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エンジニアリング産業
ゼネコン
自動・省人化で工場進化
大手ゼネコン各社は、医薬品や食品、半導体などさまざまな製造施設に対応したエンジニアリング事業に取り組んでいる。土木・建築分野の技術とエンジニアリングのノウハウの組み合わせにより、施設全体を最適化できるのが強みだ。自動化・省人化やコスト低減に関するニーズが一段と高まる中、多様なプロジェクトに長年携わることで培った知見と最先端の技術を融合し、顧客に寄り添った最適なソリューションを提供している。
先端技術で工場最適化
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カルビーせとうち広島工場のメタン発酵槽・脱硫装置・ガスホルダー
竹中工務店はエンジニアリング事業の主要テーマに、生産施設のスマートファクトリー化を掲げている。最先端技術の導入を推進し、自動化・省人化による生産性向上や環境負荷の低減の実現を図っている。その象徴的な施設が、2025年1月に稼働を始めたカルビーせとうち広島工場(広島市佐伯区)。竹中工務店は基本計画の段階からラインの立ち上げまで、総合的に支援を手がけた。
生産性を高めるため、最新のIoT(モノのインターネット)技術を取り込んだ基幹ネットワークを構築。各種アプリケーションや生産・物流設備、建物設備との情報連携など、工場全体における迅速なコミュニケーションを可能にした。
既存工場に比べて労働生産性を約60%高めることを目標に、自動化・省力化にも注力。これまで人手に頼っていた搬送では、原材料や包装材を無人搬送車(AGV)を使い製品を自動搬送する仕組みを構築し、単純作業をなくした。
環境負荷の低減に関しては、排熱や排水、廃棄物の有効活用を徹底した。製造工程で使用する原料を余すことなくエネルギーなどに利用することで、環境配慮型の工場を実現した。
脱炭素や廃棄物削減に大きく寄与しているのが、同社のバイオガスシステム「メタファーム」の導入。製造工程で生じる生ごみや厨房排水中の固形分を原料に、建物内でまとめてメタン発酵処理し、エネルギー源としてリサイクルする。発生したガスは電力や熱として活用でき、運搬や処分にかかっていた二酸化炭素(CO2)排出量やコストの大幅な低減につなげている。
ロボット活用で生産効率向上
大成建設は1968年のエンジニアリング本部発足以降、50年以上にわたり生産施設のエンジニアリングに関するノウハウや実績を積み上げてきた。現在は、医薬品や食品の製造施設を中心とするライフサイエンス分野、半導体製造施設などの分野で生産設備の自動化に取り組んでいる。
同社の強みは、ゼネコンの建設力とエンジニアリング力の組み合わせによる「ワンストップソリューション」。建物、建築設備、生産設備を一体的に捉え、施設全体の最適化を図るため無駄や重複を最小限に抑制。また設計段階から施工計画を加味することで、高品質、短工期、低コストを実現する。
他社との協業による新技術の導入にも積極的だ。こうした取り組みの一つが、トーヨーカネツと共同開発した「T—ロボットストレージ生産システム」だ。ロボットを活用し、組み立て部品の自動保管や搬送を実現する。
生産エリアの上部空間にロボット走行路と一時保管場所を配置することで空間の利用効率が向上。原料や仕掛品の入出庫作業と搬送・供給を自動かつタイムリーに行うことによって、生産効率の向上が可能となる。
今後も、顧客のニーズにきめ細かく対応し、最適なソリューションを提供していく方針を掲げる。搬送頻度や製品の特性などに応じたロボットシステムの提案に加えて、病院向けロボットなど新たな分野にも展開していく。
また搬送に加えて、部品のセッティングの自動化やAI(人工知能)を活用した画像処理技術の導入などを推進。自動化・省人化技術の一層の高度化を目指している。
