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日本のモノづくりを支える 阪神地区産業界
2025年大阪・関西万博開催まで半年を切り、機運醸成の動きが本格化する。テーマが「未来社会の実験場」であり、日本の今後を占うイベントになるといっても過言ではなく、大阪・関西の発展と経済活性化にいかにつなげるかが重要になる。その関西エリアには従来から高度な技術や優れた製品を生み出すベースがあり、中でも兵庫県南東部の阪神地域は幅広い業種にわたり卓越した独自技術を有するモノづくり企業が集積、日本経済の発展を支えてきた。最近では物流拠点の建設も相次ぐなど新たな一面も見せ始め、今後の動きが注目されている。
尼崎・西宮・伊丹・宝塚 商工会議所会頭のメッセージ
活きづく未来へ 尼崎の魅力発信/
尼崎商工会議所会頭 大久保 和正氏
「2025年大阪・関西万博」の開幕までいよいよ半年を切りました。開催地の大阪・夢洲(ゆめしま)からほど近い尼崎商工会議所では、万博のパワーを地域経済に波及させるべく、地域一体となって機運醸成活動を展開してまいりました。
今年4月には、新たに尼崎市や地元金融機関、産業団体による「オール尼崎」での運営体制で、ものづくり総合支援拠点として「オープンイノベーションコア尼崎(通称=OIC)」を設立しました。「ものづくりをするならこの街で」と思っていただけるように、スタートアップ企業と市内企業との共創によるイノベーション創出をはじめとした産業支援を行っています。
また市内の子どもたちに尼崎の産業の魅力を伝え、将来の職業観の醸成や働くことへの関心を育むことを目的に、小学生対象の「しごと体感ゼミナール」、中学生対象の「オープンファクトリー」、高校生対象の「高校生向けビジネススクール」を開催し、今年も多くの子どもたちにご参加いただきました。
来年は阪神タイガースのファーム施設が小田南公園へ移転し、環境に優しい取り組みを行う「ゼロカーボンベースボールパーク」として誕生予定で、新たなにぎわい創出が期待されます。
当所は尼崎の魅力を市内外に発信し、「企業と人が活きづく持続可能な地域経済の実現」に向け、地域の皆さまと共に未来を築いてまいります。
「文教住宅都市・西宮」次世代につなぐ/
西宮商工会議所会頭 森本 直樹氏
兵庫県西宮市は2025年に市制施行100周年を迎えるにあたり、「文教住宅都市・西宮」という理念と価値を次の世代につなぐため、100周年記念事業を実施します。
西宮商工会議所は地域唯一の総合経済団体として同記念事業に祝意を表すとともに、この機会を最大限に活かし、地域活性化や地域経済の振興につながるよう、会議所ならではの取り組みを進めます。
本年は本番前のプレ事業として、「第28回西宮酒ぐらルネサンスと食フェア及び西宮の逸品展」や会議所青年部による子ども向けお仕事体験イベント「みやしる」を実施、『銘酒の街・西宮』の魅力を幅広い層にアピールしました。
来年は4月に西宮神社で酒と食をたのしむ宴イベントを予定するほか、10月には100周年にふさわしい内容を盛り込んだ「第29回西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」など、多くの来場者の皆さまとともに西宮100周年を祝うイベントを開催します。
また西宮100周年を機に「地域とともにある」会議所の実現に向け、地域団体などが実施するまちづくりや子育てなどを対象に、活動経費を一部補助する会議独自の制度をスタートさせます。
当所は次の100年を見据え、市や金融機関、市内大学、専門家団体などとの連携を一層強化、地域や事業者の挑戦を後押しし、西宮の未来につなげる会議所運営を目指してまいります。
「清酒発祥の地 伊丹」集客・回遊を促進/
伊丹商工会議所会頭 小西 新右衛門氏
私たちの日常生活が戻り、早くも1年半がたちました。地域社会や観光業の回復に向けたイベントが、全国各地で開催されています。
ここ伊丹商工会議所では10月に、『「清酒発祥の地 伊丹」を巡るスイーツ&ベーカリー デジタルスタンプラリー』を開催しました。原材料高の影響を受ける「パン・スイーツ業」を対象として市内外からの集客と地域回遊を促進し、おかげさまで参加店舗および参加者の皆さまから大変好評をいただきました。
今回対象とした食品製造小売業を含め、中小企業・小規模事業者は現在、原材料やエネルギーコストの高騰といったコストプッシュ型の物価上昇に加えて、人手不足や最低賃金の引き上げに伴う労務費の増加など大変厳しい状況にあります。当所ではこれらの事業者の持続的成長を下支えできるような施策を展開してまいります。
各種専門家による相談窓口や時勢に即したセミナー、新たな需要開拓に寄与するためのテストマーケティングなど、新たな経営発達支援計画にのっとって事業者の課題に真摯(しんし)に向き合い、「人も企業も煌(きら)めく未来へ」の旗印の下に、皆さまと共に未来に向けて成長していけるように、これからも全力で取り組んでまいります。
寄り添う支援で宝塚を活性化/
宝塚商工会議所会頭 石丸 寛二氏
兵庫県宝塚市は2024年度に市制70周年を迎え、さまざまな記念事業が展開されています。
その中でも宝塚商工会議所は、市内事業所や団体などと協働し「まちのにぎわい創出」に向けた宝塚市委託事業を8月、9月、10月の連続で実施しました。
11月以降も大阪・関西万博からの誘客、特にインバウンド(訪日外国人)需要を取り込むための情報発信や観光振興、販路拡大、需要喚起に向けた各種企画を構想・立案しています。
また当所では将来の人口減少社会を見据え、デジタルなどの革新技術を活用してインフラ整備を進める社会実証試験など、従前と異なる方向での取り組みを行政へ積極的に提案しています。
「夢や情熱でビッグピクチャーを描き、スモールスタートで成功体験を積み重ねることが変革につながる」と私は常々考えています。簡単なことではありませんが、失敗は成功に向けた一つの階段と割り切り、勇気を持って諦めずに挑戦し続けることが取り組みのポイントです。
今後も当所では、前向きな挑戦を続ける企業や持続的成長を目指す企業などに対して、寄り添った経営支援を継続することで、地域社会や経済の発展と活性化に寄与してまいります。