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神奈川県特集(2023年7月)
神奈川が再び躍動し始めた。新型コロナウイルスが感染症法上の位置づけで5類になり、行動制限がなくなる中で人とモノの動きが活発になり、県内景況感はコロナ前の水準まで回復。鎌倉をはじめとする県内の観光地、ビジネス街には国内外から訪れる人が増えている。以前の様相に戻るだけではない。感染症対策の中で発展したデジタル技術を駆使。コロナ禍前から続くさまざまな社会課題を克服し、進化の一歩を踏み出そうとしている。
人・モノ活況戻る街―地域連携・最新技術で課題解決
感染症の影響で中止が続いていたさまざまなイベントが再開。オフィス、文化施設、商業施設などの機能が集積した「みなとみらい21地区」などにはビジネス客や外国人旅行客の姿も増え、街は活気を取り戻している。
神奈川産業振興センターが四半期ごとに実施している「中小企業景気動向調査」によると、23年4―6月期の業況DIは前期比9・6ポイント上昇。日銀など他機関の調査結果でも景気は回復基調を示している。ただ、必ずしもコロナ前と同じではない顧客動向をにらんだ戦略も問われている。
活用が進むのがデジタル技術だ。例えばスマートフォン利用者の位置情報から人の流れを可視化・分析する手法は、感染対策にも使われたツールの一つだ。人の流れを可視化できれば、特定の観光スポットに来訪者が偏らないような施策に役立つ。結果、混雑を避けて「時間が読める観光」につながれば、観光客の利点も大きい。
神奈川県が3月に策定した4カ年の第5期の観光振興計画で重点施策の一つとして掲げたのも観光データの活用だ。県は国内観光客を対象にスマートフォンの位置情報などを活用したデータを収集・分析していた。23年度、対象に外国人観光客を加える。分析結果を関連する機関で共有し、地域特有の魅力を伝える戦略を練る。
人手不足、気候変動、エネルギー・防災などデジタルで解決策を見いだそうという社会課題は枚挙にいとまがない。例え高いハードルであっても、神奈川では産学官、金融、支援機関を挙げた連携と最新技術によって克服しようという取り組みが加速している。
メッセージ/神奈川県知事 黒岩 祐治氏
人手不足などの社会課題の解決と より豊かな県民生活の実現に向けて
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、社会経済活動が活発化する中、産業界では人手不足への対応が喫緊の課題となっています。本県では介護やITなど、深刻な人手不足に直面する分野の人材を育成する職業訓練を行うほか、企業と求職者をマッチングする面接会などを行っていますが、人手不足は解消していません。さらに本格的な人口減少社会の到来が現実となり、今後、より人手不足が深刻化することが懸念されています。国は外国人材が活躍できるよう永住や家族帯同を可能とする特定技能制度の見直しを行っており、本県でも外国人材受け入れに必要な対応を検討しています。
こうした状況の中、業務を効率化し、現場の人手不足に対応していくにはロボットとデジタル技術の活用が重要だと考えています。
本県では、生活支援ロボットの実用化や普及を進める「さがみロボット産業特区」の取り組みを2013年に始めてからこれまで、42件のロボットが実用化し、累計7万台以上が全国各地の現場へ導入されました。本年度から、さらに「中小企業のロボット産業への参入支援」と「ロボットの社会実装の加速化」に重点的に取り組み、ロボットの開発と実装を加速させます。
「中小企業のロボット産業への参入支援」では、技術力の高い県内中小企業が参画するロボット開発プロジェクトを支援し、現場のニーズに合ったロボットを生み出していきます。また、「ロボットの社会実装の加速化」では、新たに「ロボット実装促進センター」を設置し、病院、福祉施設、商業施設などの課題を把握するとともに、その解決に有用なロボットを提案することで、ロボットの導入を一層促進します。
本県ではLINEを活用した「新型コロナ対策パーソナルサポート」など、デジタル技術を県の施策に活用してきました。今後、新たなデジタル技術をさまざまな施策に積極的に取り入れるとともに、ロボットの開発と実装を加速させることで社会課題の解決と、より豊かな県民生活の実現に向けて、全力で取り組んでいきます。
環境産業振興に期待
小田急電鉄社長 星野 晃司氏/沿線の活性化に注力
鉄道はインバウンド(訪日外国人)による箱根へのロマンスカー利用が上向きつつも、テレワークの浸透によりコロナ前水準に戻らない想定です。安全・安心な輸送をベースに地域特性を捉えた街づくりや、環境循環ソリューション「WOOMS」など地域課題起点でのデジタル領域の新規事業から人流拡大や地域を活性化し、地域とともに発展します。
横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 常務取締役総支配人 石原 哲也氏/好アクセス 高い利便性
外国人ビジネス客の宿泊需要が戻っています。日本出張を待ち望んでいたという印象があり、外国人比率はコロナ前の52%に近付いています。団体需要は5月に国内企業の大型インセンティブの受注による宿泊と宴会のセット販売実績が伸びました。羽田空港や新幹線の新横浜駅につながるアクセスの良さを含め利便性の高さを実感してもらっています。
鎌倉市観光協会 会長 大森 道明氏/鎌倉の魅力 継承
今年は鎌倉まつりの流鏑馬を4年ぶりに開催し、観光客の皆さまの喜びと期待を痛感しました。鎌倉の魅力である歴史と文化をしっかり継承する一方、寺院で特別体験ができる着地型観光の推進、日本遺産の構成文化財の活用など観光協会ならではの連携と情報発信力を活かし、内外のお客さまが何度も訪れたくなる観光地づくりに寄与してまいります。
厚木市観光協会 専務理事 小島 利忠氏/観光地活性化へ情報発信
厚木市では今年、4年ぶりに第77回あつぎ鮎まつりが開催されます。1万発の花火大会もあり、期待と盛り上がりを見せています。市内のホテルではインバウンド需要が戻りつつあり、「あつぎ温泉郷」や不動尻渓谷など豊かな自然の観光資源にも注目が集まります。これらの観光地活性化に向けた情報発信やイベントなどを展開してまいります。
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