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ねじと関連機器
ねじは自動車や建設物など日常のあらゆるモノに組み込まれており、産業社会に欠かせない機械要素部品だ。それだけに、ねじの存在が社会基盤そのものを支えていると言えるだろう。一方で、人手不足は業界問わず喫緊の課題となっており、物流や製造の現場では省力化・自動化への対応が急務だ。こうした背景の中、ねじ関連企業は作業負担の軽減や効率化に向けた取り組みを進めている。
締め工程でも作業効率向上
製造現場では人手不足が深刻化しており、工程の効率化や省力化、自動化への対応が急がれる。こうした中、ねじ締め工程でも作業効率の向上が求められている。
2025年12月3日から6日までの4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「2025国際ロボット展」が開かれた。同展は隔年開催する世界最大規模のロボット見本市で、出展者数は過去最多となる673社・団体(前回654社・団体)となった。
会場では製造業、物流、介護・福祉などの各分野で活躍する最新ロボットが集結。AI(人工知能)搭載型やヒューマノイド(ヒト型)に加え、無人搬送車(AGV)、自律移動ロボット(AMR)などが多数展示された。
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協働ロボットを活用したねじ締め作業を実演(瓜生製作のブース=2025国際ロボット展)
さらに、協働ロボットを活用したねじ締めの自動化のデモンストレーションも実施された。あるメーカーではオイルパルスレンチと協働ロボットと組み合わせたねじ締め作業の自動化を実演した。オイルパルスレンチは、油圧によりインパクト機構と比べて衝撃を抑えられるのが強みで、同社従来のパルスレンチと比較して20分の1に衝撃を抑えた。
ねじ締め作業は反力がかかり、協働ロボットが法停止することがある。こうした一時停止を防ぎ、生産性向上につなげられる。作業者が手動で行う場合でも衝撃が少ない分、負担軽減にもなる。
自動化安全性能も重視
また同社担当者によると「適切なトルクを出すのは当たり前。今はそれに加えて安全性能が問われている」という。このため、適切にねじ締めできていない場合は、発光ダイオード(LED)ライトが光り、音と合わせて知らせるといった機構も設けている。
人手不足の中で、若手作業者の早期戦略化も重要となる。このため、安全性能も強く求められているようだ。
また別のメーカーではねじの呼び径サイズと用途に応じて4種類の電動ドライバーを披露。それぞれのドライバーを使い分けることで、電子部品の締結向けの小ねじから、自動車部品など大きいサイズのねじにも対応する。またドライバーは電流制御のため、数値を入力するだけで複数のトルクに対応できる。
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電子部品向け小ねじ用のパーツフィーダ(SAWAのブース=2025国際ロボット展)
ドライバーだけでなく、周辺機器もねじ締め作業の効率化に貢献している。パーツフィーダー(部品供給装置)を出品しているメーカーの担当者は「(ねじ締めの作業スペースを)とにかく省スペースにしてほしいといったニーズがある」と話す。このニーズに応え、同社はねじの呼び径が5ミリ—6ミリメートルサイズのねじの搬送に特化して設計することで、高さをA4サイズに収めたパーツフィーダーを開発した。
また基板締結などの電子部品向けの小ねじはスプリングワッシャー付きのものが多く、そのまま供給してしまうと、ワッシャーの影響でねじに傾きが発生し、電動ドライバーでねじをつかむのが難しくなることがあるという。このため、同社はねじの呼び径が2ミリ—4ミリメートルサイズのねじを対象としたフィーダーにはステンレス製のU字型のブロックを使用した傾き矯正機構を設けている。
協働ロボットを活用したねじ締め作業では、ねじの傾きが真っすぐでないとロボットがドライバーでねじをつかむことが難しく、ねじ締めを自動化する上で課題となっていた。供給されるねじの傾きを補正することで、スムーズなねじ締め作業をサポートする。
ねじ締め作業の品質向上と効率化に向け、メーカー各社の製品・技術力が発揮される。
ねじでジオラマ 万博会場を表現/400種類 1600本で構成
ねじを使った大阪・関西万博の会場のジオラマ(写真)が注目を集めている。2025年末に中之島図書館(大阪市北区)で披露され、来場者を魅了した。1メートル四方のジオラマで、約400種類、約1600本のねじで構成。ねじ商社のサンコーインダストリーが製作した。
見どころは1本のねじで表現された大屋根リングにかかるエスカレーター。これまで万博のEXPOメッセ「WASSE」で開催された日本国際芸術祭や東大阪市役所でも展示された。
同社の奥山淑英社長は「ねじってこんなに美しいということを知ってほしい」と話した。今後も披露する場を設ける予定だ。
