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福井のグッドカンパニー2026
フクイノベーション①
イワシタ/東南ア地域で市場開拓
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イワシタ社長 岩下 大介 氏
―長尺マシニングセンターやオーダーメードの特殊工作機械などを手がけています。
「当社の機械は建築や航空機、半導体装置関連向けなど特定の業種に偏っておらず、顧客ごとのカスタマイズ装置を製造しているため、国内売上高比率が高いことも特徴だ。2025年前半は、物価上昇や補助金の審査が厳しくなったなどの影響で顧客の国内投資が進まなかった。しかし、昨秋ごろからは回復基調にあると感じている。26年は自動車業界や半導体業界が伸びるとの見立てが多く、引っ張られて全体的に設備投資案件が上向くと期待している」
―成長戦略は。
「海外の売上高比率をもう少し引き上げ、市場も広げていきたい。海外向けに販売する場合は国内のようにオーダーメード要素を入れず、ある程度仕様を決めた製品として販売する計画だ。長尺マシニングセンターを中心に、東南アジア地域をベースに拡張していく。すでに25年末から、当社の製品をアピールしてもらえる企業と協業して取り組み始めた。まずは市場調査を行っているところだ」
―人材採用にも力を入れています。
「当社の採用に携わってもらえる副業人材に来てもらった。当社は採用の専門部署がなく、基本的なところから教わっている。今までは福井県の人材を主に採用していたが、このほど営業職の現地採用として関西在住の人材を採用した。研修で本社に来てもらうことはあるが、関西に住み、西日本エリアなどを担当してもらう。今後は関東でも同様の働き方をする人材を確保していきたい」
セーレン/車輌資材・半導体関連が伸長
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セーレン社長 山田 英幸 氏
―足元の経営環境は。
「自動車向け車両資材関連がグローバルで好調に推移するほか、半導体や人工衛星などのエレクトロニクスも大きく伸びている。2025年度の売上高や経常利益は、27年度が最終年度の中期経営計画の目標を超える見込みだ。26年度も、同様に車両資材や半導体関連が伸びると考えているが、既存工場はフル生産状態で今後、増産対応する計画だ。特に合成皮革やファブリックなどの車両資材を扱う事業では、グローバルで投資を行う」
―半導体関連事業の子会社のセーレンアドバンストマテリアルズ(福井市)が福井市内に新工場を建てます。
「27年5月の完成予定。半導体用の超厚膜熱酸化膜付きウエハーやSOI(シリコン・オン・インシュレーター)製品を製造する。主に研究開発や特殊用途向けで、光通信分野の光合分波器用基板、パワーデバイスなどに広く利用され、需要が拡大している。また、超厚膜熱参加膜付きウエハーは現状6インチや8インチを手がけているが、新工場に新たに設備も入れ、12インチも製造できるようにする」
―ユニチカから買収した岡崎事業所の繊維事業がNBセーレン(愛知県岡崎市)として1月から事業を開始しました。
「立地の優位性や人材を生かし、シナジー効果を発揮させる。設備維持投資100億円、成長投資100億円の計200億円を投じる。今後は次世代車種向けシート材や人工衛星など、成長8分野の中核拠点として有効活用していく。初年度黒字化を目指す」
松浦機械製作所/自動化・無人化で注目集める
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松浦機械製作所社長 松浦 勝俊 氏
―5軸マシニングセンターを手がけています。足元の事業環境は。
「米国は相互関税の影響がある中でも、防衛産業や航空宇宙、生成AI(人工知能)向けなどの引き合いがあり、需要が非常に強い。世界経済に不透明感はあるが、今後も米国を中心に引き続き良いと考えている。国内も半導体関連などで引き合いが出ており、2026年は良くなると予想している。生産現場は自動化や無人化が引き続きトレンドで5軸加工機は注目されている。当社は長年培ってきた技術があり、情報発信もしながら今後も拡販に力を入れる」
―武生事業所内(福井県越前市)に大型や中小型機械の組み立てができる新工場が稼働して1年がたちました。
「25年1月から本格稼働した。足元は加工対象が大型化していることから、大型機械の需要が増えている。今後は効率良く組み立てるための取り組みに力を入れていく。ただ、当社は長く使える機械にするために手作業で行う作業も多い。作り込みを維持しつつ効率を上げるのが課題だ」
―金属3次元(3D)プリンターも手がけています。需要動向は。
「米国からの引き合いが多いと感じる。国内は価格が高く、量産には向かないとして普及はまだ難しいのではないか。当社の金属3Dプリンターは02年に切削加工もできるハイブリッド型として開発後、新しい技術も入れながらアップデートしている。受託造形にもトライしており、SNSでの発信も含めて普及活動に力を入れていく」
武生特殊鋼材/新工場で受託加工も拡大
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武生特殊鋼材社長 河野 通郎 氏
―異種金属接合材料「クラッド材」を用いた家庭用や工業用の刃物材料などを手がけています。足元の状況は。
「家庭用の刃物向けの売り上げが大きい。2025年度は、円安の影響でインバウンドが増えて好調なほか、輸出も回復の兆しが見えており、業績としては過去最高の売り上げになると予想している。26年度も引き続き好調だと考えている。加えて受託加工も伸びてきており、今後も増やしていきたい」
―25年に新工場が完成しました。今後の展開は。
「新工場には、従来の圧延機よりも幅広材料に対応でき、(材料が往復する)リバース構造が付いた新しい圧延機を導入している。まだ本格稼働ではないが、生産性や品質が向上すると見ている。現状は安定的に量産品を流すためや、精度向上に向け、試作を含めた調整を続けている。家庭用や工業用の刃物材料の製造に加え、受託加工も取り込む。受託加工ではサイズが大きい製品が欲しいという声に対応し、量を増やしていきたい」
―今後の成長戦略は。
「当社は独自開発の刃物鋼が強みで、今後も新規開発に注力する。成長には人材育成も必要。当社はクラッド材といった特殊で難易度の高い製品を製造しており、技術力を上げる努力が大切だ。技能伝承が難しいものの、見える化の取り組みも進めている。多能工化も推進しており、さまざまな工程に関わることで視野も広がり、知識も増えることから、向上意欲をかき立てる狙いもある」
