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愛知県西三河地区産業界
西三河地区は、安城市、岡崎市、刈谷市、高浜市、知立市、豊田市、西尾市、碧南市、みよし市、幸田町の9市1町からなる愛知県の中央に位置する製造業の一大集積地。自動車産業を中心に幅広い分野の企業が集まり、優れた技術で世界のモノづくりをけん引し続けている。大企業だけでなく独自技術を持った中小企業らが新たな挑戦を続けることで、製造業を発展させてきた。中東情勢などで苦境に立たされる企業も多い中、同地区の企業らは日々取り組みを続けている。
設備投資活発化
県内中心に工場、倉庫などにノウハウ
企業の事業拡大に伴って、欠かせない存在となるのが工場や倉庫など設備の建設にノウハウを持ったプロフェッショナルの存在だ。
丸ヨ建設工業(岡崎市)は、創業100年を超える総合建設会社。愛知県を中心に、工場や倉庫、医療施設、公共施設などBツーB(企業間)向け施設を手がける。顧客のニーズに合わせ、木造から鉄骨造、鉄筋コンクリート造などさまざまな構造に対応可能だ。愛知県内であれば、用途に合わせた建設用地の紹介も実施している。また建物の完成後も引き渡しから3カ月、6カ月、1年のタイミングに無料で定期点検するなどアフターサービスも充実する。
工場・事務所などの大型施設から街の医療施設まで、同社は広いノウハウを活用し顧客の要望に応えていく。
電子部品実装機/組み立て向け、竣工
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4月に竣工した東海機械製作所の新工場
東海機械製作所(岡崎市)は4月、岡崎市市場町で建設を進めていた電子部品実装機のベース組立工場を竣工した。早ければ7月にフル稼働する。25年から電子部品実装機のベース受注が回復しており、本社工場の生産スペースが手狭になっていることから組み立て工程を新工場に集約する。
新工場「HINODE BASE(日の出ベース)」は延べ床面積1000平方メートル。竣工とともに生産を始める。中国やタイで溶接したベース部品を本社工場で検査、機械加工した後、新工場に搬入して組み立て、仕上げる。
夏には場内請負の協力会社も含め30人以上が日当たり20台以上を生産する予定。現在、月400台以上の供給体制は新工場の稼働によって同600台まで高まる。投資額は約6億5000万円。
新工場は本社工場から東に2キロメートルほどに立地する。組み立てに特化して全社で生産効率を高める考え。
EV公用車を市民とシェア
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岡崎市のキャラクターをあしらったEV公用車
西三河地区では企業だけでなく行政も先進の取り組みに積極的で、特にモビリティーの活用が進む。4月に岡崎市がEVを活用したカーシェア事業「Okazaki Public EV Share」を始めた。EV化した公用車を平日の業務終了後や休日に、市民や観光客が買い物や観光などで利用できる。NTTビジネスソリューションズ(大阪市都島区)のほか、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、住友三井オートサービス(SMAS、東京都新宿区)、REXEV(東京都千代田区)、三菱自動車が協業する。
同市の公用車68台を段階的にEVに切り替えるとともに、うち2台を市民・観光客が利用できる。今回運用するのは三菱自の軽EV「eKクロスEV」2台で、消費税込みの利用料金は15分220円から。利用状況を踏まえ、設置場所や運用台数の拡大を検討する。
刈谷の科学館に蓄電池など導入
刈谷市の科学館「夢と学びの科学体験館」は2月、太陽光発電設備と蓄電池設備を導入した。アイネック(名古屋市中村区)と、みずほ東芝リース(東京都港区)が連携し、同施設に貸し出す。災害発生時の施設の事業継続性と避難所としてのレジリエンス(復元力)性能の向上に寄与する。
今回、導入した太陽光発電設備と蓄電池設備は、平時における温室効果ガス(GHG)排出の抑制に寄与する。さらに災害時や停電時でも照明やテレビ、携帯電話の充電など避難所として必要最低限の電力供給を可能とする。
環境省の補助事業「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入事業」を活用した。同事業は再生可能エネルギー設備や蓄電池などを公共施設に導入することで、災害・停電時のエネルギー供給を確保しつつ、地域の脱炭素化とレジリエンス強化を同時に実現することを目的とする。これにより、今回、導入コストの抑制とコストの平準化を実現している。
地域の生態系守る
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オオキンケイギクの駆除活動をみよし市内で実施
同地区では、地域の自然環境を保護する取り組みも企業によって盛んに行われている。
三五(みよし市)は、特定外来生物であるオオキンケイギクの駆除活動をみよし市内で実施した。5月23日はトヨタ自動車の明知工場周辺の茶屋川沿いで行い、三五をはじめトヨタ、FTS(豊田市)の社員、みよし市職員など約200人が参加。約2190キログラムを駆除した。
参加者は手やスコップでオオキンケイギクを抜き取った。土の中に根が残っていると再生してしまうため、花や葉だけでなく根ごと駆除することを意識した。
黄色い花をつける北米原産のオオキンケイギクは繁殖力が非常に強く、地域の生態系に重大な影響を及ぼす。三五は社会貢献活動の一環として2016年からオオキンケイギクの駆除を実施しており、今後も継続する予定。
明日のビジネスを支える
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技術を伝える動画マニュアルの一部
動画で魅力を発信/熟練工の技、後世に残す
安城ビジネスコンシュルジュ(ABC、安城市)は市の設置する経営窓口。中小企業や個人事業主らが事業拡大のアイデアを求めて相談に訪れる。製造業やウェブ制作、産学連携など多分野にわたる専門の相談員が在籍するのが特徴だ。
モノづくり企業向けの動画制作を手がけるAELab(エーイーラボ、同市)の杉浦惇希氏は「次の一手を考えるのに、なくてはならない存在」と信頼を寄せる。同氏は2023年に独立し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で三河地域の職人による手仕事の発信を始めた。当初は動画の収益に加え、動画編集で生計を立てていたが事業に広がりを持たせたいとABCに相談した。そこで提案されたのが、西三河地区に集積する中小製造業にターゲットを絞った動画制作だった。
企業のPR動画制作から事業を開始し、採用向けのインタビュー入り動画にも事業を拡大した。愛知県内を中心に動画の企画から撮影、編集まで一貫で対応する。短い動画であれば7日程度で納入も可能だ。さらに昨年から動画を使ったマニュアルの制作も始めた。減少傾向にある熟練工の技術を後世に伝え、今後は外国語対応も進める。
このほか、ABCが主催するクリエイターの交流イベントでの仲間作りも進んでいる。今後は人脈と知見を生かし、動画制作だけでなく、SNSのプロデュースなど発信にも力を入れていく。杉浦氏は「動画を通じてABCの他の相談者の悩みを解決できるような事業に育てたい」と笑顔を見せた。
