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兵庫県播磨地区産業界
姫路市は、地域経済の持続的な発展を支える国際人材の育成や確保に力を入れている。2025年度より、行政と教育機関、企業などが連携して、グローバル人材の育成に取り組む組織「ひめじグローバル人材育成コンソーシアム」が本格始動した。主に市内高校生や外国からの留学生を対象とした事業で、グローバル視点の習得やコミュニケーション能力を向上できる機会などを提供するほか、国籍を問わず、若者が姫路への愛着を育めるような施策を展開していく。将来的に地域を支えることになる若者が姫路で就業し、定住してもらえるように産学官が一体となって取り組む。
独自の技術に磨き 元気なモノづくりエリア/兵庫県播磨地区産業界 わが社自慢の技術・製品
伊東電機(加西市)/運び方改革で働き方改革
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フレキシブルノイズレスソーターは小物・軟包装品の仕分け作業を自動化する
2026年で創業80周年を迎えるコンベヤー駆動用モータローラー「パワーモーラ(MDR)」のトップメーカー。同社は1945年に創業して以来、「チャレンジ精神」と「ものづくり力」で、世のため人のためになる製品を開発してきた。
近年では、小物・軟包装品の仕分け作業を自動化するFNS(フレキシブルノイズレスソーター)モジュールを開発。分岐用のボール状ローラーが任意の角度で自在に回転することで、一つのモジュールで多方向への仕分けを実現した。しかもエアレス構造で静音・省エネ型であり、小物や袋物、軟包装品といった形状や安定性の異なる搬送物にも対応し、ラインの汎用性と効率性を大幅に向上。
これにより、従来は個別対応が必要だった搬送物の仕分けを、1モジュールで一元的に処理することが可能となり省スペースで省人化と生産性を向上させる。節目を迎え、今後も生産・物流現場を改善する独自のソリューションで、持続可能な社会の実現に貢献する。
岡田金属工業所(三木市)/シンプル操作で設計図簡単に
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「もでりんクラウド」で検索し、専用サイト「MOKURAKU」で登録して利用
パソコン(WEBブラウザー)上で簡単に設計図が描ける「もでりんクラウド」は、替え刃式ノコギリ「ゼットソー」の製造会社である岡田金属工業所が“木工DIYをもっと気軽に楽しんでほしい”と自社で開発した木工図面設計ツール。
ツーバイ材などの木材をマウスで選んで必要な寸法を入力、角度や位置などを変更し、立体図を確認しながら積み木感覚で図面を完成させるというシンプルな操作方法だ。完成した図面から必要な材料を集計し、部材を効率良く切り出すための木取図や寸法図の作成機能も備えるため、計算ミスやカットミス防止にもつながる。
前身の「もでりん」(ダウンロード形式)を2019年にクラウド化したことで、保存した図面を複数のパソコンで共有でき、スマホやタブレットでも閲覧可能となった。会員登録(無料)のみで手軽に利用でき、学校教育にも取り入れられているという。
アトリエケー(姫路市)/ペルチェ冷暖、衣服位置自由に
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アトリエケーの「どこでもペルチェ」
建設現場や工場作業者の暑さ対策に貢献する次世代型の冷暖調整デバイス「どこでもペルチェ」を発売した。価格は7000円(消費税抜き)。市販のモバイルバッテリーで給電する。
衣服を挟んで取り付けるため、通気口のある専用ウエアは不要で、ユーザーが衣服の好みの位置に設置できるのが特徴。付属のコントローラーでデバイスの温度調整が可能で、外気温と比較して、クールモードで最大マイナス20度C、ホットモードで最大プラス25度Cにできる。1万ミリアンペア時のモバイルバッテリーを使用した場合、クールで約6・5時間、ホットで約9時間稼働する。ファン付き作業服と併用すれば冷却効果を高めることもできる。
厚生労働省が2025年6月から、企業に対して熱中症対策を義務づける方針を決めたことが追い風となり、同デバイスの問い合わせが増加している。
アトリエケーは、今後も商品開発力を生かした暑熱対策製品の展開に注力する。
山陽特殊製鋼(姫路市)/高機能金属粉末の新商品拡充
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山陽特殊製鋼の3Dプリンター用金属粉末は高清浄度粉末で、流動性に優れ充填密度も高い
