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宮崎県特集2025
未来につながる産業づくり
半導体産業を推進/みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム
宮崎県内の半導体関連企業など産学官で構成する「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」が発足から3年目を迎える。9月には、「セミコン台湾2025」に本県企業が初出展するなど、会員同士が連携しながら半導体産業の取引拡大、人材の育成・確保の取り組みを強化していく。宮崎県は、河野俊嗣知事も台湾でトップセールスを行うなど、県と台湾とのネットワーク強化にも精力的に動いている。ここでは県内の半導体産業界に関する最新動向を中心に紹介する。
地場企業・教育機関/次代担う人材育成 拡充
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宮崎県は今回初めて「セミコン台湾2025」にブース出展した -
みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアムが実施した出前講座
九州は今、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県への進出を契機として九州全体が「新生シリコンアイランド九州」の実現に向け躍動している。
宮崎県では79の企業・教育機関・行政機関による連携組織「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」を中心に取り組みを進めている。このうち、取引拡大面では、9月の「セミコン台湾2025」や、12月17日から東京・有明の東京ビッグサイトで始まる「セミコンジャパン2025」への企業の出展支援を行っている。
また、人材育成面では、半導体理解促進事業として、県立都城工業高校で8月から9月にかけて、全9コマの連続講座を行った。
12月1日には初の「中学生向け出前講座」を飯野中学校(宮崎県えびの市)と上江小中学校(同)で実施。半導体がどのように日常生活に結びついているのか、など面白さを分かりやすく伝えるもので、今後も同様の取り組みを続けていく。
台湾とのネットワーク強化
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河野知事が台湾でトップセールス。両地域の産業界にも良好な関係性が構築されようとしている
また、台湾とのネットワーク強化、販路開拓を図るため、6月に河野俊嗣知事が台湾でトップセールスを行った。宮崎県のトップが台湾を訪れたことで両地域の産業界にも良好な関係性が構築されることに寄与するとみられる。
こうした流れに呼応して、さらなる半導体関連産業の集積を目指し、県内の半導体関連企業などで構成する連携組織「TEAM MIYAZAKI(チーム宮崎)」が県内8市町を中心に発足し、11月25日には台湾・新竹市で「みやざきセミナー」を開いた。
宮崎県としては、「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けて、存在感を示せるよう、産学官連携による取り組みを今後ますます加速させていく考えだ。
【メッセージ】 宮崎県知事 河野 俊嗣 氏/イノベーションでさらなる産業発展に挑戦
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宮崎県知事 河野 俊嗣 氏
九州全体で半導体関連企業の投資が活発化する中、九州知事会および九州経済連合会からなる九州地域戦略会議では、昨年度、新生シリコンアイランド九州の実現に向けたグランドデザインをとりまとめました。これに基づき、半導体の生産と応用、およびトップ人材をはじめ半導体関連人材の輩出をリードし続ける「イノベーション・マルチハブ」を九州全体で形成することを目指し、九州圏域内の連携をさらに強めていくこととしております。
また、高市内閣のもと、新たに立ち上げられた「日本成長戦略本部」におきましても、重点投資の17分野としてAI・半導体分野が真っ先に挙げられており、半導体産業をけん引する九州の存在が、今後ますますクローズアップされるものと考えております。
このような中、本県の産学官の関係者により設立された「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」も今月で丸2年を迎えます。この間、会員数も設立時の50団体から79団体まで広がり、会員間の交流を深めてまいりました。
本県のコンソーシアムは、人材の育成・確保と会員企業の取引拡大の二つの取り組みに力を入れており、本年度は新たに、人材育成では工業高校での連続講座、取引拡大ではセミコン台湾や九州半導体産業展への企業との共同出展など、取り組み内容の改善・拡充を図っているところです。
さらには、今年4月に、宮崎大学ひなたキャンパス内に設置された「ひなたイノベーションハブ」や、本年度から新たに開始した「みやざき地域経済けん引企業等育成事業」の取り組みも、新たな研究開発の創出や、付加価値の高い企業を育成する取り組みとして、半導体関連を含めた本県産業のさらなる成長に寄与するものと考えております。
今後も、九州各県や九州経済産業局、九州半導体人材育成等コンソーシアムおよび経済団体とも一層の連携を図りながら、県内および圏域内での半導体関連産業の振興に取り組んでまいります。
【キーマンに聞く】 宮崎大学 副学長 淡野 公一 氏/教育の質向上でモノづくりの面白さ体感
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宮崎大学 副学長 淡野 公一 氏
「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」では、小・中学生など早い段階から半導体を身近に感じてもらうための活動を企業と連携して行い、県内半導体企業の人材確保につなげる取り組みや、県内企業の取引支援としてセミコン台湾への出展などに取り組んでいる。
このような中、TEAM MIYAZAKI(チーム宮崎)が11月25日に台湾を訪れ、宮崎市長らも企業誘致に乗り出した。
また、宮崎大学としては、文部科学省の「半導体人材育成拠点形成事業」を活用した取り組みを、九州内の工業系学部を有するすべての国立大学と連携して進めている。
一連の製造工程を実習で学べるよう学内に半導体の前工程の製造装置などを整備し、2027年度から大学院生のカリキュラムの中に取り入れるほか、連携する他の大学に導入した装置の相互利用も検討しており、教育の質を向上させ、モノづくりの面白さを実際に作ることで理解してもらう。
地域就職枠の入試で入学した工学部の学生を地元の企業へ就職させ、確かな技術を備えた人材を地域に残せるようにしていきたい。
