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TECHNO—FRONTIER 2025(2025年7月)
「TECHNO—FRONTIER2025」が、23日から25日まで東京ビッグサイトの西展示棟で開かれる。主催は日本能率協会。440社が881小間で出展する。電源やモーターなどの要素技術のほか、電磁環境適合性(EMC)やノイズ対策などのソリューションや技術、次世代スマート工場を確立する技術など、幅広いテーマで展示が行われる。東展示棟で同時開催される「メンテナンス・レジリエンス」「猛暑対策展」「労働安全衛生展」「騒音・振動対策展」にも再登録なしで入場できる。開場時間は10時から17時まで。入場は事前登録(無料)が必要。
電気系モノづくり YouTuber イチケンさん/熱対策で熱いトーク
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2024年に始まったイチケンさん(右)の「イチケンラウンジ」 -
電気系モノづくり YouTuber イチケンさん
電気系モノづくりYouTuber(ユーチューバー)のイチケンさんは、2024年にTECHNO—FRONTIERのアンバサダーに就任。昨年は計測機器やパワー半導体に関して代表する企業と対談し、技術的強みを紹介する展示企画「イチケンラウンジ」が話題を呼んだ。
2年目を迎え、さらなるパワーアップを目指す。イチケンさんは「対談形式を継承し、五つの特別企画を用意した。その中でも最大の注目は『熱対策はもう後回しにできない!—設計段階から始める熱マネージメント最前線—』になる」と多くの来場を期待する。熱を“設計初期から戦略的に組み込む”ための具体的な勘所を、第一線の技術者が事例を交えながら示唆し、開発効率と信頼性向上のヒントを提示する。
さらに新企画「イチケンEMC」を設けた。EMC対策を怠ると電子機器の誤動作を発生させる。こうした目に見えにくいEMCについて、同企画は体験型展示とストーリー仕立ての工夫で分かりやすく解説していく。
【イチケンさん】
電気系モノづくりYouTuber。動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で電子工作の面白さを発信し、約47万2000人がチャンネルを登録している。
欧州で潮流「産業データ連携」
単独企業での努力だけでは解決が難しい課題が増える中、企業間のデータ連携が必要になってきている。しかし多くの企業では、自社内での部分最適にとどまっているのが現状だ。一方、欧州では異なる企業や部門から得られるデータを連携・共有する「産業データ連携」の動きが活発化している。
カーボンフットプリント(CFP)などの規則対応や生産効率化に向けて、サプライチェーン(供給網)全体でデータ連携する動きがあり、日本の製造業にも波及する可能性がある。
欧州域内で販売・使用される電池全般を対象とする法規制に、欧州電池規制がある。電池の二酸化炭素(CO2)排出量であるCFPや資源リサイクル率を明示するもので、例えばEVやハイブリッド車(HV)などの電動車は電池のCO2排出量を算定し、開示して第三者の承認を得る必要がある。これを経て初めて欧州で電動車を販売できる。CFPの開示義務は今年から段階的に適用される予定だ。
電池のライフサイクル全体のCFPやリサイクル率を算定するため、サプライチェーンはデータ連携が不可欠。データ連携への対応力は品質やコスト、供給力と並ぶ調達先評価の一つとして今後重視され、対応できなければサプライチェーンから外されてしまうリスクがあるとされる。
欧の先進企業が展示
欧州自動車業界のデータ連携プラットフォームであるカテナエックスには、メルセデス・ベンツ、BMW、ボッシュ、SAP、シーメンスなど100社以上が参画する。部品から車両、整備、リサイクルまでデータでつながっている。メカトロニクス企画展示では、これら欧州の先進企業の展示が行われるほか、セミナーも開かれる。
欧州でさまざまなデータ連携の仕組みが生まれる中、日本企業がこの流れに乗り、グローバル競争力を強化できるかどうかが今後の命運を左右する。展示会担当者は「将来的にこうした流れが日本にも及んだときに困ってほしくない。そのために学んでいってほしい」と訴える。
