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第6回佐賀県女子溶接技術競技会
佐賀県と佐賀県溶接協会(佐賀市、森孝一理事長)は10日、佐賀市の佐賀県庁内で「第6回佐賀県女子溶接技術競技会」(日刊工業新聞社など後援)の表彰式を開く。同競技会は2025年11月、佐賀県工業技術センター(佐賀市)で「被覆アーク溶接」と「炭酸ガスアーク溶接」の2部門が実施され、計16人が参加した。佐賀県内の企業や学校に所属する女性たちが切磋琢磨(せっさたくま)して溶接に向き合い、技術を高め合っている。
次代を担う溶接技能者 育成
学生・社会人 幅広く参加
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日頃磨いている溶接の腕を競う -
競技が始まると選手たちの目は真剣そのもの -
佐賀県や佐賀県溶接協会が一体となって競技会を遂行 -
競技終了後は全員が展示される各作品に見入る
佐賀県女子溶接技術競技会は20年度に始まり、今回で6回目を迎えた。佐賀県の井手宣拓産業労働部長は「歴史的に見ても現在においても、モノづくりは佐賀県の宝。その中で溶接は大切な基幹技術だ。溶接技術を磨く技術者の皆さんの活躍が佐賀県のモノづくりを盛り上げることにつながると確信している。当競技会も、年々レベルアップしている」とあいさつした。
佐賀県溶接協会の森孝一理事長(森鉄工社長)は「女性技術者によるこの大会は全国的にも注目されている。各選手による競技レベルが高まり、審査員泣かせの激戦だ。選手の技能向上が課題の難易度アップにもつながっている」と述べた。
その上で「日頃、鍛錬してきたことを出し切るため、大会に出場することは重要だが、所属先の枠を超えて選手同士のネットワーク構築にもいそしんでほしい。競技後、お互い寸評し合うことで技能向上につながる。その上で将来的には一般の大会にも挑戦してほしい」と期待を寄せる。
佐賀県溶接協会で技術指導に当たる佐藤桂顧問(日本溶接協会マイスター)は「大会に臨む選手の皆さんは、自分との戦いを乗り越えている。選手の手には、きっと鍛え上げた技術が宿っている。その宿った力を存分に発揮して、自分を信じて競技に取り組んでほしい」とエールを送る。
溶接技術向上を目指す佐賀県女子溶接技術競技会に出場する選手たち全員が、佐賀県のモノづくりを支える基盤となる存在だ。
メッセージ/佐賀のものづくりの未来へ
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佐賀県知事 山口 祥義(よしのり)氏
女子溶接として全国初の取り組みである「佐賀県女子溶接技術競技会」も、2025年度で6回目を迎えました。他の企業や学校の技術者と互いに「志」を高め合い、文字どおり火花を散らす舞台として定着し、職人や生徒の皆さんから挑戦への熱意が芽生えています。この大会をきっかけに、橋やビルといった重要な鋼構造物を溶接する際に必要となる溶接技能者評価試験を受験する女性が大幅に増加しました。
新たな佐賀のランドマークとなったSAGAアリーナなどSAGAサンライズパークの工事でも、溶接技術は欠かせないものとして構造を支えてくれています。ものづくりの現場において、職人の高い技術を生かすシーンはこれからも増えていくことでしょう。
佐賀県では25年、佐賀のものづくりの素晴らしさを若い世代に伝えるため、「ものスゴフェスタ」と「SAGA×Out of KidZania(アウトオブキッザニア)」を開催しました。バーチャル溶接の体験ブースでは、難しさに苦戦しながらも挑戦する楽しさを感じ、ワクワクに満ちた子どもたちの姿が見られました。
鉄道や道路などのインフラはもちろん、自動車や身近な住宅設備、生活家電まで、私たちの暮らしは「溶接」によって生み出されたモノであふれていて、まさに、社会になくてはならない技術です。
この競技会が、選手一人ひとりにとって、これまで培った溶接の技を誇りに思い、さらなる跳躍を目指すきっかけとなることを願っています。
佐賀のものづくりの未来を切り拓く皆さんを応援しています!
戸上電機製作所/開閉器 生産カイゼン加速
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開閉器の付属品は収納場所の棚が光る「ピッキングシステム」を採用
戸上電機製作所(佐賀市、戸上信一社長)は高圧開閉器や制御機器などを手がける。電力会社向けの配電機器や電気工事の施工管理などを含めて、インフラ全般を支えている。
主力の開閉器の生産工程では「カイゼン」を加速させている。開閉器に組み付ける各種部品は複数ロットでまとめていたが単一の配膳台車で管理できるようにした。作業者が台車の上から下へ順に作業することで個人差が出ず、部品在庫を管理しやすい利点がある。
デジタル化対応も推進する。開閉器へのねじ付けも締め付け強さをデータ管理した。出荷する開閉器の付属品となるアース線やグリースなどはQRコード識別により収納場所の棚が光る「ピッキングシステム」を採用。作業者は瞬時に必要な付属品の場所が分かる。
製造本部機器製作グループの高柳典弘マネージャーは「製品だけでなく、生産工程の工夫も自前でやるのが当社の強み。今後も独自のカイゼンに磨きをかけたい」と意気込む。
名村造船所/伊万里事業所、国内屈指の建造量
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名村造船所が手がける全長300メートル×幅50メートル級のばら積み貨物船
名村造船所(大阪市西区、名村建介社長)は、主力製造拠点として佐賀県伊万里市に伊万里事業所を構える。1911年の創業以来、700隻を超える船舶を世に送り出し、国際貿易を支える外航商船を中心に、開発・設計から建造、引き渡しまでを自社工場で一貫して担ってきた。
2000人超のグループ社員が集う伊万里事業所は国内屈指の造船所として高い技術力と建造量を誇る。全長300メートル級の超大型ばら積み貨物船や原油タンカー、液化石油ガス(LPG)運搬船、次世代燃料を用いた地球環境に優しい最新鋭の船などを建造。日本の造船業界を代表する存在として世界市場でのインパクトも大きい。
新入社員は約半年間の研修を通じて造船に必要な基礎知識や技能を体系的に習得し、配属後も社内外の技能研修や専門教育により継続的な能力向上につなげる。経済活動と環境保全を両立しながら、地域社会や国際社会に貢献する企業として歩み続けている。