山陽特殊製鋼は、カーボンニュートラルに向けて製造プロセスの大幅な短縮や省エネルギー化を目指すニーズが一層強まる中、ニアネットシェイプ工法の適用拡大につながる3Dプリンター用金属粉末「NOVASHAPE®(ノバシェイプ)」シリーズの新商品拡充を進めている。
独自開発した金型向け合金「S―MEC®(エスメック)」シリーズは、従来材料では成しえなかった熱伝導性と優れた造形性を有し、主にダイカスト金型の造形に適用することで三次元形状の複雑な水冷管配置が可能になった。それにより、金型の冷却性能が飛躍的に向上しサイクルタイム短縮による生産性の向上や金型の長寿命化が期待されており、引き合いも増えている。また、輸出規制対応品もラインアップされており、グローバル展開への協力が可能になるなど、今後も顧客の競争力向上につながるソリューションを提供していく。
タテホ化学工業(赤穂市)/セラミックス事業、世界4拠点に
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セラミックス製品の世界シェアの更なる拡大を目指す
タテホ化学工業は世界を市場に事業拡大、商品開発を行っている。2024年12月にイタリアのセラミックス製造販売会社2社(H.T.C. S.r.l.、Redco S.r.l.)から100の%事業譲渡を受けた。これによりセラミックス事業は、日本の有年工場(兵庫県赤穂市)、米国のタテホオザーク社(ミズーリ州)、イタリアの2社(ブレシア、ベルガモ)での4拠点体制となった。
原料であるタテホ化学工業製酸化マグネシウムを使用したセラミックス商品の世界シェアは35%(同社予測)であり、今後はシナジー効果発現によって、シェア拡大を目指す。
また、H.T.C.社はアルミナを主体とした精密加工技術を有し、医療用、農業用ポンプのシリンダーの製造や、複雑形状のセラミックス部品の製造を得意としており、タテホ化学工業は従来のタテホグループにない製造技術と商品を取り入れ、世界への貢献分野をさらに拡大する狙いだ。
西芝電機(姫路市)/船内機器をトータルで提供
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船舶機器をトータルでエンジニアリングし、新しいソリューションに取り組む
西芝電機は「JUST ENERGY to FUTURE/未来につなぐエネルギー」を会社のコンセプトに掲げ、電気というエネルギーで安心・安全な未来に貢献している。
船舶システム事業では、カーボンニュートラルと労務費低減を目指す電気推進システムを提供。また、船内機器をトータルでエンジニアリングし提供するシステムインテグレーター(SIer)として、新しいソリューションに取り組んでいる。
発電・産業システム事業では、防災やBCPに必要な非常用自家発電装置などを製造・販売。これら信頼性の高い機器は幅広い業界のインフラで使用されており、設備の導入からメンテナンスまで一貫したサポートを提供し、顧客のニーズに応え続けている。
今後も西芝電機は、顧客と一緒に安全・安心で持続可能な社会の実現と、その未来に貢献していく。
フタバ(播磨町)/円すい一円曲げ強み
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独自技術の大型円すい曲げ加工も得意とする
鋼板の曲げ全般と形鋼の加工を得意とする製缶板金メーカー。特に円すいの一円曲げを得意としており、自社開発の円すい加工専用ローラー・プレス機を使用した高品質・高精度な加工により、プレス痕がないなどの製品を提供。3次元のロボットによる形鋼の切断や曲げ後の切断なども可能とする。高い技術力と超短納で顧客ニーズに迅速に対応し、受注を拡大。若手従業員を増員し、特急工事に対応している。他社が敬遠しがちな、客先の図面からの展開作業にも積極的な姿勢が好評だ。
播磨地区のみならず中部・四国地方などにも製品を出荷。「円すいといえばフタバ」というイメージが浸透している。今後も円すい加工や鋼板加工における幅広いニーズに応じた製品提供を進め、技術力や納期にこだわることで、さらなる成長と発展を目指す。
城洋(姫路市)/高品位の射出成形用シリンダー
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城洋が手がけるHIPシリンダーなどの製品
