-
業種・地域から探す
続きの記事
11月25日は金型の日
11月25日は「金型の日」。日本金型工業会は金型工業の認識を深めるとともに、今後の金型業界の発展を目的として、工業会の創立記念日を「金型の日」と定め、例年記念式典を実施している。51回目となる今回の式典は、25日14時から東京都目黒区のホテル雅叙園東京で開催される。
世界生産14兆円
電動車 ギガキャストに照準
金型はプラスチック成形や金属プレス加工に用いられるマザーツールだ。金型を製作すれば同じ品質のものを安定して作れるため、製品の量産に欠かせない。
国際金型協会(ISTMA)の『Statistical Year Book 2023』によると、世界の金型生産高は世界35カ国・地域合わせて約14兆379億円。国・地域別に見ると日本は中国、米国に次いで3番目に生産高が高く、世界の金型生産高の約1割を生産している。
日本金型工業会の調べによると、2023年の需要業界別の生産金額構成比は、自動車用が63・0%(前年比7・8%減)で一番多く占める。精密機器用や医療用、通信機器用などの生産額の比率が前年と比べて増加した。自動車業界は電動化が進んでおり、エンジン周りの部品用の金型の生産は減る傾向にあるが、電気自動車(EV)などの車体構造部品を一体成形する「ギガキャスト」用の金型などは普及が見込まれている。
5年ぶり認定 金型マスター/シニアマスター
「金型の日」を制定した日本金型工業会は、金型に関するさまざまな事業を行うことで、金型業界の発展に貢献している。
同工業会は10月18日に第3期金型マスターとシニア金型マスターの認定式を行った。金型製作に優れた技能・技術を持つとともに、正しい知見と製造現場を統率できるリーダーシップを持つ人材を「金型マスター」として認定、さらに金型技術者として優れているだけでなく「金型産業の発展」というより広い視野・意識を持って活動する人材を「シニア金型マスター」として認定する。
金型マスターとシニア金型マスターの認定は19年以来5年ぶり。今回は金型マスター(3期生)が23人、シニア金型マスターが1人誕生し、認定式では同工業会の山中雅仁会長から認定者に、認定証書とメダルが授与された。
ごあいさつ/日本金型工業会 会長 山中 雅仁
今年の記録的な猛暑の影響なのか、全国各地で季節外れの花が開花する現象が見られ、日本の四季に異変が起きています。猛暑や豪雨といった異常気象が常態化することを前提に、社会や暮らし、企業活動を適応させる必要性をますます痛感しています。
また、政府より2020年代に最低賃金の全国平均を時給1500円に引き上げる目標が示されました。人への積極投資の実現には、生産性向上や高付加価値化、適正な取引環境の維持など、収益確保の施策を覚悟して取り組まねばなりません。
さて、今年も11月25日に「第51回金型の日記念式典」を開催します。「金型の日」は金型工業の認知度向上と今後のさらなる発展を期して制定されました。金型業界は厳しい環境下にあってもワクワクする魅力ある業種として、持続可能であると確信しております。
産業界の社会課題を解決するツールを提供できる存在として金型技術は必要不可欠であり、さらには、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータが作るイノベーションの潮流は金型産業の成長にとって追い風となるからです。
これらの技術革新は金型づくりを大きく変える可能性があることは言うまでもありません。顧客にベストソリューションを提供する重要なツールとしての金型づくりの活用は、生産性向上や新たな付加価値創造に加え、「高齢化・人口減」「カーボンニュートラル」などの社会課題への対応につながるものが多々あります。
これからも金型業界が変わらぬ社会的使命を果たし、魅力ある企業集団であり続けるには、業界の宝である従業員一人一人の力が不可欠です。式典ではこれまで業界の繁栄に尽力いただいた優良従業員を表彰します。功労に感謝するとともに、今後もさらなる高みを目指して研さんを重ねられることを祈念します。
金型業界の皆さまには業界発展のために、培われた経験、専門知識、スキルを惜しみなく伝承いただき、交流の輪を広げ、相互に切磋琢磨(せっさたくま)し、成長、チャレンジされることを期待します。