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“創る”を“共に” 福岡の未来をひらく
産学官 知の融合 “創る”を“共に” 福岡の未来をひらく ①
福岡県工業技術センタークラブは、福岡県工業技術センターと連携し、会員企業による新技術・新製品の開発や販路開拓に取り組んでいる。人手不足や原材料価格の高騰、デジタル化の動きなど、企業を取り巻く環境は大きく変化している。それだけに高付加価値の製品開発、生産性向上による競争力の強化が求められる。同センターでは県内の各産業支援機関とも連携し、企業の成長・発展を後押しする。
【ごあいさつ】 福岡県工業技術センタークラブ 会長 小笠原 浩 氏(安川電機 会長)
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福岡県工業技術センタークラブ 会長 小笠原 浩 氏(安川電機 会長)
福岡県工業技術センタークラブは工業技術センターを中心に、大学、産業支援機関などと、会員企業との産学官連携による新技術の共創を実現し、会員企業の技術開発促進と事業発展に寄与することを目的として2001年に設立されました。
会員数は設立当初の180機関から268機関に拡大し、会員企業と工業技術センターとの共同研究から、新技術、新製品が数多く開発され、会員企業の売上増加、事業発展につながっています。24年度には、会員企業と工業技術センターで共同研究23件、技術部会活動28回を実施し、生産性向上研究会においては、同センターが開発したIoT導入支援キットと、Braveridge(福岡市西区)と同センターが共同開発したIoTモジュラーデバイスBraveJIGを用いた、会員企業への生産性向上の取り組みを推進しました。
原材料価格の高騰、深刻な人手不足など、中小企業・小規模事業者を取り巻く状況は依然厳しく、米国の関税政策により不透明感が高まる中、賃上げは必須の情勢であり、企業にとって製品、サービスの付加価値の向上が最大の命題となっています。会員企業においても高付加価値製品の開発、生産性向上に向けた産学官連携の取り組みの強化がより一層望まれるところです。
今後もセンタークラブでは、工業技術センターを中心に企業間を含む産学官の知の結合によるイノベーション創出を通じて、会員企業のさらなる発展に貢献できる組織として進化していくことを祈念いたします。
【ごあいさつ】 福岡県工業技術センター 所長 野見山 修治 氏
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福岡県工業技術センター 所長 野見山 修治 氏
福岡県工業技術センターは、モノづくり中小企業の皆さまにとって身近な公設試験研究機関として、企業の皆さまを技術面から総合的に支援しています。
当センターの基本業務は、「研究開発」、「人材育成」、「技術相談・試験分析」、「交流・連携」、「情報発信」の五つです。これらの基本業務を通じて、企業の皆さまと共に、新製品開発、製品の高付加価値化、生産性向上などに取り組んでいます。
人手不足、原材料価格の高騰、デジタル化の動きなど、企業の皆さまを取り巻く環境は依然として厳しく、大きく変化しています。このような状況の中、持続的に成長・発展していくためには、付加価値の高い製品開発などに取り組み、企業の競争力を強化していくことが重要です。
競争力強化には、技術的課題の解決に留まらず、さまざまな課題に対応していくことが必要となる場合があります。当センターでは、県内の各産業支援機関とも連携しながら、企業1社1社に寄り添い、皆さまの成長・発展を支援してまいります。
当センターは、前身である県工業試験部が1925年に発足してから、今年100周年を迎えました。また、県内に四つあった試験場を統合して90年に工業技術センターを設立してから、35周年となる節目も迎えました。
「“創る”を“共に” 福岡の未来(あす)をひらく技術拠点」をキャッチフレーズに、今後も、当センターは、企業の皆さまと共に、福岡の未来(あす)を創る活動を進めてまいります。
先端技術シンポジウム 来月24日開催/共同製品開発事例を口頭発表
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昨年度のシンポジウム
福岡県工業技術センタークラブは「先端技術シンポジウム」を7月24日に福岡市東区の福岡リーセントホテルで開催する。
特別講演「BraveJIGを活用してWebエンジニアが簡単IoT構築」は、Braveridge(福岡市西区)社長の小橋泰成氏が講師となり、圧倒的短期間で実用的IoTの完成を約束するソリューション「BraveJIG」を紹介する。また、センタークラブの四つの技術部会(ナノテク・材料、バイオ、デザイン、機械・電子)から、会員企業と工業技術センターの共同製品開発事例を口頭発表する。さらに会員企業の技術や成果事例、工業技術センターのシーズ技術などのポスター発表も行う。連携・共創につながる技術・人材交流の機会とする。
インテリア研究所/企画から製品化までサポート
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支援により開発された製品
インテリア研究所は企画段階から伴走支援を行い、企業の製品企画力向上を目指す「製品企画力高度化支援事業—NIKAWA—」を実施している。基幹となる製品開発を目指す家具・工芸品メーカー2、3社に対し、研究所がコンセプト構築、デザイナーとのマッチング、製品化までを1年かけてサポート。7年間で20社を支援した。
化学繊維研究所/防臭インナーマスク開発
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不織布マスクを併用した装着図 -
防臭インナーマスク
博有(福岡県直方市)が開発した防臭フィルターを使ったマスクを共同で開発した。通常のマスクよりも鼻を包み込み、かつコンパクトになる立体設計を考案した(意匠登録1787790)。この開発では防臭性だけでなく、会話がスムーズにできるなど優位な快適性があり、煮沸しても維持できる防臭機能などを明らかにした。
機械電子研究所/表面形状測定システム導入
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表面形状測定システム
機械電子研究所は、「表面形状測定システム」(JKA補助)を導入した。同システムは接触部と非接触部から構成される。接触部は、上下に測定子を有するスタイラス(針)を用いることにより、従来の表面粗さ、および形状測定に加え、部品の直径と角度の測定が可能。非接触部では、光干渉法により薄膜の膜厚測定ができる。
生物食品研究所/香り豊かなクラフトビール開発
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開発したクラフトビール「酒麦(しゅばく)エール」
ギャランドゥ(福岡県久留米市)との共同研究により、清酒の特徴を有するクラフトビールを開発した。独自に育種したカプロン酸エチル高生産酵母を用いて吟醸香が基調となる酒質を設計。さらに清酒醸造技術を応用した新規醸造方法の構築によりビール醸造時に清酒酵母の発酵性が低下する課題を解決した。
