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第62回技能五輪全国大会/第44回全国アビリンピック(2024年11月)
11月22日から25日までの4日間、愛知県国際展示場(愛知県常滑市)を主会場に「第62回技能五輪全国大会」が開かれる。愛知県内の5会場と県外の6都県8会場で選手たちが技能を競い合う。同時開催で「第44回全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)」が22日から24日の3日間、愛知県国際展示場で開催される。今年9月には2028年に愛知県での技能五輪国際大会の開催が決まったばかり。技能競技への注目はより高まりそうだ。
若手技能者が技術を披露
製造業の集積地、愛知で
技能五輪全国大会は23歳以下の若手技能者を対象とした技能競技大会。全国から地方予選などを勝ち上がった若手技能者が日頃の鍛錬の成果を競い合う。厚生労働省と愛知県、中央職業能力開発協会(JAVADA)が主催し、前回大会を含め来年まで3年連続同県で開催する。愛知県国際展示場を主会場に、元愛知県立常滑高等学校(愛知県常滑市)、愛知県立愛知総合工科高等学校(名古屋市千種区)、中部職業能力開発促進センター(愛知県小牧市、ポリテクセンター中部)、春日井市落合公園体育館(同春日井市)の県内5会場を中心に熱い戦いが繰り広げられる。
今回は41職種に976人の選手が参加する。競技は「機械組立て」「プラスチック金型」「精密機器組立て」「機械製図」「旋盤」「フライス盤」「試作モデル製作」「自動車工」「時計修理」「構造物鉄工」「電気溶接」「自動車板金」「曲げ板金」「車体塗装」「タイル張り」「配管」「左官」「家具」「建具」「建築大工」「造園」「冷凍空調技術」「とび」「メカトロニクス」「電子機器組立て」「電工」「工場電気設備」「移動式ロボット」「ITネットワークシステム管理」「情報ネットワーク施工」「ウェブデザイン」「貴金属装身具」「フラワー装飾」「美容」「理容」「洋裁」「洋菓子製造」「西洋料理」「和裁」「日本料理」「レストランサービス」の41職種。
メーン会場となる愛知県国際展示場では「機械組立て」や「試作モデル製作」など全28職種を実施。このほか元愛知県立常滑高等学校では「造園」、愛知県立愛知総合工科高等学校では「旋盤」、ポリテクセンター中部では「フライス盤」、春日井市落合公園体育館では「自動車板金」をそれぞれ実施する。
障がい者雇用を促進 時代に応じ新たな競技デモも
同時開催されるのが、障がい者が職場で培った技術や技能を競う競技会、全国アビリンピック。主催は高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)と愛知県で、25種目405人が参加する。技能職種は「洋裁」「家具」「DTP」「機械CAD」「建築CAD」「電子機器組立」「義肢」「歯科技工」「ワード・プロセッサ」「データベース」「ホームページ」「フラワーアレンジメント」「コンピュータプログラミング」「ビルクリーニング」「製品パッキング」「喫茶サービス」「オフィスアシスタント」「表計算」「ネイル施術」「写真撮影」「パソコン組立」「パソコン操作」「パソコンデータ入力」「縫製」「木工」の25職種。さらに飛行ロボット(ドローン)の操作技術を見せる「ドローン操作」と、プログラムの作成や修正をし、処理動作の安定性や速度を競い合う「RPA」の技能デモンストレーションも実施する。
アビリンピックは1972年に全国障害者技能競技大会として始まった。現在の正式な名称は全国障害者技能競技大会で、アビリンピックは「アビリティ(能力)」と「オリンピック」を合わせた愛称として親しまれる。技能を競い合うことで互いの能力を高め合うだけでなく、企業や一般社会が障がい者への理解を深め、雇用の促進を図る目的で開催されている。
国際大会、日本で21年ぶりの開催へ
9月に仏リヨンで行われた「第47回技能五輪国際大会」にて、26年の上海大会に次ぐ28年大会の開催地が愛知県に決定した。日本では07年の静岡大会以来、21年ぶりの国際大会の開催となる。決定を受け愛知県の大村秀章知事は「今回2回目の挑戦で、28年の愛知大会を勝ち取ることができて大変うれしく思う」と述べた。同大会を愛知で開催したいとの思いから、愛知県国際展示場を建設したという。今年、仏リヨンで開催した第47回大会には、愛知県も立候補したが、落選した経緯がある。
愛知県はトヨタ自動車やデンソーをはじめ、製造業が集積し、日本のモノづくり産業の中心地ともいえる。4年後の開催に向け、若手技術者や国内におけるモノづくり産業の育成強化にも期待がかかる。
大会は28年11月15日に開会式、16-19日に競技、20日に閉会式を実施。競技は愛知県国際展示場、開会式と閉会式は25年7月開館予定の愛知県新体育館(名古屋市北区)を会場にする計画。厚生労働省、JAVADA、県により設立する組織委員会が主催する。「技能がつなぐ、持続可能な未来」をテーマに、62職種で競技をし、65カ国・地域以上から選手やスタッフら約5300人が参加する見込み。大会では競技のほか、職業教育・訓練などに関連したフォーラムや、若者の技能や大会への関心を高めるための教育プログラムなども実施する。
ごあいさつ/愛知県知事 大村 秀章
いよいよ明日22日から「第62回技能五輪全国大会」と「第44回全国アビリンピック」をメーン会場となる愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)を始め、県内外合わせて13会場で開催します。昨年に続き、両大会を愛知県で開催できることを大変うれしく思います。
また、2028年技能五輪国際大会の開催地が日本・愛知に決定いたしました。技能を尊重する機運を醸成し、モノづくりの大切さを世界に発信する上で極めて大きな意義があります。
技能五輪全国大会には976名、全国アビリンピックには405名と、合わせて1381名の選手が技能日本一を目指し競います。選手の皆さまには、日頃の厳しい訓練の成果を存分に発揮していただくことを期待しています。
メーン会場では、競技解説ツアーやキッチンカーによる地元グルメの提供なども行います。週末にはぜひ会場へ足を運んでいただき、技能の素晴らしさや障がいのある方への理解を深めていただくとともに、選手への応援をお願いします。