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日本のモノづくりを支える 阪神地区産業界
2025年大阪・関西万博開催まで半年を切り、機運醸成の動きが本格化する。テーマが「未来社会の実験場」であり、日本の今後を占うイベントになるといっても過言ではなく、大阪・関西の発展と経済活性化にいかにつなげるかが重要になる。その関西エリアには従来から高度な技術や優れた製品を生み出すベースがあり、中でも兵庫県南東部の阪神地域は幅広い業種にわたり卓越した独自技術を有するモノづくり企業が集積、日本経済の発展を支えてきた。最近では物流拠点の建設も相次ぐなど新たな一面も見せ始め、今後の動きが注目されている。
あまがさき産業フェア21日開幕
尼崎産業フェア実行委員会(吉田厚委員長=音羽電機工業社長)が主催する「あまがさき産業フェア2024」が11月21、22の両日、ベイコム総合体育館(兵庫県尼崎市)で開かれる。1982年に第1回を開催し、今回で39回目となる。モノづくり企業が集積する尼崎市を中心に県内外からの出展者が独自技術や自慢の製品を披露するほか、販路開拓などにつながるビジネスマッチングなど、企業間取引や技術交流促進を支援する多彩な企画も行われる。開場時間は10時ー17時(22日は16時まで)。入場無料。
独自技術・自慢の製品披露
尼崎産業フェア実行委員会は尼崎市や尼崎信用金庫、尼崎商工会議所、尼崎経営者協会、尼崎工業会、尼崎地域産業活性化機構と経済団体の推薦企業で構成される。経験や知識、技術を駆使して開発した新製品・新技術を広く紹介し、企業や働く人の活発な商取引や技術交流を促進させるとともに、未来へ向けた事業活動ができる環境をつくり、尼崎から世界へはばたく企業を支援することを目的に開かれる。
「会いたくなる技術がいっぱい尼崎!」のテーマの下、164社・団体が出展、178小間の規模となる。前回(2023年)と比べ9社・団体、17小間上回り、コロナ禍から平時に戻りつつあることが出展意欲につながったといえ、それが数字にも表れている。
出展傾向では新規出展企業が全体の43%に当たる70社を占める。新規出展は前回と同数で、展示会そのものの活性化につながっている。所在地別では開催地の尼崎市内企業が30%と群を抜き、業種別では金属加工業、建設・環境、自動車・ロボット・IT、くらし・食品の順となっている。尼崎が〝モノづくりの街〟として発展をみたことを如実に表している。
信金がマッチングフェア同時開催
毎回、多彩な関連イベントが注目されるが、今回は兵庫県信用金庫協会の「兵庫県内11信用金庫マッチングフェア」を初めて同時開催することが特筆される。あまがさき産業フェア開催の狙いでもあるビジネスマッチングがより充実し、成果につながることが期待される。同時開催を受け、あまがさき産業フェアをベイコム総合体育館のメーンアリーナ(B会場)で、11信金マッチングフェアをサブアリーナ(A会場)で行う2会場制となっている。
講演会は3件。22日10時半からモンスターエンジン・西森洋一氏が「実家は町工場!モノづくりとネタ作りの二刀流芸人が語る【ムダ工作】」と題し、〝町工場芸人〟がモノづくりへの思いを語る。同日11時20分からは寶上卓音そらとぶタクシー社長が「未来社会への挑戦~日本初の次世代モビリティー『空飛ぶタクシー』事業への参入」をテーマに、未来のインフラについてその事業内容や現在の業界動向などを中心に解説する。
13時半からは工業系ユーチューバー・なんとか重工が「YouTuberとして見るモノづくりの魅力」について、ユーチューバーの視点から見るモノづくりの楽しさや魅力などを発信する。いずれも会場は2階エントランスステージ。
ミニ四駆でガチンコレース
このほか21日には、13時から地下研修室で、モノづくり企業が自社技術を結集したミニ四駆を製作して競う「製造業対抗ミニ四駆大会第1回あまがさき産業フェアカップ」が初めて開かれる。運営には大阪府東大阪市や大阪市東淀川区の製造業メンバーで構成する「ザ・クラフターズ」が協力。独自の工夫を凝らし製作したミニ四駆が〝ガチンコレース〟を繰り広げることになり、製造業の面白さを目の当たりにできそうだ。
22日には毎回、好評を博している「全日本製造業コマ大戦第8回あまがさき産業フェア特別場所」が2階エントランスステージで幕を開ける。自社の看板を背負ったコマを製作、その成果が多くの来場者の目にとまることで、製造業への興味を高めることを狙う。今回も白熱した戦いが相次ぐと見られる。
また両日10時半からB会場で「出展者プレゼンテーション」が行われることに加え、A会場と1階エントランスホールに「無料相談コーナー」が設けられる。相談コーナーには今回から国際協力機構(JICA)や省エネプラットフォーム協会、ものづくりビジネスセンター大阪(MOBIO)が新たに加わったことで拡充が図られており、販路開拓や経営戦略などを中心に、企業の課題解決につなげる。
あまがさき産業フェアの特徴でもある出展者と来場者間の商談を促進するビジネスマッチング会は両日とも10時半からB会場の商談ブースで開かれる。工業系、商業系の大手企業に出展企業などが自社の技術や製品、商品、サービスなどをアピールする機会を提供、ビジネスマッチングを促進する。工業系24社、商業系9社、出展企業164社・団体が参加する。
一方、今回も前回に引き続きオンライン展を実施、10月1日に開幕している。11月22日まで出展者の基本情報やシーズ、ニーズなどの情報収集のほか、各種イベントの動画配信などが予定されており、遠隔地で来場が難しい人も有効活用できる。
会場のベイコム総合体育館はJR尼崎駅から西へ徒歩約10分。会期中はJRおよび阪神電鉄尼崎駅から無料のシャトルバスを運行する。問い合わせは尼崎産業フェア実行委員会(06・6488・9534)へ。
企業の交流促進し地域社会に貢献/
尼崎産業フェア実行委員会委員長 吉田 厚氏
あまがさき産業フェアは、企業の活発な取引や交流を促進し、尼崎の産業振興を図ることを目的に、1982年11月に第1回を開催、その後、毎年時節に応じたテーマで開催し、今年で39回を数えるまでになりました。
『会いたくなる技術がいっぱい尼崎!』をテーマに、兵庫県尼崎市内外の164企業・団体が優れた製品や技術の紹介とともに、「兵庫県11信用金庫マッチングフェア」を同時開催させていただくことで、中小企業などの経営課題の解決に向け、より一層地域社会に貢献できる展示会として開催いたします。
また、毎年好評の趣向を凝らした「全日本製造業コマ大戦・あまがさき産業フェア特別場所」に加え、新たにアイデア満載の「製造業対抗ミニ四駆大会」を実施することで、中小企業の活性化と次世代人材の発掘につながることを期待しています。
そのほか大手企業とのマッチング会や出展者によるプレゼンテーション、経営課題解決に向けた相談コーナーを拡充するなどさまざまな事業を今年も2日間にわたり展開いたしますので、ご来場・ご出展の皆さまには、ぜひ積極的にご参加・ご活用いただきたく思います。
本産業フェアが阪神間を代表する特色のある展示会として、今後ますます発展していけますよう、皆さま方の引き続きのご参加・ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。