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大阪南部地域産業界
関西万博の大阪ウィーク
万博で存在感をアピール
2025年大阪・関西万博が開幕し3カ月が経過した。半年間の万博開催期間の折り返し地点にあたる。大阪府の堺市や岸和田市、泉佐野市などを擁する泉州地域、富田林市や河内長野市、羽曳野市などを擁する南河内地域を含む大阪南部地域の多くの自治体も参加する。万博への参加を通し、自治体や企業がそれぞれの強みをアピールし、自社の事業拡大や地域の活性化につなげる。
会場に向かう交通の要所
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堺旧港から万博会場に向かう小型船 -

万博会場へ向かう小型船の発着港やシャトルバス乗り場を有する堺市、海外との玄関口である関西国際空港など、大阪南部地域は万博会場への交通の要所となっている。地下鉄やバスなどの陸上交通に加え、船による海上交通など多くの交通手段が整備されている。
夢洲(大阪市此花区)にある万博会場に向かう人の多くは、大阪メトロ中央線の夢洲駅を利用し、ここから徒歩で東ゲートを目指す。このため連日、東ゲートが混雑しているが、西ゲートは比較的すいており、東西ゲートの格差が問題になっている。
この問題を解消する手段の一つが海上ルートの利用だ。南海電鉄の堺駅から徒歩5分の位置にある堺旧港(堺市堺区)は夢洲まで小型船で30分。そこから専用バスで西ゲートに向かえる。
堺旧港から夢洲までの運賃は、これまで消費税込みで大人料金3800円だったが、7月1日に価格が改定された。改定後は往路で2800円、復路1400円。こうした取り組みで万博会場への利便性が高まり、入場者数の押し上げ効果が見込まれる。堺商工会議所の葛村和正会頭(ダイネツ会長)は「ぜひ堺旧港から船で万博に行ってほしい」と呼びかける。万博閉幕後の堺旧港周辺の発展の可能性も模索する。
また夢洲の隣にある咲洲(大阪市住之江区)まで自転車で行き、1駅分だけ地下鉄で向かうというルートもある。永藤英機堺市長と横山英幸大阪市長は6月、万博会場に自転車で向かう走行会を実施。奈良県から大阪湾に注ぐ大和川に沿って整備された自転車道を活用し、堺市から咲洲までの10キロメートルの道のりを1時間ほどで走りきった。
永藤市長は「海の香りやにぎやかな街の雰囲気などを感じ取ることができ、気持ち良かった。自転車で万博に行けることをPRしていきたい」と笑顔を見せた。
横山市長は「健康も万博のテーマとなっている。自転車で万博に来てほしい」と呼びかけた。
堺市は3月に大阪府柏原市から大和川に沿って咲洲までの自転車道「大和川リバーサイドサイクルライン」を開通。27年3月にも、この道沿いに自転車にぎわい拠点の施設開設を予定する。こうした万博会場へのインフラ整備は万博会期中だけでなく、万博終了後の活用も期待される。
大阪南部の自治体も集結
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大阪ウィーク夏でも多くのイベントが開催される。(写真は大阪ウィーク春で開催された堺市のふとん太鼓)
5月に開かれた「大阪ウィーク春」に続き、7月24-8月3日に「大阪ウィーク夏」、9月4-17日に「大阪ウィーク秋」が開かれる。EXPOホールやギャラリー、ポップアップステージ、大阪ヘルスケアパビリオンなどの各会場で地域の特色を生かしたイベントが催される。
25-29日にはEXPOアリーナ「Matsuri」で「EXPO2025真夏の陣」が開催される。26日には櫓(やぐら)を囲んで盆踊りを実施し、最多人数と最多国籍数でギネス世界記録に挑戦する。
また大阪府内の43市町村が地域の魅力をアピールするイベントをEXPOメッセ「WASSE」で28-30日に開催。大阪南部の自治体・企業も出展する。複数のテーマに分類された各ゾーンでは多くのブランド製品を展示。各自治体は特定技能で作られた製品をブランド化し、認定する事業を多く実施している。
自治体のブースではブランド事業による多くの展示物が並べられる。「ものの始まりなんでも堺」と言われる堺市は、刃物や注染・和晒(わざらし)、線香などの伝統産業の魅力ある製品を「堺キッチン」としてブランド認定している。まただんじり祭りで有名な岸和田市は伝統に培われた匠(たくみ)の技術力などの基準をクリアした物産を「岸和田ブランド」として認定しており、こうしたブランド製品を展示する。
ほかにも和泉市は古くから作られている綿織物「和泉木綿」や、丸みを帯び温かみを感じる伝統工芸品「いずみガラス」を展示。泉佐野市は今治タオルと並んで有名な泉州タオル、富田林市は国の伝統工芸品に指定されている「大阪金剛簾(すだれ)」など各地の伝統的な製品を展示し、国内外にアピールする。
