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歯車産業
若手経営者の交流促進
欧州トップメーカー巡るツアーも初開催
日本歯車工業会では、これからの歯車産業を活性化させるため、若手経営者の育成に力を入れている。
2025年度からは大久保歯車工業(神奈川県厚木市)の大久保利彦社長を企画委員会委員長に据えて「若手経営者研究会」を再スタートさせた。50歳以下の経営者と次世代の経営者候補が参加し、工場見学やテーマに沿った意見交換などを実施する。
従来一部の若手経営者に個別に呼びかけ実施していたが、本年度からは全会員から参加者を募る。既に全国から20人程度が参加しており、今月2日に第1回を機械振興会館(東京都港区)で開催した。3月には同工業会の会員で、産業用ロボット向けや減速機向けの歯車製造を手がけるミヤモトエンジニアリング(兵庫県三木市)の見学とディスカッションを予定する。
また、欧州のトップ歯車加工機メーカーを巡るツアー「Euro Gear Tour 2025」を11月23—30日に初開催する。独カップ・ナイルスに始まり、クリンゲルンベルグ、グリーソン・ファウター、リープヘルとドイツを縦断。スイスのライスハウアーまで業界の巨人老舗5社の工場見学を実施。日本の歯車メーカーに加え、加工機メーカーなどから24人が参加する。うち次世代経営者や製造現場リーダーを中心に12人が20—30代の若手の参加者となった。
同ツアーは会員からの「仕事に直結する歯車関係の有名メーカーを見る機会が欲しい」という要望から企画された。担当者は「複数のメーカーを一度に見られる機会は珍しい。若い世代の刺激になれば」と期待を見せる。
近年、後継者問題に悩む会員が多く、若手経営者や製造現場リーダー、次世代の経営者候補が積極的に意見交換することで課題解決につなげたい考えだ。
会員の声聞く取り組み強化
同工業会では会員企業が各地に所在しているものの、これまで活動の中心が関東になりがちで地方の会員が行事に参加しにくいという課題があった。そこで本年度から理事会の地方開催を増やし、地域の理事でない会員企業も参加できるようにした。
まず7月に名古屋で、9月には大阪で実施した。さらに26年5月には福岡での総会開催が決まっている。総会は年1回、東京と地方で交互に開催しているが、九州での開催は久しぶりだという。
九州は同会が実施する歯車の技術講座「ギヤカレッジ」の発祥の地。しかし遠隔地で行事に参加しにくいことなどから会員数が減少していた。総会では九州大学や久留米工業高等専門学校などから研究者を招き意見交換会を実施するほか、かつての会員企業などにも参加を呼びかけ、活性化を狙う。
