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第22回キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)四国
四国の学生による新規事業提案コンテスト「第22回キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)四国」の審査会と表彰式が2024年12月10日、高松市のリーガホテルゼスト高松で開かれた。今回は14校の大学・高等専門学校から43件の応募があり、書類選考を通過した8件が最終プレゼンテーションを行った。最終選考となる審査会では、学生らが審査委員を前にして自らのプランの優位性や独自性などを熱意を込めて発表した。
石橋さんらに最優秀賞
最優秀賞の四国経済連合会会長賞には、弓削商船高等専門学校の石橋治樹さんらが提案した「! -the world of billiards-(ビックリ ザ・ワールド・オブ・ビリヤード)」が選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られた。石橋さんは2月25日に大阪で開催される全国大会に出場する。その他の受賞者にも賞状と賞金が贈呈された。
CVG四国は、優れた技術や新事業、新製品などのプランを表彰する取り組み。日本の将来をけん引する新産業創出と起業精神あふれる人材の育成を目的としている。主催はCVG四国実行委員会で、四国経済連合会、四国産業人クラブ、日刊工業新聞社が共催している。四国電力、四国電力送配電、今治造船、タダノ、四国アライアンス(阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行)、鎌長製衡、新来島どっく、大倉工業が協賛している。
【最優秀賞】四国経済連合会会長賞/! -the world of billiards-(ビックリ ザ・ワールド・オブ・ビリヤード)
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代表の石橋さん
弓削商船高等専門学校
石橋 治樹さん
五所 杏太さん
実物のビリヤード台とIoT(モノのインターネット)を組み合わせることで、ビリヤード本来の楽しさを残しながら、離れた場所の人と対戦ができるシステムを提案する。遠隔対戦に加えてコンピューターとの対戦や練習機能を実装することで、一人でビリヤードをプレーすることが可能。ビリヤード施設に一人で足を運びやすくすることで、新規参加者の獲得促進を図り、ビリヤード市場の規模拡大につなげていく。
カメラとプロジェクターを取り付けたビリヤード台を使用して遠隔対戦する。カメラでビリヤード台上のボールの位置や種類といった盤⾯情報を取得する。相⼿のビリヤード台上には、取り付けたプロジェクターで盤⾯情報を投影し、プレーヤーは投影された位置にボールを設置してプレーする。その後は盤面情報をやりとりしながら、専用のアプリを用いて対戦を進めていく。
ビリヤード施設を対象に、1台あたりライセンス料月額3万円の売り上げを想定する。中四国地域のビリヤード施設から始め、将来的には全国への事業展開や、アメリカなどを中心とした海外展開、ビリヤード台を所有する個人向けサービスも視野に入れる。
【優秀賞】四国経済産業局長賞/防汚機能を有する胆管ステントの製造・販売
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代表の髙田さん
香川高等専門学校
髙田 歩夢さん
樫 裕翔さん
田中 元喜さん
防汚機能を持つ医療器具「胆管ステント」を製造・販売するビジネスプラン。胆管ステントは、胆管がんや胆道閉鎖症などによる胆汁の流れを改善する胆管ステント留置手術に用いられるが、胆汁がゲル化して胆管ステント内に詰まることが問題視されている。
本プランでは、表面に200ナノメートル(ナノは10億分の1)程度の微細な凹凸があり、その凹凸の間に水が入り込むことで水膜を形成して超ナノ親水構造を形成することで優れた防汚機能を発揮するカタツムリの殻に着目した。プラスチック製のステント内壁にプラズマの最適な制御を用いて微細な表面処理を行うことで、超ナノ親水構造を直接形成する技術を確立した。今後は薬事申請・取得が容易とされている韓国で事業展開し、その実績をもとに日本へ逆輸入することを計画する。
【優秀賞】中小企業基盤整備機構四国本部長賞/SechU(セチュー) ~ゴミが愛される宝石に~
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代表の志多さん
香川大学
志多 航太朗さん
田所 比加留さん
ビーチクリーン活動で集めた海洋プラスチックを材料にしたアクセサリーの製造販売を行う。展開するアクセサリーブランド「SechU」は、環境問題への取り組みをファッションという日常生活に取り入れることで、持続可能な新たなライフスタイルの提案をする。
アクセサリーの製造・試験的販売は、2023年10月に開始。オンラインショップも開設済みで、イヤリングやリングなどを販売する。また同年12月には、購入者自らが収集した海洋ゴミを材料としたアクセサリー作りが体験できるキットも販売。ターゲットは小学生で、環境問題に触れることで環境意識の醸成を促すことを目的としている。
