-
業種・地域から探す
続きの記事
コンプレッサー
排出量取引制度「GXーETS」の本格導入、イラン情勢を背景とする燃料費高騰や電気代上昇の不安などにより、工場における消費電力の多くを占めるコンプレッサーの電力削減が注目されている。アトラスコプコは顧客に最適なコンプレッサーや関連機器の運転方法を提案する各種サービスを含め、コンプレッサー室全体の最適化に取り組んでいる。ここでは同社の体験型デモブース、最新型オイルフリーコンプレッサーの特徴とその導入効果について紹介してもらう。
既存設備の現状把握の重要性
圧縮空気システムの最適化には、まず現状の正確な把握が不可欠である。昼夜・平日休日の負荷変動、レシーバータンク容量、フィルターの過剰設置、ドライヤーのエアロス、圧力設定など、多くの要素が効率に影響する。
また、改善余地のある代表例として、温水回収、低圧コンプレッサー、排熱利用吸着式ドライヤー、複層式フィルター、最新鋭台数制御などが挙げられる。これらは、既存設備の無駄を可視化し、最適な改善策を選定するための重要な視点である(図3)。
測定結果と省エネシミュレーション
当社では年間100件を超えるコンプレッサーの負荷測定を行い、圧縮空気設備全体の最適化の提案を続けてきた。
ここで測定事例を紹介する。160キロワット相当の定速機コンプレッサーを3台使用し、後段にヒーター式のドライヤーを設置していた顧客での省エネルギー診断事例となる。
電流値ロガーを一週間取り付け、コンプレッサーの稼働状況を測定した。コンプレッサー能力から測定期間の圧縮空気使用量を確認したところ、時間によって大きな変動が確認された。
この測定結果から、定速機3台をプレミアム効率315キロワットインバータースクリューコンプレッサー一台に入れ替えることを提案した。さらに、後段に設置されていたドライヤーを、排熱利用吸着式ドライヤーに更新することを提案した(図4)。
本試算では、主に二つの要因からのエネルギー削減効果が見込まれた。
-
写真3 スクリュー圧縮部断面図 -
写真4 排熱利用吸着式ドライバー
一つ目はコンプレッサーをプレミアム効率のインバーターコンプレッサーへと更新し、負荷変動をインバーターで回転数調整する。これにより、無駄な無負荷運転をなくし、さらに高効率機の運用による動力原単位の改善効果によって、年間消費電力は15万550キロワット、金額にして約350万円が削減できると見込まれた(写真3)。
もう一つの要素として、ヒーターによる加熱と圧縮空気のパージを利用して吸着剤を再生するドライヤーを、コンプレッサーから発生する圧縮熱を利用して吸着剤を再生する省エネ型の吸着式ドライヤーに更新する。これにより、年間消費電力は18万9485キロワット、金額にして850万円が同様に削減できる試算となった(写真4)。
この二つの要素の合計で、年間で削減できる電力費は約1200万円と見込まれ、採用いただくに至った。
