-
業種・地域から探す
続きの記事
国際物流総合展(2024年9月)
国際物流総合展2024(Logis-Tech Tokyo 2024)が10日から13日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイト東1-8ホールで開催される。主催は日本ロジスティクスシステム協会、日本能率協会など7団体。開場時間は10時から17時まで。入場登録料3000円(招待状・事前登録証持参者は無料)。
物流の最新情報一堂に
アジア最大級 580社・団体 3241小間
国際物流総合展は製造業、流通業、物流業などの関係者を対象に、社会インフラである物流・ロジスティクスの最新情報を展示・紹介するアジア最大級の総合展示会。1994年の第1回以降隔年で開催され、16回目を迎える今回は過去最大規模の580社・団体、3241小間が出展する。展示会は「持続可能な道、物流の明日を育む」をテーマに掲げ、庫内作業効率化、産業車両・運搬車両活用、保管・輸配送最適化、情報機器・ソフトウエア活用、物流拠点・施設開発、物流業務改善支援、包装システム活用などを通じて幅広い物流関連のサービスなどを紹介する。
2024年問題 物流DXで対応
経済や国民生活を支える物流は、担い手不足やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への対応などさまざまな課題が生じている。さらにトラックドライバーの働き方改革として、運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることにより物流の停滞が懸念される「物流の2024年問題」に直面。何も対策を講じなければ30年度には34%の輸送力が不足すると言われており、物流が停滞し社会全体に大きな影響を与える可能性がある。
このような社会問題に対応するため政府は23年3月に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を開催。同年6月には同会議において物流を支えるための環境整備に向けた抜本的な三つの対策を「政策パッケージ」として策定した。
①「商慣行の見直し」では、適正な取引を阻害する疑いのある荷主企業と元請事業者の監視を強化する「トラックGメン」を設置。また、トラック法に基づく荷主企業への「標準的な運賃」制度の拡充や徹底を図る。トラックGメンを補助するGメン調査員の設置や荷主情報のデータベース化など、トラックGメンの機能を強化し、今年11-12月に集中監視を実施する。
②「物流の効率化」では、自動運転、ドローン物流、自動配送ロボットや自動倉庫など物流の生産性を向上させるため物流のデジタル変革(DX)の活用を促進する。
物流事業者の営業所や倉庫において、バース予約システムや、フォークリフト、自動倉庫や無人荷役機器の導入といった自動化・機械化を進める。また標準仕様のパレットの利用拡大を図るため、事業者による導入や対応可能な物流拠点の改修を進める。
③「荷主・消費者の行動変容」では、急いで受け取る必要のない荷物について、消費者がゆとりを持った配送日時を指定したり宅配ボックスの設置や置き配の利用などを促進する。政府は今年10月から宅配便で「置き配」や「コンビニ受け取り」を選んだ消費者にポイントを還元する事業を始め、1配送あたり最大5円を補助する。この取り組みにより、現在は12%ほどの再配達率を6%に半減させることを目指す。また、電子商取引(EC)サイトなどにある「送料無料」という表示についても見直し、消費者の意識改革や行動変容を促す。
こうした中、会場では物流DXに対応した倉庫自動化ソリューション、自動搬送ロボット、クラウド在庫管理システムなど物流の課題解決に向けた技術やサービスが紹介される。
このほかサプライチェーン(供給網)上の在庫可視化、製造履歴・流通履歴のトレース、入・出荷時の検品作業効率化、荷積み荷降ろしや検品・待ち時間など輸配送以外のドライバーの負担軽減など、物流にまつわるさまざまな問題に対する解決策が提示される。
ロジスティクス未来フォーラム
国際物流総合展2024では同時開催フォーラムとして「ロジスティクス未来フォーラム」を実施する。このフォーラムはこれからの物流が歩むべき持続可能な道について、さまざまな観点から最新情報や取り組み事例を、東京ビッグサイト会議棟レセプションホールで発信。聴講対象を、荷主企業・物流企業などの会長・社長・執行役員クラス「マネジメント」、センター長・課長など物流現場担当者クラス「カイゼン」、ソリューション導入担当者向け「ケーススタディー」、サービス業を含めた全対象向け「トレンド」-四つの区分に分けた推薦プログラムを用意し、もっとも関心を持つ内容が容易に選択できる。定員400人で聴講は無料(事前登録制・先着順)。
13日14時半からコクヨロジテムと日本ロジスティクスシステム協会によるパネルディスカッション「物流事業の継続と革新のダイバーシティへ 業務×ひと×DX」が行われる。社会全体として多様性が注目される中、ロジスティクスや物流における女性活躍推進など、労働市場変化の観点から事例も交えて話し合う。
ほかにも多彩な最新情報・取り組み事例をフォーラム形式で発表する。詳細は国際物流総合展ホームページ(www.logis-tech-tokyo.gr.jp/ltt/)へ。