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粉体技術
粉体技術は、産業の根幹を支える重要な分野だ。粉砕、分級・ふるい分け、計量・計測、造粒・粒子設計など、さまざまな単位プロセスを包含し、その応用範囲は食品や医薬品といった生活必需品のほか、省エネルギー、脱炭素社会の実現に向けた先端産業にまで及ぶ。近年は技術革新が加速し、粒子の微細化などに関する研究が進展するとともに、装置やシステムの高度化も著しい。デジタル変革(DX)やAI(人工知能)の導入でプロセスの効率化や品質管理の精度が格段に向上している。自動化・ロボット化と相まって、産業界全体の発展をけん引する重要な要素となっている。粉体技術の進化が産業の付加価値向上を支える。
FOOMA JAPANに見た粉体の技術ニーズ
出展 過去最多1056社
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自動化・省人化などに寄与する装置が注目の的(FOOMA会場) -
台風が通過し、会場ににぎわいが戻った(FOOMA会場=4日)
6月2―5日の4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで世界最大規模の食品製造総合展「FOOMA JAPAN2026」が開かれた。出展社数は過去最多の1056社。台風6号の影響で会期初日、2日目の来場者数は伸び悩んだが、延べ7万5000人以上が来場した。
今回も注目を集めたのは人手不足対策だ。出展企業は省人化、省力化に寄与するハード・ソフトウエアを強くアピールした。さらに現場のクリーン化、異物混入対策、安全対策など、各社、ユーザーの課題解決につながる自社技術の提案に力を入れた。
同展示会には、広く産業を支える粉体機器メーカーも多数、出展している。食品業界から寄せられるニーズ、また広く求められている技術トレンドを会場で聞いた。
省力・省人化ニーズ高く
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空気を送り、粉体の排出をスムーズにするエアレーションホッパー
「食品分野だとより大きな粒の測定にニーズがある」と話すのは、粉体の粒子径や表面積などを測定する機器、ソフトウエアを手がけるマウンテック(東京都新宿区)。メーンの化学分野では微細化する粉体の高精度測定ニーズが高まっているが、食品では果実の種などを測りたいという声が多く聞かれたという。
測定対象をスケールとともに撮影した顕微鏡画像を解析し、数値化できるソフトウエアや、安全対策や省人化の視点から表面積の全自動測定装置が、来場者の関心を集めていた。
東洋ハイテック(大阪市北区)のブースではピンチバルブ式の計量充填装置が注目を集めていた。食品業界のトレンドとして清掃のしやすさや既存設備への導入のしやすさが、来場者を捉えた。粒子の微細化、省人化、自動化は変わらないトレンドだが、昨今は、プラント建築コストをいかに抑えられるかが重要になってきている。プラント建設に携わる職人不足も相まって、装置を組み合わせた「ユニット製品にユーザーの視線が向いてきている」と話した。
ステンレス容器製造がメーンのMONOVATE(東京都中央区)ではユニークなショート動画が来場者を引きつけた。2層構造のエアレーションホッパーは外側から送った空気が、内層の微細な穴を通って粉体を浮かせる。これにより排出口付近で粒子がアーチ状に絡んで固まり、排出が止まる「ブリッジ」や、排出口上部の中心部だけが流動し、周の粉体が固着して動かなくなる「ラットホール」の発生を防いでスムーズな排出を実現する。粉体搬送の効率化につながるのではと、デモ機で動きを確かめる来場者も多かった。
ふるい機や混合機などを手がける徳寿工作所(神奈川県平塚市)は「アレルギー対策から食品分野は洗浄性に厳しい」と話す。今回のFOOMAではナイロン製の目詰まりしにくい網を採用したふるい機のほか、抹茶のようにふるいにくい粉を扱う細かい網目の領域に対するニーズが多く、超音波振動を採用した機種も関心を集めた。
モノづくりに好奇心を
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槇野産業の槇野利光会長
「食品分野では粒度、風味、食感などが求められる」と解説するのは、破砕機や粉砕機をメーンに手がける槇野産業(東京都葛飾区)の槇野利光会長。「熱で風味が変わるし、異物混入はもってのほか。テストを重ねて選んでもらわなければならない」という。
産業分野も含め、装置メーカーとして取り組むのは微粒子サイズの均一化だ。大きさがそろえばハンドリングが楽になる。流動性が高まり、次の加工も容易になる。粒度分布のグラフがシャープな形を描くように装置をコントロールする。
FOOMA出展の常連で食品分野にも多くの顧客を持つ同社だが、「BtoCにかかる分野は機械のはやり廃りがある。求められる機械が変わりやすい。FOOMAは素材関係に軸足を置く粉体機器メーカーには難しい展示会だ」と槇野会長は分析する。
一方、「少子化が進むと機械が売れなくなる。機械に対するコスト意識が高まり、より付加価値の高い機械、洗浄性が高く高効率な機械が求められるようになる」と槇野会長は指摘する。こうした中、「中国は大量生産で売ってくるだろうし、人間が介在せずAI(人工知能)が装置選びをするようになるかもしれない。ただ、そんな製品を買っていいのか」と問いかける。
「わが社は提案型でやっていく。提案型ということは開発行為が伴う。モノづくりを面白がることができるかどうかが重要だ。このためにも好奇心を育む教育がかかせない。経験しなければ身につかないし、時間はかかるが、取り組んでいきたい」と力を込める。