城洋は、1965年に創業。25年で創業60周年を迎える。創業時から精密機械部品を製造しており、それに加えて射出成形機のシリンダー(加熱筒)も手がけている。シリンダーは、その内部でプラスチック原料を溶かす部材。射出成形の工程で重要な役割を果たす、いわゆる心臓部分だ。光学レンズ向けなど特殊なプラスチックに使われる射出成形機に採用されている。
シリンダー原料の組み合わせのほか高温高圧下での製造により、耐摩耗性や耐食性に優れたシリンダーを実現している。このため、角田城治社長は「ハイグレードな射出成形機に採用されている」と話す。24年には、省エネタイプのシリンダーを開発した。自社の技術を結集して、新たな市場を開拓する方針だ。
赤穂化成(赤穂市)/高機能なチタン系黒色顔料
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赤穂工場(赤穂市)内の高純度塩類の製造設備
赤穂化成は「新しい海洋科学の創造」をベースに無機ミネラルの総合メーカーとして、食品添加物や医療品原料に対応した塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウムといった高純度塩類の生産・販売を得意とする。
同社のチタン系黒色顔料「TilackD(ティラック)」は、無機粉体とセラミック製造技術を融合した独自製法で開発した。無機系の黒色顔料の代表であるカーボンブラックや鉄黒に比べて、耐熱性や電気伝導性に特徴を有しており、水系の機能性塗料や電子部品分野に活用できる。さらに原料は二酸化チタンを使用しているため安全性が高く、化粧品原料としても幅広く展開している。
今後は、機能性材料を中心に長年培ってきたノウハウと技術を生かした付加価値の高い製品作りに注力していく。
三相電機(姫路市)/養殖・農業分野で効果
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気体を液体に効率よく溶かし込む気体溶解装置「サンソルバー」
気体溶解装置「Sansolver(サンソルバー)」は、マイクロバブル発生装置「buboon(バブーン)」の技術を応用した、液体に気体を効率よく溶かし込ませ、高濃度気体溶解水を生成する装置だ。陸上養殖における酸素使用量を削減すべく誕生した。酸素以外に二酸化炭素や水素などの気体溶解も可能だ。
サンソルバーを使えば、陸上養殖における魚のストレスをコントロールできる。その結果、生存率の向上や成長期間短縮、養殖密度が向上するといった効果が大学や公共機関などとの共同研究で確認されている。
さらに農業分野では、水耕栽培やビニールハウス栽培などにおいて、野菜や果物、生花などで成長速度や出来栄えがよくなるなどの効果が得られている。
虹技(姫路市)/高品位マンホール鉄蓋で価値
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次世代型高品位マンホール鉄蓋(SV)は四つの価値を提供する
下水道事業においては、老朽化が進む施設の改築費用や人材の確保など、財政面の課題も踏まえながら総合的に事業を進めていくことが求められている。
虹技では、このような変化に対応すべく「次世代型高品位マンホール鉄蓋(SV)」を開発し、四つの価値を提供していく。
その一つは、高負荷環境でも30年以上安全に使用できる(従来型の2倍)こと。二つ目は、改築工事に要するコストの50%以上削減(維持管理業務の効率化)。三つ目は、大雨による内圧被害の軽減や、地震後の管路調査の効率化への寄与。そして四つ目は、製造工程で発生する二酸化炭素(CO2)排出量の50%以上削減である。
このように、同マンホール鉄蓋は耐久性の進化により、カーボンニュートラルにも貢献できる製品である。
KAJIWARA(姫路市)/熱源条件に応じた発電システム
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有機ランキンサイクル(ORC)発電システム
KAJIWARAでは環境先進地域である欧州において、高い評価を得ているイタリアのZuccato社の有機ランキンサイクルを用いた、発電システムを販売している。
同発電システムは、幅広い顧客ニーズに対応すべく、各種ラインアップしており、熱源の条件に応じて、最適なモデルを選択することが可能である。
利用可能な熱源としては、自然エネルギーおよび一般産業プロセスにおいて廃棄されているエネルギー(廃熱)で、主なものとしては各工場の排ガスや使用済み蒸気、温水からの熱回収に加え、バイオガスエンジンジャケットクーラー温排水からの熱回収(冷却水温度低下にも寄与)などがある。その他、太陽熱や地熱も利用可能である。