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ねじと関連機器特集
製品の安全を支える
ねじはさまざまな製品に組み込まれ、多種多様な業界で活躍している。一般的に1台の自動車におよそ3000本、航空機に約300万本ものねじが使われているといわれ、ねじの品質が製品の安全を支えていると言ってもいいだろう。
ねじの用途先の市場環境を見ると、自動車業界では低調な動きを見せている。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した2024年の新車販売台数は、前年比7・5%減の442万1494台で2年ぶりに前年割れとなった。認証不正による減産が影響しているとみられる。
また24年の登録車の販売は前年比5・6%減の286万3626台、軽自動車は同10・7%減の155万7868台で、ともに2年ぶりの前年割れとなった。
24年12月単月は前年同月比9・1%減の32万9786台で2カ月連続のマイナスとなった。登録車は同9・3%減の21万746台で2カ月連続、軽自動車は同8・8%減の11万9040台で5カ月連続のマイナスとなった。
もう一つの主要な用途先である工作機械業界では底堅く推移している。日本工作機械工業会(日工会)が発表した24年11月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比3・0%増の1193億2700万円と、2カ月連続で増加した。
地域別の受注額は、中国が同33・0%増の293億1900万円と8カ月連続で増加。米国は大統領選挙後、見送られてきた一部案件が受注につながるなど、同0・3%増の235億7700万円と4カ月ぶりに増加。欧州はドイツやイタリアで不振が続き、11カ月連続で減少した。
国内は27カ月ぶりに増加したが、前年の同時期は受注の弱含みが継続していた。
会員目線重視 タイムリーな情報発信/日本ねじ工業協会会長 佐藤 義則 氏
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日本ねじ工業協会会長 佐藤 義則 氏
日本ねじ工業協会(東京都港区)は、業界と会員の発展を目的にした組織へと原点回帰しようとしている。近年は「親睦団体」としての色が強く、佐藤義則会長(サトーラシ社長)は「必ずしも会員のためになってなかった」と猛省する。会員視点を重視した活動に重きを置く。佐藤会長に協会の取り組みや、ねじ製造の魅力を聞いた。
◇ ◇ ◇
―ねじは社会のインフラです。モノづくりも魅力的で、ねじ産業の社会的な認知度がもっと高くても良さそうです。
「ねじづくりは限界を超えるような過酷な加工です。機械を買えば直ちに作れるものではありません。機械のコンディションや材料のバラつき、気温や湿度など複雑な条件がさまざまあり、マニュアル化するのが難しい世界です。だから参入障壁が高く新規にはじめる企業はほぼありません。製造業の大きな流れは脱属人性であり、これを同時に進めなくてはなりませんが、職人芸が工程の3-4割は必要だと思っています」
―協会の構造改革を進めています。
「2020年の協会設立60周年を機に取り組みはじめました。設立当時は1ドル=360円の時代。通産省(現経済産業省)と密に連絡を取り、主に対米輸出を狙って会が発足しました。共同購買やファイナンスの支援、まだ珍しかった輸入機械を互いに見せ合うなど、会員や業界発展のために活発に活動していました。ただ、近年は会の目的がはっきりせず、会員に役立つ活動ができていませんでした」
―21年に改革宣言とも呼べる「協会変革ビジョン」を出しました。
「会員に役立てなければ協会は存続できません。会員目線を重視し、ニーズに応えられる組織を目指す内容です。会員数は徐々にではありますが減少しています。世代交代や廃業などが主な原因ではありますが、会費を理由にする企業もあります。やはり魅力的な活動を提供し続け、参加していることの価値を感じてもらうのが重要だと思っています」
―コロナ禍をへて製造業の課題は変容しています。
「やはり少子高齢化時代の人材確保は会員共通の課題です。また、サステナビリティー(持続可能性)経営の重要度が高まっています。例えば、海外の炭素税に対応するために二酸化炭素の排出量を計算するにしても、経営資源の限られる小規模の事業者には難しいでしょう。個社で各国の環境規制を監視するのも容易ではありません。協会としてこうした情報を把握し、タイムリーに会員に展開していくのは使命だと思います」
―人材確保と同時に教育も重要な課題です。
「ねじ製造技能検定の国家資格化を目指してきました。ただ、国から認可を得るのが難しく、現在は協会認定として拡充していく方針です。ねじ製造に従事する作業者の技能向上を目的にしています。これとは別に、漢字能力検定のような一般向けの検定制度を検討しています。学生や商社など誰でも受けられる検定を目指します」
25年新春互例会開催/関西ねじ協組、固定概念・形式打破
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関西ねじ協同組合の新春互礼会
ねじ産業が集積する大阪では地域密着の業界団体として、関西ねじ協同組合(大阪市東成区、西川倫史理事長=日本鋲螺社長)がねじ業界の振興のためさまざまな取り組みを行っている。
同組合は9日、シティプラザ大阪(大阪市中央区)で「2025年新春互礼会」を開いた。
理事長の西川倫史氏はあいさつの中で「固定概念や形式を打ち破るヒントをくれるのは現場の社員」と話し、「会社の社員と会話する機会を増やして思考を柔らかくし、ますます会社の発展と末永い繁栄を続けてもらいたい」と述べ、ねじ業界各社のさらなる発展を祈念した。
また来賓を代表して近畿経済産業局産業部製造産業課長の濵﨑千弥喜氏、大阪府商工労働部中小企業支援室のものづくり支援課課長補佐である古田大氏があいさつを述べた。
同組合の若手後継者対象の分科会「K-2(関西ねじ2世会)」の代表幹事である岩田竜司氏(サカモト工業)の挨拶やほかの幹事メンバーの紹介も行われた。