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新潟県長岡市特集2025
新潟県長岡市は中越地域に位置する県内2位の人口を有する都市。毎年8月2~3日に開催される日本三大花火大会「長岡花火」には多くの地元製造業が協費し、打ち上げ前に社名を読み上げられているなど、地域に対する企業の想いは熱い。市内には4つの大学と1つの高専が立地し、産学連携の動きも活発だ。2025年に市内でおきた、モノづくり産業にまつわる動向をまとめた。
長岡版イノベーションを推進
新潟県長岡市長 磯田 達伸 氏/産学官金が一丸となって、新産業の創出へ
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新潟県長岡市長 磯田 達伸 氏
昨今の産業界は、人材確保やAI・DXによる生産性向上、GXへの対応など多くの課題を抱えています。長岡市はこれをさらなる産業活性化に向けた好機と捉え、ものづくり企業の技術力と市内4大学1高専の知識と人材を活かす「長岡版イノベーション」を推進しています。
長岡の新産業への機運の高まりは大手企業から注目されています。69の企業・機関が参画する長岡バイオエコノミーコンソーシアムでは、住友化学株式会社と連携し農業や食品加工業が持つ未利用資源の成分情報を可視化して、活用を志向する企業とのマッチングを始めました。
4大学1高専の学生は起業意欲も高く、新規事業の立ち上げ方を学ぶ講座「リーンローンチパッドプログラム」は7回目となった今年、受講者数が過去最高となり、本講座からの起業も累計で11社となりました。
人材活用の面では、女性や高齢者、障害者、外国人など、多様な人材の雇用拡大の推進をはじめ、働きやすい職場環境と生産性向上のサポートを行う「ながおか働き方プラス応援プロジェクト」や、短期・単発の仕事のマッチング「ながおかマッチボックス」、リモートワークで首都圏企業などに勤める「NAGAOKA WORKER」など、ライフスタイルに合わせた働き方を提案しています。
いよいよ来年秋には、市の産業部局や商工会議所、金融機関などの産業支援機関が入居する、人材育成と産業振興の拠点米百俵プレイス東館が完成します。企業支援にとどまらず産学官金が一丸となった新事業の創出に向けて、長岡市は挑戦を続けます。
NPO法人長岡産業活性化協会NAZE 会長 大井 尚敏 氏(オオイ社長)/デジタル活用でモノづくりの人手不足克服
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NPO法人長岡産業活性化協会NAZE会長 大井 尚敏 氏(オオイ社長)
日本海側随一の工業都市といわれる新潟県の「長岡」。歴史のある鉄工・鋳物関連業の基盤的技術産業に加え、近年では電子・精密機械や液晶・半導体など高度な技術を有する多様な企業がバランスよく集まった「モノづくり」技術の集積地となっています。
NAZE(ナゼ)は、こうした製造業の集積を生かす形で2005年4月に発足しました。今では製造業をはじめ、市内4大学1高等専門学校(高専)、地元金融機関などからなる104の会員が有機的に結びつき、教育機関の研究成果を活用した産学連携事業や、さまざまな要素技術を持つ企業同士の結びつきによる新たな価値の創造にチャレンジしているところです。
近年の人口減少社会では製造業においても深刻な労働力不足が大きな問題となっています。こうした中、NAZEは市と共同で製造業のデジタル化やロボットの導入支援、外国人材の活用による人材不足対策に取り組んでいます。
デジタル化支援事業では、単なるデジタル化ではなく、企業の“お困りごと”を解決しながらデジタルツールをアジャイル開発(小規模開発を繰り返す方法)するとともに、デジタル技術を活用して改善活動を行える人材育成も行っています。
また、ロボット導入支援やロボットを活用する人材の育成を行い、モノづくり現場の省人力化を支援しています。
外国人材活用事業としては、モンゴル国内の三つの高専の支援校でもある長岡高専と連携し、モンゴル高専生から実際に市内企業で働いてもらうインターンシップを実施します。
昨年創立20周年を迎えたNAZEは、今後もこうした製造業のデジタル化支援やデジタルツールを活用した改善活動を行える人材の育成、外国人材を活用する事業を市の施策と一緒になって進め、深刻な人手不足を克服し、長岡モデルで新たな価値を創出してまいりたいと考えています。
NAZE20周年記念事業
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NAZE20周年 門田隆将氏講演会
2025年度に20周年を迎えた長岡産業活性化協会NAZE(ナゼ、大井尚敏会長=オオイ社長)は、今年度記念事業としてさまざまな事業を展開した。
同団体は、中越地域の製造業や大学、金融機関、情報系の企業で構成。行政や商工会議所などの支援機関が取組みを後押しする。現在の会員数は104社。
6月にはジャーナリストの門田隆将氏を迎えた20周年記念講演会を開催。「歴史の岐路に立つ日本」をテーマに、緊迫化する世界情勢に晒される日本国民がすべきことなどについて講演。参加した150人は門田氏の講演に聴き入った。
8月には、THE TWOの高野宙社長と、フリーランス撮影監督の大西健之氏を迎え、2日間にわたり動画製作ワークショップを開催。1日目は学生向けに映像ディレクションについて講義。日本とアメリカの映像教育の違いや、カメラや照明など実際の機材を使って現場の雰囲気を再現した。参加した学生はディレクターという仕事への理解を深めた。2日目は会員企業向けに企業映像製作の基本ワークショップを開催。スマートフォンなどを活用した基本的な撮影、編集スキルの習得や仕上げに差が出る演出のテクニックについて学んだ。
このほか、ゴルフコンペや20周年を記念する企業ガイドブックを作成。次の20年を見据えた企業支援に弾みをつけた。
