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静岡県産業界
多様な製造業が集積する「モノづくり立県」静岡県の産業界には積極的に海外展開する企業が数多く存在感を誇る。中堅・中小企業は前向きで手堅い経営を続け、着実に業容を拡大している。一方で、米国の通商政策や国際政治情勢の混迷、グローバル経済の不透明感の影響が静岡県産業界にも押し寄せる。国内でも物価上昇や少子高齢化による深刻な人手不足といった課題が山積する。しかし、これまでも難局を乗り越えてきた県内企業はさらなる成長を目指している。モノづくりの地盤固めや新製品の投入など、果敢に攻める姿勢を示している。
新製品やサービスの投入相次ぐ
無人で車両レンタルサービス開始
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レンタル車両の24時間無人貸し出しサービスで設置した鍵管理機
レントはレンタカーや産業用レンタル車両の24時間無人貸し出しサービスを開始した。まずは7都府県にある14の営業拠点で展開し、今後、順次全営業所エリアに拡大していく。顧客の利便性向上とともに、同社の業務効率化につなげる。同サービス「Smart Rent」は、あらかじめ利用者登録をした上で予約申し込みを行うと、登録メールアドレスに2次元コード(QRコード)が送信される。各拠点に設置した機器に、受け取ったQRコードをかざし、レンタル車両の鍵を取り出して出庫する。
利用後の返却もQRコードをかざして同様の操作で行う。現在までに導入した営業拠点は静岡県3カ所、東京都1カ所、大阪府2カ所など。同サービスはスマートバリューが提供するモビリティーシェアリング基盤「Kuruma Base」を利用して実施する。
小型ラベルプリンター/2インチ幅以下に特化
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2インチ以下の小型ラベル用紙の印刷に特化した「mC-Label2」
スター精密は小型ラベルプリンター「mC―Labelシリーズ」の新製品として、2インチ(58ミリメートル)幅以下の小型ラベル用紙の印刷に特化した「mC―Label2=写真」を9月以降、国内外で順次発売する。ムダのない小型設計の採用などにより、省スペースでの設置やラベル用紙のランニングコスト削減に寄与する。業界初の前面用紙排出・前開き用紙交換構造とし、棚下などに設置した状態での運用が可能。外形寸法は幅98ミリ×奥行き185ミリ×高さ145・5ミリメートル。従来の飲食店向けでの利用に加え、小売店での値札ラベルや商品ラベルの印刷など幅広い用途を見込む。
同シリーズは飲食店、小売店を主なユーザーに想定。今後のラベル印刷へのニーズの高まりや、利用シーンの多様化に対応するためラインアップを強化する。
天井照明をポータブル電源に接続/災害や停電時向け
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天井照明に電源を供給するシステム「ノクロ」
AEF(磐田市)は、停電時に商用電源からポータブル電源に電力供給を自動で切り替え、天井照明を点灯する「停電時天井照明システム『ノクロ』」を開発、発売した。普及しつつあるポータブル電源を用いた災害発生時の備えの新たな選択肢に提案する。直販のほか電気工事業者や工務店などへの卸売りも予定する。ノクロは4メートル弱のプラグケーブルを引き出し、ポータブル電源に接続して使用する。1500ワット時のポータブル電源で、15ワット相当の発光ダイオード(LED)照明5灯を約20時間点灯できる。ノクロ用の配線を天井照明用の回路に組み込み、自動で制御する。接続したポータブル電源を起動すれば自動で専用の回路に切り替わり、天井照明に電源を供給する。集合住宅への設置も可能。
起動した状態のポータブル電源を事前に接続し、停電発生時は即座に天井照明をともすという運用もできる。災害時にまずは明かりを確保することで次の行動を取りやすくなる。長尺のケーブルを用いるため、高所での作業も必要ない。
新プレス機・シミュレーションソフト導入
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導入したC型油圧プレス機
N-proto(磐田市)は、老朽化していた油圧プレス機を1台更新し、併せてプレス成形シミュレーションソフトウエアを導入した。同社は主に輸送機器や産業機械部品のプレス加工の量産を見据えた試作を手がける。新設備とソフトによりプレスや深絞りの試作品を高付加価値化・短納期化できる体制を構築する。
導入したのは大阪ジャッキ製作所(大阪市東住吉区)製のC型油圧プレス機(写真)で、加圧能力は150トン。金型で下から加工対象物(ワーク)を押し上げる圧力を保持する油圧の「ダイクッション(DC)」を搭載する。DCの最大圧力は50トンで、最大移動量(ストローク)は従来保有機比で50ミリメートル伸びた150ミリメートル。ワークを深く絞れるようになり、より難易度の高い試作品を受注できる。ソフトは先端力学シミュレーション研究所(東京都文京区)製の「ASU/P-form」で、テスト加工の回数を削減することができた。
