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粉体技術
粉体技術は粉砕やふるい分け、計量・計測、造粒、粒子設計など多くの単位プロセスで構成される。これらは日常生活から最先端産業までさまざまな場面で活用されており、その技術革新が、あらゆる産業の発展に貢献している。近年は、粒子の微少化に対する研究開発が活発化。関連装置やシステムが高度化する中、デジタル革新(DX)、AI(人工知能)活用も進む。自動化・ロボット化も積極的に進められており、粉体プロセスのこうした革新的な取り組みが、産業のすそ野をさらに広げている。
最新技術、大阪に集う
ユーザーの課題解決へ
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角井寿雄会長は開会式で「オンラインが始まり、(POWTEXも)進化して戻ってきた」と力を込めた -
2025年大阪・関西万博の「大屋根リング」を意識したという形のブースもあった
日本粉体工業技術協会(京都市下京区、角井寿雄会長)は2025年10月15日から3日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)でPOWTEX2025(国際粉体工業展大阪)を開いた。工程の自動化や省人化、安全性の向上など、ユーザーの課題を解決するさまざまな最新技術が一堂に会した。3日間の来場者は合計8429人。10月1日—11月14日まで開いたオンライン展には3706人が訪れ、それぞれ盛況のうちに幕を閉じた。
国際粉体工業展は東京と大阪を毎年交互に開催している。大阪での開催は東京開催も併せて通算45回目。2023年の大阪開催からPOWTEXに名称変更しており、大阪でのPOWTEXとしては2回目となる。
今回のテーマは「未来をつくるPX(パウダーテクノロジー・トランスフォーメーション)」を前回の大阪から引き継ぎ、「粉体技術で描く未来社会のデザイン」をサブテーマに掲げた。2025年大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」を意識したもので、万博さながらに最新の粉体技術がもたらす「未来」をセミナーなどで紹介した。
今回の出展者は203社・団体で、小間数は638。2023年の大阪開催時から出展者数で17%増、小間数で24%増と大きく規模が拡大した。前回の大阪開催はリアル展に7757人が来場。オンライン展は3392人を集めた。いまだコロナ禍前には及ばないものの、オンライン展の来場者も合わせれば、ピーク時近くまで盛り返してきた。
今回は出展規模もコロナ禍前の19年に迫る勢いで、さらに23年と比べて新規出展企業も増えた。
POWTEX出展各社が見せ方工夫/「イチオシ!」ステッカーでPR 来場者にわかりやすく
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PXステーションでは主催者、出展者、来場者が一体感を感じられる企画を展開
今回のPOWTEXでは出展各社がブース内で注目してほしい製品・技術に「イチオシ!」ステッカーを貼り、来場者にわかりやすくアピールする取り組みを展開した。
会場内の情報発進拠点「PXステーション」でも、併催企画として出展企業が各社5分間の持ち時間で製品・技術を紹介する「イチオシ!プレゼンテーション」を実施。例年、POWTEX(粉体工業展)に来るのが初めてという来場者が一定数を占めることから、初心者に優しい見せ方を工夫した。
また会期中、PXステーションでは電池や食品・医薬品・化粧品、電子材料などの製造現場に向けた粉体機器・技術を、出展企業の担当者が司会者との軽妙な掛け合いの中で紹介する「注目業界PX」も開催した。
電池製造では極材の原料が多品種化する中、異物混入を防ぎ、電池性能の根底を支える粉体ハンドリング技術や、蓄電量や充電の短時間化に寄与するグラファイトの球形化などで用いられる微粒子設計技術などが紹介された。
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PXフォーラムはより専門的に掘り下げる。空席が少なく、熱心な聴講者ばかりだった
食品・医薬品・化粧品分野では高薬理活性物質向けに粉体装置と封じ込め技術を融合して高い操作性と省スペースも実現した封じ込め粉砕機や、紙袋の運搬・開袋にかかる作業従事者の身体的な負担を軽減する自動開袋機が紹介された。
企業研究者らが専門的な内容で技術のトレンドを紹介する「PXフォーラム」は、医薬品、化粧品、ペロブスカイト太陽電池などの次世代エネルギーをテーマにした。医薬品ではアイスフォグ技術や噴霧乾燥による薬物含有微粒子設計などが紹介され、聴講者はメモをとりながら熱心に聞き入っていた。
学生も興味津々 10班に分かれ会場見学
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学生ツアーで技術説明に熱心に聞き入る学生ら
今回のPOWTEXも併催行事として粉体工学会所属の学生を対象にした学生ツアーを実施した。今回は学生に加え、入社1年目の企業人も参加できるようにし、人的交流の促進も重視した。
学生ら48人は「粉の魅力を引き出す粉体技術」をテーマにした講演のあと、10班に分かれて会場を見学。企業ブースでは担当者の技術紹介に質問をぶつける活発な姿も見られ、それぞれに真剣な様子がうかがえた。
