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第26回キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)大阪
特別賞/奨励賞
【特別賞】近畿経済産業局長賞/高校の教員向け探究学習支援プラットフォーム作成事業
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代表の大西さん
神戸大学
大西 拓斗さん
柳下 直輝さん
高校教員向け探究学習支援プラットフォームサービスを提案。教育の質向上や教員の負担軽減につなげる。
探究学習は、生徒がテーマを設定し、チームでフィールドワークや実験を行い、情報収集・分析などを行う授業。これらを通じて主体性や課題解決能力、協調性などを養う。2022年4月から全国の公立高校で義務化された。
この授業では教員1人で複数のチームを指導する。1チーム当たり1-2時間かけて学習成果などのフィードバックをすることもあるという。また教員の専門外のテーマの場合は、一から事前調査が必要なため、これにかかる負担は大きい。
この解決策として、全国の高校の探究事例を集約したプラットフォームを開発し、教員の仕事をサポートする。探究テーマを検索すると、具体的な探究内容や指導方法が閲覧できる。将来的には人工知能(AI)に探究データを学習させ、最適な研究・指導内容をレコメンドする機能なども用意する。教材や指導案はダウンロードできるようにし、授業で活用してもらう。
さらに、学校と企業、専門家とのマッチング機能や、高校間の交流を促すコミュニティー機能の導入も検討している。
【特別賞】中小企業基盤整備機構近畿本部長賞/警備護衛門
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代表の大庭さん
阪南大学
大庭 悠人さん
飯銅 航太さん
藤田 佑衣子さん
平山 泰地さん
巡回警備補助システム「警備護衛門(けいびごえもん)」を提供する。専用のアプリケーションをインストールしたAR(拡張現実)グラスやモバイル端末を使うことで、人間の五感による警備を補助し、確認漏れや見落としなどの人為的ミスを防ぐ。
同システムはビジュアル・ポジショニング・システム(VPS)を採用。建物内の3Dマップとモバイル端末などのカメラからの映像を照合し、その違いから異常を検出する。
アプリには巡回ルートや要注意箇所を可視化する機能に加え、窓や扉の開閉状況などを表示する自動点検、不審物を表示する異常検出機能などが備わっている。さらに、点検結果や点検時間がアプリに記録されるため、報告書の作成業務を簡略化できる。
価格は3Dマップ制作費が1平方メートル当たり100円、システム使用料が端末1台当たり月額5万円。遠隔警備ロボットより低コストで活用できる。
2025年開催予定の大阪・関西万博などを契機に、警備の高度化・多様化の需要は今後ますます高まっていくとみられる。提案者らはこのシステム運営を通じて、警備業務の作業標準化を図り、人手不足などの課題解決を後押しする。
【特別賞】クリーン・テクノロジー賞/BamBooN(バンブーン)
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代表の平田さん
同志社大学
平田 大翔さん
小野 雄也さん
川端 佑岳さん
辻村 蒼衣さん
中島 千莉さん
竹林管理を収益化し、竹林所有者を支援するサービスを提案。竹は成長速度が速く、繁殖力が高いため、定期的に伐採する必要がある。ただ、所有者側に竹を管理するメリットがあまりなく、そのままになってしまうケースがあるという。
成長し過ぎた竹が、私有地に侵入してしまうことや、土砂災害の原因になることがある。また竹が日差しを遮り、ほかの植生に影響を及ぼすこともある。
そこで提案者らは、二酸化炭素(CO2)の削減実績を国が認証して取引可能にした制度「J-クレジット」を活用。竹林管理を収益化し、〝放置竹林問題〟および環境負荷低減につながるサービスを考案した。
