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10月18日開幕 メカトロテックジャパン(MECT)2023(2023年9月)
10月18日から21日までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開かれる、工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2023」の開幕まで1カ月に迫った。今回のテーマは「FEEL IT!工作機械の迫力をさあ、会場で。」。過去最大規模となり、出展各社が最新技術やサービス、自慢の製品を披露する。主催はニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)、愛知県機械工具商業協同組合(同熱田区、水谷隆彦理事長)との共催。
工作機械の迫力を体感
MECTは、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)が開催されない奇数年に開かれる工作機械の展示会としては国内最大規模を誇る。1987年に工作機械を中心とする工場自動化(FA)の専門技術展としてスタートし、今回で19回目となる。
出展社数は過去最多の492社・団体。会場のポートメッセなごやが「新第1展示館」を新設して会場が拡大したのに伴い、開催規模は前回展の1795小間を上回る2013小間となる。前回展は会期4日間で6万8929人が来場した。今回は7万人以上の来場が期待される。
テーマは「FEEL IT!工作機械の迫力をさあ、会場で。」。5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に分類されて以降、展示会やイベント会場では人数制限が撤廃され、人流回復への期待が高まっている。主催者は「展示会場で多数の工作機械に、実際に接してもらいたい」と期待を寄せる。出展各社も来場者のニーズに対応できる独自の技術を生かした製品、サービスを多数用意している。
エンシュウは、スペースやエネルギー、コストを「Saving」することをテーマに開発した小型マシニングセンター(MC)「Saving Center(セービングセンタ)」シリーズを出展する。同シリーズで主軸15番の立型MC「SV130」は、主軸回転数が標準機と比べて2・5倍の毎分5万回転を実現。時計やメガネ、医療機器といった小物部品の加工向けに提案する。主軸30番の横形MC「SH350」は30番立型MCからの置き換えを検討しているユーザーの導入機としてアピールする。
カトウ工機(神奈川県平塚市)は「シンクロタッピングとバリ取り」をテーマに出展する。シンクロタップ専用ホルダーは「マイクロフロート(微少伸縮)」機能によりタップ寿命を向上させる。小径や加工対象物(ワーク)との干渉を回避できるタイプなどをアピールする。また、人手作業による表面仕上げを代替するMC用バリ取りホルダーも出展する。10ミリメートルの伸縮機構により、ワークに倣って表面を仕上げる。防塵機構により摺動部への切り粉侵入を防ぐ。
CKDのテーマは「環境に!人に!BESTな選択」。「エア」と「電動」の最適な使い分けによる利点を提案する。従来比4倍以上に長寿命化した高耐久エア機器「HPシリーズ」は修理による生産ロスを防ぎ、機械設備の安定稼働の実現を目指した。電動アクチュエーターの新ブランド「ROBODEX(ロボデックス)」は、テーブル、ロッド、スライダ、ロータリ、ハンドなど用途に合わせて選択が可能となっている。
ジェイテクトマシンシステム(大阪府八尾市)は「圧倒的スペース生産性」を掲げ、モーターシャフトの量産に特化した広幅円筒研削盤「C6040E」をPRする。同社が得意のセンターレス研削盤の両持ち式構造の砥石軸は、外周に溝があるモーターシャフトの加工には不向きだったが、親会社のジェイテクトの円筒研削盤の主軸台や心押台などを融合して克服。従来は円筒研削盤3台が必要な工程を1台で同時研削できる。
牧野フライス製作所の展示テーマは「お困り事を解決するきっかけ作り」で、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に貢献する5軸切削加工技術を提案する。5軸制御立型MC「DA300」を出展し、部品加工市場で求められる、スペースあたりの生産性向上・省人化対応・部品当たりのコスト低減をアピールする。
松浦機械製作所(福井市)は「マツウラと一緒にはじめましょう」をテーマに5軸制御立型マシニングセンター(MC)の新製品「MAM72―42VPC32」、「MX―420PC10」の2機種を披露する。製造現場の課題を顧客と一緒に解決するモノづくりトータルソリューションを提案する。直感的な操作性を実現した新オペレーティングシステム「Mios4・0」を実演し、同社製品をはじめて導入するユーザーでも安心・確実な無人運転が実践できるノウハウも紹介する。
-主催者企画展示やセミナーにも注目
主催者企画展示は、モノづくりに関わる旬の話題をテーマに取り上げる。今回は「驚きのスゴ技」をテーマに、第3展示館にコンセプトゾーンを設けた。セラミックス、プラスチック、金属の各分野で高い加工技術を持つ企業と機械メーカーが協力し、実演加工を披露する。
フルカワセラミックス(新潟県阿賀野市)と岡本工作機械製作所は、大型ファインセラミックス材料の研削加工を実演する。ファインセラミックスは電子部品や自動車、航空宇宙など幅ひろい産業で需要が高まっている。半面、加工の難しさが課題となっている。会場では直径800ミリメートルの超大型サイズの素材を研削加工する。
jpキュービック(愛知県豊川市)と碌々産業(東京都港区)は、欠けやすく、曇りやすいアクリルの加工技術を披露する。プラスチックの中でも加工難度が高いアクリルをブロック形状から削り出し、実物大の昆虫を製作する。会場では実演加工した加工対象物(ワーク)を触ることができるほか、数種類の昆虫も展示する。
アルファーテクノロジー(大阪府東大阪市)と安田工業は5軸制御マシニングセンター(MC)を駆使した高効率加工技術を披露する。5軸MCでしか加工できない複雑な形状のワークをオリジナル設計した。工夫を凝らした切削工具に加え、機内計測の最適化、粗加工時間の短縮を実現する新工法なども紹介する。
これら加工技術の実演を通して、技術ニーズに対応するためのヒントを提示する。
多彩なセミナーも魅力となっている。18日は「自動車」がテーマ。トヨタ自動車の宮部義久元町工場工場長、日産自動車の和田民世理事横浜工場工場長が講演する。19日のテーマは「航空機」。ボーイングジャパンの大沢裕史ボーイングリサーチアンドテクノロジージャパンシニアマネージャー兼ボーイングジャパンリサーチセンターセンター長、増田和裕航空・宇宙・防衛事業領域 技術開発センター副センター長が講演する。
20日のテーマは「自動化」。川崎重工の真田智典精密機械・ロボットカンパニーロボットディビジョン理事、ヤマハ発動機の江頭綾子執行役員ソリューション事業本部ロボティクス事業部長が講演する。いずれの聴講にも事前来場登録と申し込みが必要。聴講料は無料で、定員は各400人。