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阪神・淡路大震災から30年
ライフライン維持、国民経済・生活支える
気象災害が頻発 大規模地震も切迫/進む国土強靱化
国は2025年度末までの「防災・減災・国土強靱(きょうじん)化のための5カ年加速化対策」を進めている。近年は気候変動の影響で豪雨災害など激甚化した気象災害が頻発し、南海トラフ地震などの大規模地震も切迫。インフラが老朽化する中、社会経済システムが機能不全に陥るのを防ぐため、取り組みの加速化・深化を図る123の対策に重点的、集中的に取り組んでいる。
加速化対策では「激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策」として人命・財産の被害を防止・最小化するための50対策と、交通ネットワーク・ライフラインを維持し、国民経済・生活を支えるための28対策を設定。さらに「予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化」21対策、「国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進」として国土強靱化に関する施策のデジタル化12対策と災害関連情報の予測、収集・集積・伝達の高度化12対策を盛り込んだ。
内閣官房の国土強靱化推進室が24年5月に公表した進捗(しんちょく)状況では123対策161施策のうち、96施策(約60%)が目標達成の見込み。58施策(36%)が課題対応次第で達成可能、7施策(約4%)は期間中の達成が困難との見通しを示した。事業費ベースの進捗は予算15兆円のうち12兆5000億円で進捗率は83%。
達成困難と判断した7施策の原因は他施策の進捗遅れや行政訴訟対応など。このうち「流域治水対策」など4件は目標を再設定し継続、残る3件は可能な限りの進捗とした。
国土強靱化推進室は昨年、5カ年加速化対策について初めて個別評価シートを作成。国土交通省や農林水産省、総務省など実施主体の省庁が自己評価した。さらに5年後以降の目標の明確化や施策の成果を分かりやすくするため、現在の244指標に新たに253の補足指標を追加。すべての施策について脆弱(ぜいじゃく)性フローチャートに基づく分析も実施した。
24年の年次計画はこれらの結果に基づき、施策グループの見直しや評価視点整理などを行い、より実効性を高めている。
防災産業展/災害対応・快適トイレ展 併設
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災害対応トイレは2024年も来場者の関心を集めた。
日刊工業新聞社と日本防災産業会議は、1月29日から3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで防災産業に関するサービス、製品を紹介する「防災産業展2025」を開く。22日には先がけてオンライン展が開幕する(2月7日まで)。
「防災・減災によるレジリエンス社会の実現へ」がテーマ。「自然災害対策」「帰宅困難者対策」「情報システム」「ロボット/ドローン/VR活用サービス」「BCP対策」のカテゴリーで耐震・制振・免振技術、耐火製品、仮設テント、災害監視システム、測量、蓄電システムなどを紹介する。
また企画展として「災害対応・快適トイレ展」を併催する。2024年1月の能登半島地震でも大きな課題となった被災地のトイレ問題にスポットを当て、災害時だけでなく平時にも快適な機能を提供するさまざまなトイレを展示する。