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ねじと関連機器
ねじは自動車や建設物など日常のあらゆるモノに組み込まれており、産業社会に欠かせない機械要素部品だ。それだけに、ねじの存在が社会基盤そのものを支えていると言えるだろう。一方で、人手不足は業界問わず喫緊の課題となっており、物流や製造の現場では省力化・自動化への対応が急務だ。こうした背景の中、ねじ関連企業は作業負担の軽減や効率化に向けた取り組みを進めている。
ねじ商社 物流現場を効率化
幅広い業界で使われるねじは用途によって多種多様にあり、数多く市場に流通されている。それだけに、安定した供給体制の確立が重要だ。これに加えて、物流業界の人手不足により、物流の効率化も求められている。ねじ商社の中には、安定供給だけでなく、物流での作業効率化やサービス面での付加価値向上を図っている。
自動化で作業負担軽減
サンコーインダストリーは2025年10月に移転・稼働した第1倉庫(大阪府東大阪市)に自動倉庫システムを導入し、荷待ち時間の短縮に取り組んでいる。導入した自動倉庫システムは高速で入出庫が可能な上、運送会社に合わせて商品を並び替えて受け渡しができる。これにより、従来は60分以上かかっていた荷待ち時間を30分以内に短縮できる見込みだ。
さらに、同倉庫では軸部全てをねじ切りした2メートルサイズの全ねじの入出庫の一部自動化を実現。同社の奥山淑英社長は「(全ねじは)我々の取り扱いの中で(注目を集める)ホットな製品」と話す。全ねじが多く使われる建築業界への販売力を強化していく方針だ。
同倉庫は大阪モノレールの延伸工事に伴い、旧第1倉庫を取り壊し移転したもの。在庫能力は旧倉庫の1・5倍以上となる約1万3000パレットが収容可能。敷地面積は同2倍となる約3860平方メートル。
25年4月の改正物流効率化法の施行で、荷主や一定の物流事業者は荷待ち時間の改善への努力義務が課されている。同社は新たな取り組みにより運送会社の負担軽減に貢献するとともに、サプライチェーン(部品供給網)全体の生産性向上を目指す。
システム高度化推進 サービスの付加価値向上
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独自システムでねじの出荷作業を効率化(八幡ねじ提供)
八幡ねじは自社開発の物流システム「ヤハタ・フレックスシステム」を改良し、商品が顧客の手元に届いた後の使いやすさを重視したサービスを一部の顧客を対象に進めている。顧客が現場でねじを使う順番に合わせて並び替えて梱包することが可能。すぐに使える形で商品を届けられるように、サービスの拡大を進めている。
また同システムは物流効率化にも寄与している。自動倉庫と連動しており、出荷指示に応じて商品の入ったコンテナがコンベヤーで自動倉庫から作業者のところに運ばれる仕組み。これにより、ピッキングなどの歩行作業を導入前より30%削減した。出荷頻度の低い商品の出荷作業には自律移動ロボット(AMR)を一部活用している。
このシステムを導入している同社の物流拠点であるテクノセンター(岐阜県各務原市)の担当者は「お客さんの工程の負担をいかに減らせるか、そこの付加価値を上げるため、改善努力を行っている」と語った。
同社はこれまでもデジタル化に注力し、ねじ1本からでも出荷可能なシステムなど物流体制の効率化を図ってきた。今後は、システムの高度化を進め、より顧客の要望に柔軟に対応できる体制づくりを強化していく。
時代の変化に応じて進化し続けるねじ商社の取り組みが、顧客満足度向上につながっている。
業界団体が講演/互礼会 産業発展へ活動に意欲
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日本ねじ工業協会の講演会
さらなるねじ産業の発展のため、業界団体の活動も重要だ。日本ねじ工業協会関西支部は2025年12月3日にスイスホテル南海大阪(大阪市中央区)で講演会と懇親会を開いた。講演会では日刊工業新聞社西日本支社の拝原泰介支社長が登壇し、「2026年の世界及び日本経済の展望」をテーマに講演。AI(人工知能)が機械を自律的に制御する「フィジカルAI」の重要性などを話した。
懇親会では同協会の佐藤義則会長(サトーラシ)が「協会の活動として会員企業のためになる情報を流していく」と述べ、今後の活動に意欲を見せた。
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大鋲協と関西ねじ協組の合同新春互礼会のあいさつで壇上に並ぶ 大山寛之大鋲協理事長(左端)と西川倫史関西ねじ協組理事長(右端)
一方で、大阪鋲螺卸商協同組合と関西ねじ協同組合は、1月13日にシティプラザ大阪(大阪市中央区)で「2026年合同新春互礼会」を開催した。
大阪鋲螺卸商協同組合の大山寛之理事長(オオヤマ)はあいさつで「午(うま)年は転換の年、流れが変わる年」と話し、景気への期待を述べた。さらに「商と工はお互いが支え合い、共存共栄を目指してやっていきたい」と今後の発展を祈念した。また関西ねじ協同組合の西川倫史理事長(日本鋲螺)は今年の干支の丙午(ひのえうま)に関わる迷信などについて触れつつ、「世の中の迷信に振り回されず、全速力でこの午年、頑張っていきたい」と語った。
このほか、メーカーの若手後継者対象の分科会「K—2」の代表幹事の辻本悠祐氏(金剛鋲螺)や、ねじ商社の若手事業者を対象とした「OS会」の代表幹事である石江智樹氏(ゴトウ)もあいさつした。