このサービスは、竹林所有者に竹炭製造キットを貸し出し、製造した竹炭を回収。契約している農家に提供する。農家から竹炭の農地散布の報告を受け、クレジットの発行申請を行う。発行したクレジットを企業に販売し、仲介手数料を差し引いた収益を竹林所有者に還元する。クレジットの販売価格は1トン当たり5万円で検討。1トンのクレジット創出に必要な竹炭は約330キログラムとしている。
また竹林所有者同士をつなぐコミュニティーやタケノコ販売のプラットフォームも運営する予定。
【特別賞】北おおさか信用金庫賞/FUJISAWA COMPOSTERS (フジサワ・コンポスターズ)
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代表の阪さん
大阪経済大学
阪 泰輝さん
榎本 陽さん
後藤 駿汰さん
藤澤 友晨さん
前田 春奈さん
農場設置型のコンポスト装置を開発し、廃棄物野菜から作る堆肥販売サービスを展開する。
提案者らが農家にヒアリングを行ったところ、既存の廃棄野菜を活用したサービスは、可食部と非可食部の選別作業が必要で、農家の負担が大きいことがわかった。また非可食部はたいていの場合、利用されずにそのまま焼却処分されるという。このような背景から、提案者らは農家の負担を増やさずに非可食部の野菜も有効活用できるサービスは作れないかと考えた。
このコンポスト装置は廃棄野菜の可食部、非可食部に関わらず堆肥として生成できる。低コストで運用できることから米ぬかコンポストを採用した。
農場にコンポスト装置を配置。契約した農家に廃棄野菜を投入してもらう。投入量が一定量に達した際に、サービス運営側が堆肥を回収すると同時に、腐葉土と米ぬかを装置に補充する。回収した堆肥は、工場で発酵させた後、商品化して道の駅やオンラインサイトなどで1キログラム当たり300円で販売する。
農家が廃棄野菜を処理する手間が省けることに加え、焼却処分を減らすことで二酸化炭素(CO2)削減にも貢献する。
【特別賞】日刊工業新聞社賞/ウォーターサーバー×デジタルサイネージ
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代表の采女さん
京都産業大学
采女 和斗さん
後藤 謙太さん
〝ウオーターサーバー〟とデジタルサイネージを掛け合わせたビジネスプランを考案。京都府を中心に、ペットボトルゴミの削減と持続可能な給水環境の提供に取り組む。
ウオーターサーバーにデジタルサイネージを取り付け、その画面に給水メーターや広告などを表示する。ウオーターサーバーの上部に固定したカメラで指定エリア内にいる利用者の顔の向きなどを検出。給水中の視聴時間を計測し、広告効果を分析する。人工知能(AI)による映像解析システムは、ソフトバンクからの技術協力を得ている。利用状況をフィードバックし、最適な広告が掲載される。
提案者らはこれまでに学内でウオーターサーバーを設置することによるペットボトルゴミの削減率や、マイボトル普及率などを検証する実証実験を行ってきた。
今後は2024年度内に提案者らの大学に設置されているウオーターサーバーに試験的にサイネージを取り付けて広告を掲載し、効果を検証する。また広告出稿してもらう企業も募集していく。
将来的には京都府内の観光地でのサービス展開を目指す。高機能浄水器のレンタル事業を手がけるウォータースタンド(さいたま市大宮区)の協力を得て進めていく。
【奨励賞】Bearents(ベアレンツ)
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代表の南堀さん
同志社大学
南堀 景さん
藤本 絢さん
平井 美衣さん
藤原 くるみさん
粟嶋 美央さん
クマのぬいぐるみ型のデバイス「おたすけベア」を販売し、仕事と育児の両立で育児に向き合う時間の確保が難しい共働き世帯をサポートする。
おたすけベアは、スマートフォンのアプリケーションと連動させて使用。おたすけベアには頭部にタッチセンサーが、内部には集音マイクが内蔵されている。親子間のコミュニケーションに問題が発生した際に、マイクを通してアプリ内のチャットに状況の要約が記録される。
ユーザーがおたすけベアをなでる動作に反応し、スマホに子どもへの話しかけ方などの解決策のヒントが通知される。アプリには子育てカウンセラーなどの知識を学習した人工知能(AI)を搭載。日常生活での子どもとの関わり方についても学べる。