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10月14日 鉄道の日
10月14日は「鉄道の日」。鉄道は輸送力や定時制に優れた公共交通機関として、現代社会に不可欠な交通インフラだ。高い安全性と信頼性を確保しながら、利便性向上を図るため、車両、軌道、管制、架線・電力設備、予約・発券など多くの要素を統合した巨大システム技術として進化を続けている。運行に伴う二酸化炭素(CO²)排出量が少ないなどの優れた特徴を持つことから、今もなお大きな期待が寄せられている。
鉄道車両・システム技術
鉄道大賞 特急「やくも」地域活性化に貢献
「鉄道の日」は1872年10月14日、新橋-横浜間に日本初の鉄道が開通したことにちなみ、1994年に定められた。国民の鉄道に対する理解と関心を深めることを目的に、鉄道事業者や関係団体、国などが毎年全国各地で多彩な行事を実施している。
国土交通省は鉄道に関する施設設備・サービス・映画・アートなどから優れた取り組みを表彰する「日本鉄道賞」を発表した。23回目となった今回はJR西日本による「特急『やくも』-沿線の文化・風景・自然とお客様、鉄道が交感する列車」が日本鉄道大賞に選ばれた。
山陽エリアと山陰エリアを結ぶ旗艦列車という位置付けの特急「やくも」は、地域と地域、文化と文化をつなげる役割を担っている。車両外観は「やくもブロンズ」というオリジナルカラーにより、駅やホームでも旅を楽しむ工夫が凝らされている。また技術面からも、衝突対策、異常挙動検知システムの導入や車上型制御付き自然振り子方式による曲線通過時の快適性向上など革新的な技術を多く取り入れるほか、さまざまなバリアフリー対策を取り、地域活性化に貢献する多くの取り組みが認められ受賞につながった。
また、日本の四季折々の鉄道のある風景を題材にした写真を募集・表彰する「鉄道のある風景写真コンテスト」や、鉄道愛好者・鉄道利用者などから俳句や写真を募集し、優秀作品を選考する「交通総合文化展」などが開催される。
東京駅 開業110周年
東京駅は今年12月20日に開業110周年を迎える。東京駅は1908年に建設工事を開始し、6年後の14年12月に開業した。当初は3階建て鉄骨れんが造り、全長約335メートルの駅舎で、正面に皇室専用玄関を設け、南側のドームが乗車口、北側のドームが降車口とされ、駅前には広大な広場が作られた。外壁に使用された仕上げ用の赤れんがは、90万個を超えたという。
45年5月25日に受けた空襲で、駅舎の象徴だったドーム屋根や外壁などが焼失。損壊した3階部分を撤去し、焼け残った2階建てのまま、丸屋根を八角屋根に変更するなど応急的な復旧工事が行われた。
以後、その姿のまま60年以上使用されてきたが、2003年に駅舎が重要文化財に指定されたことで、07年から失われた3階部分などを創建当初の姿に復元する工事が始められ12年に完成した。地下では大規模な免震化が図られ、昔の姿を復活させながら、より強固な駅舎として生まれ変わった。
今年7月に発行された新1万円札の裏面は東京駅丸の内駅舎の外観が描かれている。
神戸-大阪 開業150周年
神戸駅が開業して150年となった。海側(浜側)の5番線には、東海道本線の終点・山陽本線の起点を示す「ゼロキロポスト」が設置されている。
1874年5月11日に、神戸-大阪駅間で日本で2番目の鉄道が開業。神戸-大阪駅間では、日本初の鉄道トンネルが建設された。神戸市東灘区と灘区を境に流れる石屋川は、川底が周辺の土地より高くなった天井川だ。当時の蒸気機関車では馬力不足のため橋を架けるのではなく、トンネルによる線路を敷くことを選んだ。
英国人技師の設計・監督のもと、1870年10月に着工。川の流れを木製の仮水路で変え、川底を掘り下げ、れんがを積み重ねてトンネルを造る。同時に川を元に戻す工法を採用。長さは61メートル、高さ約4メートル、幅4・3メートルのトンネルは71年7月に完成した。現在はトンネルではなく、川の上を列車が走る。
JR西日本は神戸-大阪鉄道開業を記念して、4月に「150周年プロジェクト」を始動。「あしたに、つなぐ」をキャッチコピーに定め、記念式典やイベント、出発式などが行われた。