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浜松市産業界 -浜松商工会議所創立130周年-
モノづくり産業が集積する静岡県西部地区を牽引する政令指定都市・浜松。同市の産業界はコロナ禍を経て着実に活力を取り戻しつつある。その中核として大きな役割を果たしている浜松商工会議所が2023年に130周年を迎えた。産業界が抱える課題解決に向け、昨今は自動化や創業、自動車の電動(EV)化対応など、行政など各機関と連係したさまざまな支援策を実施している。
創立130年祝う式典 産業力で都市発展
130周年を記念したさまざまな行事も執り行われている。
創立記念日である4月7日にはえんてつホール(同市中区)で創立130周年記念式典を開いた。1893(明26)年に当時の「浜松商業会議所」として発足して以来の節目を、225人の参加者が祝った。斉藤薫会頭(遠州鉄道会長)は式辞で産業振興や地域貢献といった会議所の役割を確認しつつ、「200周年に向け着実に歩みを進めたい」と語った。
来賓からは「産業力があってこそ浜松市の発展があった」との祝辞があった。
式典では創業100周年企業特別顕彰を実施したほか、記念講演では早稲田大学教授で東京大学名誉教授の藤本隆宏氏が登壇した。
9月24日には創立130周年を記念する会員大会をオークラアクトシティホテル浜松で開催した。会員事業所の従業員やその家族など500人以上が参加した。記念講演では駅伝の強豪として知られる青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの原晋監督が「箱根駅伝から学ぶ人材育成」をテーマに語った。
特産品乗せ、全国から軽トラ集合
12月3日には創立記念事業として、浜松市内の各所で「第8回全国軽トラ市inはままつ」を開催する。軽トラックの荷台に地域の特産品を陳列して販売する「軽トラ市」の全国大会で、同会議所内に実行委員会事務局を設置して運営する。同市内の街中を会場に全国から100台以上が出店する。各地の野菜や海産物、三遠南信(三河・遠州・南信州)地域のグルメなどが浜松に集う。
遠州鉄道高架下の都市型公園「新川モール」では、モノづくり企業によるキャンプ用品の展示や販売のほか、日本自動車工業会(自工会)によるアウトドア車両の展示も行われる。
前日の2日にはホテルクラウンパレス浜松で「軽トラ市とまちづくり」をテーマにしたシンポジウムを同市内で開催する。浜松市、静岡県磐田市、同掛川市、愛知県新城市の各市長と、軽トラ市を支援している自工会軽自動車委員会委員長の奥平総一郎ダイハツ工業社長と、同副委員長の鈴木俊宏スズキ社長が登壇する。
20周年の節目に再び浜名湖で開催 花や緑とデジタル技術融合
24年3月には「浜名湖花博2024」が開幕する。20年前の04年の4月に開催された当時の「浜名湖花博」は現在でも覚えている市民も多く、地元にとって印象深いイベントだ。今回のテーマは、「人・自然・テクノロジーの架け橋~レイクハマナデジタル田園都市~」。花や緑とデジタル技術が融合した新たな展示が見られそうだ。
浜名湖花博2024は「浜名湖ガーデンパーク」(浜松市西区)と「はままつフラワーパーク」(同)の2会場で実施する。両会場では地域のモノづくり企業が関わった展示コーナーを設ける。
浜名湖ガーデンパークでは、おおむね1週間ごとに花博に関する「花緑・園芸」「浜名湖」「ものづくり」「アクティブ」「音楽」「美容・健康」「デジタル」「インターナショナル」という八つのサブテーマを設定し、企業や団体が自社の製品、技術、サービスを交代で展示する。
はままつフラワーパークでは「グリーン×未来」というテーマで浜松市内の企業を中心に、デジタル技術を活用した内容で出展する。製品の展示だけではなく、技術の実証の場としても期待ができそうだ。