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FOOMA JAPAN 2025(2025年6月)
日本食品機械工業会主催の「FOOMA JAPAN 2025」が6月10日から13日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東展示棟1—8ホールで開かれる。1007者が出展し、食品製造現場で役立つ機械や関連機器、システム、技術などが集まる。開催時間は10時から17時まで。事前登録制で、登録者の入場は無料。
食品製造の最先端テクノ
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食品製造に関わるあらゆる分野の先端技術が披露される(前回開催=2024年)
FOOMA JAPANは今年で48回目を迎える世界最大級の食品製造総合展。食品機械・装置をはじめ、原料処理、検査、包装、物流など食品製造プロセスに関わるあらゆる分野の企業が集結し、最先端テクノロジーを披露する。
今回の展示会テーマは「Touch FOOMA, Taste the Future」。来場者がFOOMA JAPANを通して次世代の食品製造の可能性に触れ、その未来を味わえるような機会にしたいという思いが込められている。
過去最多の1007社・団体が出展予定で、新規企業も多く出展する。展示分野は大きく分けて、原料処理、食品製造・加工、エンジニアリング、ロボット・IT・IoT・フードテック、鮮度管理・品質保持、包装・充填、保管・搬送・移動、計測・分析・検査、衛生対策・管理、環境対策・省エネ・リサイクル、設備機器・技術・部品、コンサルタント・特許、情報サービス・団体の13分野と、スタートアップゾーンの1ゾーン。出展者数が最も多い「食品製造・加工」分野は、製造・加工対象の食品の種類によって、さらに細かく9分野に分けられる。
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機械だけでなくロボットやAI、IT、IoTなどの関連製品の出品も増えている(前回開催=2024年)
設立9年以内の企業を出展対象とする「スタートアップゾーン」には、新規出展12社を含む30社が出展する。そのうち18社はAI(人工知能)・IT・IoT(モノのインターネット)分野を扱うスタートアップ企業だ。AIによる検査・分析、陸上養殖、3次元(3D)フードプリンティングなど多様な技術の提案が予定されており、新技術との出会いの場となることが期待される。同ゾーンでは連日、出展者によるピッチプレゼンが行われる。
食品製造においては食品の安全性の確保はもちろん、生産性の向上や省力化・自動化、食品ロスの削減、環境負荷低減、労働者の確保など、さまざまな面で進化が求められる。近年は機械や機器単体でなく、ロボットやデジタル技術などを多数組み込んだ製造ライン全体を展示するブースが多く見られる。製造における各工程をそれぞれ改善することで、課題の解決により有効に働く。
FOOMAアプリ
FOOMA JAPANを効率よく回るには「FOOMAアプリ」の利用が便利だ。気になる出展者をお気に入り登録すると、アプリ上の会場マップに自動で反映される。来場登録・セミナーの受講登録や、多彩な料理が楽しめる「FOOMA東京バル」で繰り返し使えるクーポンの取得、スタンプラリーへの参加などもできる。
また会期中は国際展示場駅前のターミナルと東京ビッグサイト間を移動する無料シャトルバスが運行される。これらのサービスを使うことで、楽しく、効率よく、快適に食品製造の先端技術を見られる。
【インタビュー】FOOMA JAPAN 2025 展示会実行委員会 委員長 尾上 稔 氏(日本食品機械工業会 理事)
最新情報にヒント—現場で生かす
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FOOMA JAPAN 2025 展示会実行委員会 委員長 尾上 稔 氏(日本食品機械工業会 理事)
—FOOMA JAPANは例年、大きな盛り上がりを見せています。他展にはないFOOMAの魅力は何でしょうか。
「FOOMAは日本で最大の食品製造総合展を掲げている。外国にも食品関連の展示会はあるが、シーフードショーなど特定分野に限ったものや、包装機械関係の展示会が多い。FOOMAに来れば食肉・水産物から製パン、めん類、総菜、飲料・乳製品、ロボット、計測、包装機械まで、あらゆる分野の最新情報が入手できる。我々は日本最大の展示会がゴールではない。その先の海外、業界全体の課題解決を見据えている」
—食品産業の人手不足は長年の課題です。
「実際にお客さまと話していても『募集しても人が集まらない』という声をよく聞く。数年前までロボットは高根の花だったが、現在は背に腹は代えられないと導入を検討するところが多い。中小企業が多いこの業界で、労働力確保は切実な問題。食品機械企業にとってはビジネスチャンスだ」
—今回、ロボットや自動化機械の展示は増えていますか。
「ロボットメーカーも数多く出ているが、展示ブースの面積は減っている。ロボットメーカーのブースではなく、製パン機械や包装機械の内部にロボットを組み込み、自動化システムをうたう例が増えている。会期中、展示ブースにロボットメーカーが売り込みに来るケースもあった」
「ロボットメーカーはロボットを作れても、食品製造現場での使い道がわからないことがある。ロボットハンドをはじめ、そこから先の工程はシステムインテグレーター(SIer)の方が得意だ。食品現場のロボットはカスタマイズが不可欠。展示会でいろいろな商品を見て、こんな使い方があったのかと気付かされたり、この方法とあの技術を組み合わせたら課題解決ができるのではないかとひらめいたり、数多くのヒントを入手できる。展示会のテーマにも『FOOMAに触れることで食品製造の未来を感じてほしい』という思いを込めた」
—日本の食品機械や技術の強みは。
「海外の食品機械は大量生産傾向が強いのに対し、日本の場合は期間限定商品や地域別商品のように少量多品種型。段取り替えにも独自のノウハウが必要で、海外の企業にこうした経験は少ない。もう一つは日本食ブーム。すしや天ぷらだけが日本食ではなく、ラーメンやおにぎりも人気が高い。日本の焼き鳥の串打ち機はインドネシアのサテや中東料理のケバブでも利用できる。海外の人が見ても思わぬ発見があると思う」