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兵庫県播磨地区産業界
姫路市は、地域経済の持続的な発展を支える国際人材の育成や確保に力を入れている。2025年度より、行政と教育機関、企業などが連携して、グローバル人材の育成に取り組む組織「ひめじグローバル人材育成コンソーシアム」が本格始動した。主に市内高校生や外国からの留学生を対象とした事業で、グローバル視点の習得やコミュニケーション能力を向上できる機会などを提供するほか、国籍を問わず、若者が姫路への愛着を育めるような施策を展開していく。将来的に地域を支えることになる若者が姫路で就業し、定住してもらえるように産学官が一体となって取り組む。
ひめじグローバル人材育成コンソーシアム本格始動
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モノづくりの盛んな播磨地域の象徴「国宝姫路城」 -
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大学教授や留学体験者から留学について聞く海外留学フェアを開催
姫路市は若者の大都市圏への流出や少子高齢化の進展で、労働力不足が慢性的な課題となっており、労働の担い手の育成・確保が急務となっている。国全体においても人口減少が進む中、地域経済の活力を維持するためには、グローバルで通用するスキル・視点を備えた人材に姫路で活躍してもらうことがカギとなる。さらには、外国からの留学生が姫路の企業に就職し、キャリアを築いていけるような支援も重要となる。また国籍や文化の異なる人々が共存できる地域づくりも必要となる。
姫路市は、24年度からグローバル人材育成事業をスタートするとともに、産学官が協働して事業を推進する主体として、「ひめじグローバル人材育成コンソーシアム」を設立した。同コンソーシアムは、市内の公立・私立高校や大学・専門学校などの教育機関、地元企業や経済団体、国際交流を支援する団体と行政の26団体で構成される。「留学生受入」「交流」「キャリア」「国際進学支援」の四つのワーキンググループが設けられ、参加団体はそれぞれのグループに分かれて、具体的な施策を進めていく。
多文化共生の地域実現へ
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2024年度には、市内高校生がポーランドの食文化を体験する教室が行われた -
留学生や日本人高校生の20人が地元企業を見学しながら、そこで働く外国人材と意見交換
事業の初年度では、高校生向けに、インドネシアからの留学生との座談会やポーランドの食文化を体験する教室といった交流イベントを中心に開催した。また留学生が姫路の地場産業を知る機会として、地元企業であるまねき食品(兵庫県姫路市)やヤエガキ酒造(同)の職場見学を実施し、そこで働く外国人材と参加学生の交流も行われた。
25年度にはコンソーシアムのワーキンググループが本格稼働し、外国人材の雇用促進の取り組みや国際交流イベントの拡充を図る。地元企業に向けた外国人材の雇用に関する知識や理解を育むセミナーや留学生向けの合同企業説明会を開催する予定となっている。高校生と留学生の交流においては、兵庫県内の大学に在籍する留学生と市内高校生の交流イベントなどを計画する。
留学生の受入の拡大を目指し、姉妹都市などの海外都市との連携を生かした取り組みも検討する。
ほかにも、高校生や留学生に向けて、地域行事への参加を促したり、特産品を知る機会を提供する。若者の地域への愛着を育みながら、多文化が共存できる地域づくりにつなげるとする。
姫路市はグローバル人材育成事業を通した多文化共生の地域づくりで地域経済の発展を目指す。