域の持続可能性向上につなげる。
まずは1年をめどに活動を進め、25年7月にシンポジウムで成果発表を予定する。今後、こうした取り組みを広く周知することで、さらなる広域連携を図る考えだ。
尼崎市に新キャンパス/宝塚医療大学
宝塚医療大学(兵庫県宝塚市、岸野雅方学長)は2024年4月に開学した観光学部の新キャンパスを兵庫県尼崎市に開設する。同学部は同大としては医療系分野以外では初の学部で、1年次は沖縄県宮古島市に設置したキャンパスで、2年次以降を尼崎キャンパスで教育を行い、今後の成長産業である観光分野の専門人材を育成、観光産業や地域に貢献することを目指す。
尼崎キャンパスは統合により廃校となった市内の旧市立若葉小学校の校舎を改修して活用する。地元市民から外観の保存要望を踏まえ、改修は内装を中心に実施する。改修費は約2億4000万円を見込む。
尼崎キャンパス開設にあたり、尼崎市の松本眞市長は「地域の活性化が求められる中、若葉小学校の跡地を活用し学生が来ることで大きな存在となる」とした上で、「地域医療的な視点も持つ大学だけに、勉強しながら高齢化の問題、地域の活性化をともに考えたい」と開設効果に期待を込めた。