今後は瀬戸内海の離島ごとに特徴的な海洋ゴミを利用し、その島限定のオリジナルデザイン商品の販売やワークショップの実施も計画する。
【優秀賞】四国アライアンス賞/ロープラブ
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代表の平井さん
愛媛大学
平井 完樹さん
朝比奈 睦郎さん
ロープラブは、公共交通機関を利用して長距離移動する学生向けのアプリケーション。学生は移動中に提携企業の動画を視聴してフィードバックを行うことで、運賃の一部をポイント還元される仕組み。提携企業からは動画の長さによって契約金を頂き、学生には視聴する動画の長さによってポイント還元率を変動させる。
学生にとっては、移動時間を有効活用してさまざまな企業情報を得ることで就活の役に立つほか、移動費の割引を受けることができ、実質的な金銭的負担が軽減される。提携企業にとっては、学生をターゲットとするサービスや製品の広告を確実に届けることができることが可能になる。またフィードバックの情報を参考にして、今後のマーケティング戦略やサービス・製品の改善などに役立てることができる。
【特別賞】新来島どっく賞/釣果あげてこ ~AI×FISHaring~
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山口さん
香川高等専門学校
山口 哲史さん
釣り人、釣り具屋、釣り具メーカーの三者だった魚釣り市場に、スマートフォンアプリ「釣果あげてこ」が介入することで、相互の関係を強化させて市場の活性化を図る。
利用者は、釣果や釣れた時の釣り具の情報などを投稿することで、提携釣具店などで使用できるポイントを得ることができる。蓄積されたデータを人工知能(AI)が分析し、おすすめの釣具や釣り方などの情報を提供する。またこのデータを、新製品開発などに向けた市場ニーズを把握したい釣り具メーカーに定期的に販売する。釣具店は、解析データから地域ごとの売れ筋のエサや釣り具の情報を得ることで、それを元にして効果的な仕入れやキャンペーンなどを行うことができ、アプリ上で告知することで集客増加を期待できる。
【特別賞】鎌長製衡賞/Vomit Box
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代表の志賀さん
徳島大学
志賀 大晟さん
西田 大連さん
「Vomit Box」は、自分の考えや感情をキャンバスに自由に書き出し、自分自身の潜在意識や価値観を探るBrain Vomitという手法を用いて、誰もが手軽に自己理解を深めるためのきっかけを提供するアプリケーション。
ユーザーは、自分の考えや感情を書き出した用紙をスマートフォンで撮影し、本アプリにアップロードする。人工知能(AI)がその内容を整理し、Brain Vomitの論証的な推論となる「解釈」を生成する。「解釈」を受け取ったユーザーは、日常生活の中で「解釈」に意識を向け行動することで新たな「気づき(示唆)」を得ることができる仕組み。学生が自身の目標設定や就職活動の軸、起業に向けたビジョンの確立などを行う際に利用する。
【特別賞】日刊工業新聞社賞/オゾン含有アルギン酸ゲルの農業への活用
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代表の藤田さん
新浜工業高等専門学校
藤田 翔さん
岩瀬 嵩正さん
作物生育土壌環境の改善機能と、肥料成分の徐放機能を有した「オゾン含有アルギン酸ゲル」を提案する。
オゾンは、さまざまな分野で殺菌・脱臭に利用されており、本プランでは農薬の代わりにオゾンを水に溶存させたオゾン水を用いる。オゾン水をワカメなどの海藻類に含まれる水溶性食物繊維のアルギン酸をゲル状にしたものに取り込むことで、安定保存が難しいという課題を解消する。
さらに汎用品の液体肥料をアルギン酸ゲル中に取り込み、土壌環境の改善効果に加えて肥料成分を土壌に供給する。最終的にはアルギン酸ゲルを土壌に蒔くことで、初期に放出されるオゾンで殺菌を行い、その後数カ月に渡り肥料成分が土壌に供給される商品を目指す。
【特別賞】四国産業人クラブ賞/下灘地区再活性化プロジェクト
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代表の藤本さん
松山大学
藤本 大貴さん
石川 大地さん
篠本 眞子さん
芝 海音さん
JR下灘駅(愛媛県伊予市)は、日本一海に近い駅として全国的に有名で、観光客が多く訪れるが、電車の本数が少ないために車で訪れる観光客が多く、周辺の渋滞が問題となっている。
本プランでは、電車を待つ観光客の受け入れ場所や渋滞・駐車場問題の解消、電車利用客の増加といった課題を解消し、地域の雇用やにぎわいを創出することを目指す。
周辺地域への自由な移動手段を提供する自転車の貸し出し事業や、空き家となっている古民家をリフォームして活用し、地元の特産品や材料を使ったスイーツやドリンクを提供するカフェ事業を通じ、「気軽に濃い体験を」をコンセプトに、下灘で充実した観光、体験ができるサービスの提供する。